[初めてのスピーカー交換]「取り付け費用」を節約する方法がある?

ライトな「デッドニング」メニューにて「スピーカー交換」が成された一例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
ライトな「デッドニング」メニューにて「スピーカー交換」が成された一例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。全 3 枚

「スピーカー交換」に興味を抱くドライバーは案外多い。しかし、実行に移せないでいるというケースも少なくないようだ。何を選ぶべきかが分からなかったり費用について不安に思ったり…。当特集は、それら不安要素を解消していただくべく展開している。

「インナーバッフル」は土台兼音響パーツ。より良いものの方が音に効く!?

さて前回の記事では、「スピーカー交換」をするにあたっては「取り付け費用」が発生することについて説明した。それに続いて当回では、それを切り詰める方法を紹介していく。

まずは「インナーバッフル」について解説していこう。これは、ドアに取り付けるスピーカーの土台となるパーツであり、スピーカーの足元を固めるための、そしてドアの鉄板の共振を抑制するためのものでもある。つまりは音響パーツでもあるわけなので、これに何を使うかでも音が変わる。当然ながら、より良いものを使った方が音的なアドバンテージを発揮する。

ゆえに、「ワンオフ品」が使われることも多い。ワンオフすれば、取り付ける車両に対して、そして装着するスピーカーに対してジャストなものを用意できる。例えば一般的な17cm口径のスピーカーのいくつかを比べてみると、細かな寸法は製品ごとで異なっている。取り付け面のフレームの形や大きさも、モデルごとでまちまちだ。

ところで「インナーバッフル」は、スピーカーの取り付け面のフレームよりも少し大きいくらいの方が良い。逆に「インナーバッフル」の方が少し小さいのは、あまり良くない。

市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア)。市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア)。

ワンオフするのがベスト。しかし汎用品を使うという手もある!

もしも「インナーバッフル」の方が少し小さいと、フレーム面を100%支えられなくなる。しかしワンオフすれば、フレーム面を100%受け止められる「インナーバッフル」に仕上げられる。そうであれば、「スピーカーの足場を固める」という役割をよりしっかりと果たせられる。

またワンオフする場合には、素材にもこだわれる。より堅い木材を使えたり、耐久性を重んじて金属やアクリルで作れたりもする。

しかし、汎用品を使うというのもナシではない。性能的にはワンオフ品の方が有利なことは事実だが、コストを優先するのなら汎用品に分がある。例えばカロッツェリアでは、車体メーカーごとに適合する汎用品を用意している。しかも、木製のものと金属製のものとの2グレード展開としているので、予算に応じて選択可能だ。

実際「カーオーディオ・プロショップ」の多くも、コストを抑制したいというユーザーに対しては汎用品の使用を勧めている。というわけで、汎用品が“使えない”ということはない。また、一旦は汎用品を使っておいて、後からワンオフ品へグレードアップさせるというのもアリだ。そのあたりは臨機応変に考えよう。

「デッドニング」にて使われる部材の一例(フェリソニ)。「デッドニング」にて使われる部材の一例(フェリソニ)。

「デッドニング」の予算を切り詰めれば、より良いスピーカーを手にできる!

続いては、「デッドニング」について説明していく。これも、スピーカーの性能を十二分に引き出そうと考えるのなら最初からフルメニューを行うべきだが、実は「デッドニング」に関してはむしろ段階を経て徐々に手を加えていくことを推奨している「カーオーディオ・プロショップ」も少なくない。

段階を踏むことで得られる利点はいくつかあるが、まず挙げるべきは「スピーカー代に多くの予算を投じられること」だ。例えば予算が10万円だった場合、「デッドニング」をごくごく軽い内容にして取り付け工賃を2万5000円に抑えたとすると、7万5000円のスピーカーを手にできる。対して「デッドニング」にしっかり予算をかけて取り付け工賃に6万円を注いだとすると、スピーカーに注入できる予算は4万円となる。

なおこの例の場合、「デッドニング」に多くの予算を投じるやり方の方が、その時点での完成度は高くなる可能性が大だ。それほど「デッドニング」は大切だ。しかし7万5000円のスピーカーを手にしておき後から「デッドニング」を手厚く行えば、最終的な完成度は間違いなくこちらの方が上となる。長い目で見れば、より良いスピーカーをゲットしておいた方が楽しみが深まる。これもまた確かだ。

さて、「デッドニング」を段階を経て行う利点は他にもある。次回はそれを説明しながら、併せて「デッドニング」とは何なのかも詳しく解説していく予定だ。お楽しみに。

《太田祥三》

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