復活のアルファロメオ『ジュリアGTA』、F1ドライバーに納車…スパルタン仕様「GTAm」

1960年代の『ジュリア・スプリントGTA』に敬意

2.9リットルV6ツインターボは最大出力540hp

ウィンドウにポリカーボネート樹脂「Lexan」を使用して軽量化

「GTAm」は後席を取り外した2シーター仕様

アルファロメオ・ジュリア GTAm 新型とバルテリ・ボッタス選手
アルファロメオ・ジュリア GTAm 新型とバルテリ・ボッタス選手全 10 枚

アルファロメオ(Alfa Romeo)は3月13日、高性能4ドアセダンの新型『ジュリアGTAm』をアルファロメオのF1ドライバー、バルテリ・ボッタス選手に納車した、と発表した。

写真:アルファロメオ・ジュリア GTAm

ボッタス選手は、「世界限定500台のうちの1台のオーナーなれて光栄。ジュリアGTAmは、F1 の技術的ノウハウを活用して、ザウバーテクノロジーズと共同開発された。伝説的な1965年の『ジュリア・スプリントGTA』を復活させるとともに、ブランドのDNA、モータースポーツへの情熱、ドライビングプレジャーを備えている」と話した。

◆1960年代の『ジュリア・スプリントGTA』に敬意

新型『ジュリアGTA』は、アルファロメオの名車ジュリア・スプリントGTAに敬意を表して開発された。「GTA」とは、「グラン・ツーリスモ・アレッジェリータ」の略で、アレッジェリータとは、イタリア語で「軽量化」を意味する。

アルファロメオは1965年、当時の『スプリントGT』をベースにしたレース仕様車、ジュリア・スプリントGTA を発表した。アルファロメオのレース部門の「アウトデルタ」が開発を担当。アルミ製ボディを採用して車両重量を745kgに抑え、ベース車両の950kgと比較して、205kgもの軽量化を達成していた。同車は1966~69年、4年連続で欧州ツーリングカー選手権を制し、その名を歴史に刻んでいる。

◆2.9リットルV6ツインターボは最大出力540hp

ベース車両の『ジュリア・クアドリフォリオ』のパワートレインを高性能化して搭載する。オールアルミ製の2.9リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が540hpへ引き上げられた。

このスペックは、ジュリア・クアドリフォリオの510hpに対して、30hpの強化にあたる。パワーウェイトレシオは2.81kg/hpで、アルファロメオによると、クラス最高という。ローンチコントロールシステムを使用した場合、0~100km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

ドライブシャフト、ボンネット、ルーフ、フロントバンパー、フロントホイールアーチ、リアホイールアーチインサートなどをカーボンファイバー素材に変更した。エンジン、ドア、サスペンションシステムには、アルミ素材を使用。他のさまざまな複合素材も、車両全体に使用された。

◆ウィンドウにポリカーボネート樹脂「Lexan」を使用して軽量化

さらに、スパルタン仕様の新型ジュリアGTAmでは、モータースポーツの世界から生まれたポリカーボネート樹脂の「Lexan」を、サイドウィンドウとリアウィンドウフレームに使用し、さらなる軽量化を追求した。その結果、車両重量はおよそ1520kgに抑えられ、100kgの軽量化を達成した。

エクステリアには、新型ジュリアGTAよりも大型のフロントリップスポイラーとカーボンファイバー製の大型リアウィングが装備された。エアロダイナミクスを最適化し、高速でのバランスの取れたパフォーマンスを追求する。

カーボンファイバー製のリアディフューザーには、チタン素材の「アクラポヴィッチ(AKRAPOVIC)」製センターエグゾーストシステムが組み込まれる。20インチのセンターロックホイールも専用デザインだ。前後トレッドは50mm拡幅され、サスペンションシステムには新設計のスプリングやショックアブソーバー、ブッシュを採用した。

◆「GTAm」は後席を取り外した2シーター仕様

インテリアには、アルカンターラ素材を、新型ジュリアGTAよりも広範囲に使用した。ダッシュボード、ドアトリム、グローブボックス、サイドピラー、シートのセンタートリムなどに、アルカンターラを使用している。

また、後席が取り外され、2シーター化された。リアには、ヘルメットと消火器を固定するスペースが残されている。マットカーボン仕上げのトリムを採用した。ロールバーを備え、ドアパネルは未装備。ドアの内側ハンドルは、レースの世界に触発され、ストラップに変更されている。カーボンファイバー構造のバケットシートには、サベルトの6点式シートベルトが組み込まれている。

《森脇稔》

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