BYD ドルフィン が右ハンドルで登場、価格は80万バーツから…バンコクモーターショー2023

バンコク国際モーターショー2023で披露されたBYDドルフィン
バンコク国際モーターショー2023で披露されたBYDドルフィン全 15 枚

BYD REVERタイランドは3月21日、バンコクモーターショー2023BIMS 2023)のプレスカンファレンスにおいて、電気自動車(BEV)のハッチバックモデル『ドルフィン』を発表した。日本でも2023年中に発売が予定されているが、日本を先行して右ハンドル車での発売となった。

発表されたベーシックなスタンダードレンジのスペックは、バッテリー容量が44.9kwhで航続距離は最大410km(NEDC/New European Driving Cycle)と発表された。バッテリーにはBYD自慢のブレードバッテリーを使用し、最大 60 kW の DC 急速充電に対応する。モーター出力は最高出力70kw/最大トルク180 N-m。これで0→100km/hは12.3秒と実用十分な加速性能を発揮する。

驚くのはその販売価格だ。発表されたのは79万9999バーツ(日本円換算:約306万円)からで、これは一般的な同クラスのBEVに比較してもかなり割安だ。日本の軽EVと比べても遜色ない価格帯と言える。その要因にはタイ政府が付与する電動車への補助金による効果が大きいが、BEVをより身近なものにしようとするBYD側の思い切った戦略とも言うことができる。

デリバリーも順調に行われる模様で、BYD のアジア太平洋ゼネラル マネージャーである Liu Xueliang 氏はプレスカンファレンスの席上で「タイ国内では既に受注が始まっており、4月30日までの受注分は7月1日より納車を開始する」とも約束した。これは中国でのBEVへの補助金が今年の1月1日で終了し、その需要が収まり出していることが背景にあるようだ。

プラットフォームは、既発売の『ATTO 3』と同様、車両を制御するECUを集約して一体化させた先進の「e-Platform3.0」を採用。このプラットフォームはボディサイズによって3タイプが用意されるが、ドルフィンにはATTO 3と同じ最もコンパクトな「A」タイプが採用されている。

会場では右ハンドルの実車を見ることができた。外観は車名を意識したイルカをモチーフとするデザインの5ドアハッチバック。前後の短いオーバーハングで高い機動性を実現しながら 2700mmのロングホイールベースで広々とした室内空間を併せ持つ。デイタイムランニング機能付LEDヘッドランプを採用。タイヤは195/60R16でアルミアロイホイールを標準装備。ブレーキは4輪ともディスクブレーキがおごられる。

インテリアはクラスを超える上質感が漂っていた。ダッシュボードのメイン部分やドアトリムにもソフトパッドが貼られ、パワーシートこそ搭載されていなかったものの、シートのサイズもたっぷりとしていてコンパクトカーとは思えないゆとりも感じ取れた。また、中央には12.8インチのタッチ機能付インフォテイメントが備わり、タイ語での音声コマンドにも対応済みだという。

会場には昨年11月よりタイ国内で発売を開始したATTO 3をはじめ、2023年中にも発売が予定されるスタイリッシュなセダン『シール』を出展。それ以外にも中国市場で展開されているEVがズラリと並べられ、BEVでの世界制覇を狙うBYDの意気込みが伝わる展示となっていたと言えるだろう。

《会田肇》

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