【ハスクバーナ ノーデン901エクスペディション海外試乗】「地平線の彼方まで」と本気で思える冒険マシン…佐川健太郎

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディション
ハスクバーナ ノーデン901エクスペディション全 29 枚

北欧スウェーデン発祥の老舗モーターサイクルブランド、ハスクバーナの最新モデル『ノーデン901エクスペディション』はミドルクラスのアドベンチャーモデルである。昨年デビューした『ノーデン901』をベースに、より長距離での快適性や走破性を高めた仕様だ。

【画像全29枚】

具体的にはサスペンションのストローク量を240mmまで伸ばしたWP製XPLORを前後に装備。大型ウインドシールドやアルミ製スキッドプレート、グリップ&シートヒーターを新たに追加。36L容量の大型サイドバッグやセンタースタンドも標準装備されている。「Expedition=遠征」というネーミングのとおり冒険ツーリングに必要な装備が一段と強化されているのが特徴だ。

◆高速道路もコーナーリングも快適な走行感

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディションハスクバーナ ノーデン901エクスペディション

国際メディア試乗会の舞台となったのは手つかずの自然が残る南アフリカ。テストするには絶好の場所だが、今までになく緊張が走る。見た目は従来のノーデン901に比べて車高が高く、厳ついアルミ製ガードで守られるなどラリーマシン風。シートもやや高くなったが、跨ってしまえば初期荷重で沈み込むサスペンションのおかげで足着きもさほど悪くない。

エンジンは定評のあるKTM890アドベンチャー由来の水冷並列2気筒899cc。75度位相クランクが持つVツイン的な歯切れのよい鼓動感とトラクション性能が特徴で、最高出力105psもノーデン901と共通スペックだ。

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディションハスクバーナ ノーデン901エクスペディション

軽いクラッチ操作と極低速から滑らかに出てくるトルクで発進もしやすく、左右に振り分けられた低重心タンクにより極低速も安定している。パンチがあって高回転までスムーズに吹け上がるパワーは高速道路でも必要十分なレベル。大型化されたウインドシールドは上体を起こしていても快適で、アップ&ダウン対応のクイックシフターも節度感があり短いストロークで正確に入るので気持ちいい。

コーナリングも安定していてフロント21インチとは思えない軽快さでオンロードスポーツ並みにワインディング楽しめた。ライドモードはもちろん、高度に制御された傾斜センサー付きのABS&トラコンやMSR(エンブレ調整)など、まさに全部盛りの電子デバイスがもたらす安心感は絶大だ。ちなみに完全防水のサイドバッグは丸めて封をする方式なので必需品をフレキシブルに詰め込めて重宝した。

◆ダートの走破性はまさに水を得た魚

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディションハスクバーナ ノーデン901エクスペディション

広大なダートも走った。モードを「ストリート」から「オフロード」に切り替えるとスロットルレスポンスは穏やかに、ABSも最適化され走りやすくなる。小気味よい鼓動とともに土の路面をしっかりと掴むトラクションが鮮明に伝わってきて、フラットダートであれば比較的簡単に憧れのテールスライドもできてしまう。

最新電子デバイスの威力に加え、ミドルクラスならではの軽さと扱いやすさも実感した。山道に入ると路面は一層ガレてくるが、そんなとき本領を発揮してくれたのがWP製XPLORサスペンションだ。ストローク感たっぷりのしなやかな動きで凹凸を吸収してくれる。スロットルさえ開けていればバイクが勝手になんとかしてくれる感じだ。

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディションハスクバーナ ノーデン901エクスペディション

たまに大きな飛び石が襲うがスキッドプレートがちゃんとエンジンと爪先をガードしてくれた。また、標準タイヤのスコーピオンラリーSTRはオンでもオフでも接地感があり、オールラウンドに安心感が高かった。

そして、秀逸なのが「エクスプローラー」モード。トラコンやスロットルレスポンスのレベルを走行中でも簡単に変えられる。たとえば路面に合わせて砂地や上り坂ではトラコンレベルを下げて失速を防いだり、急に現れたギャップに対しては瞬間的にフロントを軽くして乗り越えやすくしたりもできる。リスクを抑えて快適に走り続けさせてくれるのだ。

まさに、壮大な遠征を現実にしてくれるリアル冒険マシンだと思う。

ハスクバーナ ノーデン901エクスペディションハスクバーナ ノーデン901エクスペディション

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダの最高級ミニバンが復活か?『エリシオン』後継でアルファードに挑む
  2. 次期『ノート』が日産復活の切り札となる? 2027年登場へ、価格は約30万円上昇か
  3. フィアット『トポリーノ』、「スポーツ スペシャルエディション」欧州発表…1958年の伝説的モデルに着想
  4. スズキ『アルトワークス』復活なるか!? 軽スポーツ復権への期待
  5. 【BYD シーライオン6 AWD 新型試乗】「広い・速い・安い」この万能PHEVに弱点はないのか? 300kmを走り検証した
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
  4. 3000アンペアの急速充電に世界初成功、電動トラックの未来を切り開く…MAN
  5. 【日産 リーフ 新型】次世代EVのスタンダードを描いた、“スーパーエアロ”と“スーパーフラッシュ”デザイン
ランキングをもっと見る