スーパー耐久第1戦、バイオディーゼルのマツダ3が完走

MAZDA SPIRIT RACING
MAZDA SPIRIT RACING全 33 枚

ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA S耐』の決勝が19日、鈴鹿サーキットで開催された。昨年の最終戦でデビューしたバイオディーゼルを使用した『マツダ3』は昨年の悔しさを跳ね返して無事完走を果たした。

2021年最終戦の岡山大会でデビューしたマツダスピリットレーシングチーム。その時はMAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIOの、『デミオ』をベースにしてバイオディーゼルを使用した車両で参加していた。翌2022年最終戦の鈴鹿5時間耐久レースで、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptとして真っ白でワイドなボディをまとった『マツダ3』がデビューした。

しかしながらレースウィークでトラブルが多く発生し、決勝はクラス最後方からの出走となった。レースでもトラブルが発生し、チェッカーは受けたが36周という周回数でレースを終えた。2022年から2023年までのオフシーズンにマシンの熟成と改良を進め、2023年開幕戦に挑戦してきた。

金曜日に行われた占有走行においては2分25秒740のタイムを出す。土曜日の公式予選ではさらにタイムアップをして2分24秒217までタイムを縮めている。日曜日の決勝ではベストタイムは2分29秒272が出ている。同じ鈴鹿での、昨年の決勝のベストタイムは2分30秒431で、1秒程度の短縮になっているが、占有走行や予選では6秒もタイムアップしている。予選と決勝ではタイヤの違いや燃料の搭載量に違いがあるので、単純比較はできないが、速さが確実にアップしている。

決勝は最終的に89周の時点で他クラスのクラッシュによる赤旗中断からレース終了となったが、目標であった完走を無事に果たした。

チーム代表である前田育男氏は「オフシーズンにチームがマシンの熟成を進めてくれた。チームのがんばりは100点だったと思います。今回は速さを絞っても完走を果たすというのが目標だったので、素直に目標を達成できてうれしいです」と笑顔をこぼす。

「しかし課題は多くあり、まだまだ速さが全然足りない。この車のポテンシャルはもっとあると思うのでそれを引き出せるようにしていきたい。次戦が富士24時間なので完走が目標ですけど、それをクリアできると速さの方にもっと注力できるのではないかと思います」と、完走できる耐久性能をつけてくると、速さにもっと注力できるのではないかと見通す。

いっぽう今回から120号車としてST-5クラスに参戦する、倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERは、グラスルーツのドライバーをスーパー耐久の場所へ引き上げて、ドライバー育成を行うプログラムだ。『ロードスター』、『フィット』、デミオ、『ヴィッツ』、『ヤリス』というコンパクトカーが12台で争う激戦クラスで、5位完走を果たした。

こちらのチームについて前田氏は「上出来な結果ですね。初戦でノントラブル、そして5位入賞。ものすごく期待できるチームだと思います。若手ドライバーをベテランドライバーが引っ張っていく。逆に若手ドライバーがベテランドライバーにプレッシャーをかけるときもある。すごくいい関係性のチームなっていると思います」と述べる。

eスポーツからリアルドライバーを育てる、マツダエンデュランスレースやロードスターパーティーレースの上位者を、スーパー耐久ドライバーに引き上げるプログラムも始動したことで、スーパー耐久に参戦できるかもしれない。そんなラダーシステムの今後に向けても良い結果がでているようだ。

《雪岡直樹》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る