ヒョンデの高性能EVは7月発表へ、『アイオニック5 N』…プロトタイプの写真を公開

「N」ブランドの市販車として初めてAWDを採用

ドリフト専用走行モードの「Nドリフトオプティマイザー」

EV専用車台の「E-GMP」にモータースポーツで培ったNの技術とノウハウを融合

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ
ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ全 10 枚

ヒョンデ(Hyundai Motor)は3月30日、小型ハッチバックEVの『アイオニック5』の高性能モデルとして開発中の「アイオニック5 N」を7月、ワールドプレミアすると発表した。プロトタイプの写真を公開している。

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ

◆「N」ブランドの市販車として初めてAWDを採用

車名の「N」とは、ヒョンデの高性能ブランドの「N」を意味する。ヒョンデは2015年秋、Nブランドの立ち上げを発表した。Nは、ヒョンデが新たに立ち上げたサブブランドだ。Nは、WRC(世界ラリー選手権)などモータースポーツのノウハウを導入し、ヒョンデ初の高性能車に特化したブランドとなるのが特長。Nとは、ヒョンデの韓国の研究開発拠点の所在地の南陽と、開発テストの舞台であるドイツ・ニュルブルクリンクに由来する。

ヒョンデは、日本市場にも導入されているEVのアイオニック5の高性能モデル、アイオニック5 Nを7月に初公開する予定だ。ヒョンデによると、アイオニック5 Nがヒョンデ初の高性能EVになるという。

アイオニック5 Nは、Nブランドの市販車として初めて、全輪駆動(AWD)を採用する。NのAWDの歴史は、2015年のWRC参戦で始まった。ヒョンデは8年間にわたりWRCに出場し、2度の世界チャンピオンを含む勝利を獲得してきた。

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ

◆ドリフト専用走行モードの「Nドリフトオプティマイザー」

アイオニック5 Nのコーナリング性能は、前後トルク配分、トルクレート、サスペンションの剛性、操舵力、「e-LSD(電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)」システムを統合するドリフト専用走行モードの「Nドリフトオプティマイザー」によって、さらに強化されている。初めてドリフトに挑戦するドライバーにも配慮されており、あらゆるスキルレベルのドライバーがドリフト走行を楽しむことができるという。

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ

専用にチューニングされたe-LSDによって、電子制御ユニットがホイールセンサーからの入力をモニターし、特定のホイールがトルクを必要とするタイミングを正確に判断して、車両全体のグリップを向上させる。サーキットでのコーナリングや高速走行、氷結や深雪などの悪条件の下でも、e-LSDはハンドリングを向上させる。専用設計されたe-LSDは、 内燃エンジン車と比較して反応速度の速いEVのトルク伝達を考慮し、より速いレスポンスと精度を追求している。

さらに、アイオニック5 Nは、ドライブモードごとに最適化された「Nトルク配分」を採用している。前後のホイールへのトルクレベルを、ドライバーが選択することができる。4輪のすべてにさまざまな比率でパワーを配分するために連動する「Nトルクディストリビューション」とe-LSDは、極端に低摩擦の氷雪路でも、EV特有の瞬間的でシームレスなパワー伝達に素早く対応できるように特別に設計されているという。

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ

◆EV専用車台の「E-GMP」にモータースポーツで培ったNの技術とノウハウを融合

スウェーデン・アリエプローグのHyundai Mobisの試験場において、アイオニック5 Nは冬季テストに取り組んでいる。北極圏に隣接するアリエプローグのHyundai Mobis試験場は、グリップ係数の低い氷結した路面や氷点下30度など、自動車メーカーが総合的な冬季テストを行うために必要な要素をすべて備えているという。

ヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプヒョンデ・アイオニック 5 N のプロトタイプ

これにより、エンジニアは、アイオニック5 Nなどのニューモデルを過酷な低摩擦条件でテストし、応答性に優れた運転する楽しさと、氷点下での安全で予測可能な性能の間の最適なバランスを実現することができるという。

アイオニック5 Nでヒョンデは、EV専用プラットフォーム「E-GMP (Electrified-Global Modular Platform)」とモータースポーツで培ったNの技術とノウハウを融合する。高性能な電動化モデルの水準を高め、パフォーマンスEVの選択肢となることを目指す、としている。

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《森脇稔》

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