根室本線・富良野~新得間の廃止が事実上決定…輸送密度200人未満の「赤線区」がすべて消滅へ

金山駅に進入する根室本線・富良野~新得間の普通列車。
金山駅に進入する根室本線・富良野~新得間の普通列車。全 4 枚

根室本線・富良野~新得間の廃止、バス転換が3月30日に開かれた沿線自治体とJR北海道との会合で事実上決定された。廃止予定は2024年3月末とされている。

同区間は2016年8月の台風被害により現在も東鹿越~新得間で運行を見合わせており、バスによる代行輸送が行なわれているが、2021年度の線区別収支では、留萌本線を上回るワースト1となっていた。

JR北海道が2016年11月に発表した「当社単独では維持することが困難な線区」においては、輸送密度200人未満を示す、いわゆる「赤線区」のひとつとされていたが、札沼線・北海道医療大学~新十津川間が2020年5月に廃止。留萌本線・石狩沼田~留萌間は2023年3月31日限りで廃止されることになっており、富良野~新得間が廃止されると、赤線区がすべて消えることになる。

根室本線・布部駅。ドラマ『北の国から』の舞台にもなった。根室本線・布部駅。ドラマ『北の国から』の舞台にもなった。

これを受けて鈴木直道北海道知事は、今回の決定に対して「そのご労苦とご決断に心から敬意を表する」とした上で、「地域の皆様が安心して暮らすことのできる交通体系の構築に向けて全力で取り組むとともに、沿線地域の振興に向け、関係自治体の皆様に寄り添いながら、しっかりと応援してまいります」とコメントしている。

根室本線・富良野~新得間は、明治時代の1897年6月に旭川方から建設が始まった十勝線(現・富良野線、根室本線・富良野~新得間)の一部として、下富良野(現・富良野)~鹿越(現・廃止)間が1900年12月、鹿越~落合間が1901年9月、落合~新得間が1907年9月に開業している。

道央と道東を結ぶ重要幹線であったことから、1962年10月からは特急『おおぞら』の運行が開始されたが、1981年10月に石勝線・千歳空港(現・南千歳)~新得間が開業してからは同線経由に変更。急行が廃止された1990年9月以降は普通列車のみが運行されるローカル線となっていた。

廃止区間にある根室本線の鹿越鉄橋。廃止区間にある根室本線の鹿越鉄橋。

なお、廃止区間は富良野~新得間だが、上落合信号場~新得間は石勝線の列車が合流する二重戸籍区間のため、厳密には富良野~上落合信号場間が廃止されることになり、新狩勝トンネル内の信号場手前で複線となっている区間が姿を消す。

根室本線・新得駅の構内。富良野~新得間の廃止後は石勝線の列車のみが発着する。根室本線・新得駅の構内。富良野~新得間の廃止後は石勝線の列車のみが発着する。

《佐藤正樹》

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