上海モーターショー2023開幕、「EV大国」の中国で日本勢アピールに躍起[新聞ウォッチ]

トヨタ(上海モーターショー2023)
トヨタ(上海モーターショー2023)全 5 枚

新型コロナ禍で中止や延期を余儀なくされるなど、すっかり影を潜めていたモーターショーだったが、世界最大の自動車大国での展示会だからなのか、そのニュースが紙面を賑わすのも久しぶりである。

世界最大級の国際自動車展示会である上海モーターショーが開幕した。きょうの各紙も経済面などで大きく取り上げているが、中国では電気自動車(EV)の普及が急速に進んでいる中で、各紙のタイトルを比べて見ると、今回のショーの見所などが読み取れる。

◆トヨタはbZシリーズの2車種を発表

まず、読売は「トヨタ、新型EVお披露目」として、日本勢では、トヨタ自動車がEV専用ブランド「bZ」シリーズの新型2車種を公開。家族向けのスポーツ用多目的車(SUV)と、中国EV大手「BYD」との合弁で開発した若年層向けで、いずれも2024年に中国で発売するなどと、トヨタが公開した新型EV「bZ」のスポーツクロスオーバーコンセプトの写真とともに取り上げた。

朝日は「中国EV市場巻き返し狙う」との見出しで、「新型コロナウィルスの影響で中国の新車販売は足元で伸び悩む一方、全体の2割を占めるEVは好調を維持。日本車メーカーも世界最大のEV市場で浸透を図ろうとアピールに躍起だ」などと伝えている。

さらに、毎日も「新型EV一色」とのタイトルで「「内外の自動車メーカーなど1000社以上が参加。世界最大の自動車市場・中国は新車販売の約4分の1をEVなど新エネルギー車が占める『EV大国』で、各社の展示は新型EV一色となった」とも。

◆シェア拡大は消耗戦に?

産経は、経済面のトップで「中国EV競争日系出遅れ」という衝撃的な見出しだが、ホンダの青山真二副社長が会場で日本メディアに対し「マーケットの変化が想定より早かった」とのコメントなどを紹介しつつ、「変化が激しい中国の市場環境は楽観できない。中国の新興EVメーカーが乱立状態となっており、値下げ競争も激化して消耗戦覚悟でシェア拡大を競う状況となっている」と指摘している。

そして、日経は「中国、3台に1台EV、販売競争激化2割り値下げも」と、1面トップで報じたほか、関連記事をビジネス面でも「中国を舞台にしたEVの性能や価格の多様化がさらに進みそうだ」とも取り上げた。

折しも、米政府が、EV購入者への税制優遇の対象を、テスラなど米国メーカー3社の車種に限ると発表。日本勢が強みを持つ米国市場では、日本車を含めて米国外のメーカーは全て対象外となり、中国市場の強化とともに、各社ともEVのグローバル戦略の見直しを迫られる。

2023年4月19日付

トヨタ新型EVお披露目、上海モーターショー開幕(読売・9面)

●イプシロン失敗製造不備、JAXA配管詰まる原因に(読売・35面)

●評伝、第一交通創業黒土さん死去、5台から8200台積み上げ(朝日・6面)

●米EV優遇自国3社限定、購入者に税控除、国外メーカーは対象外(朝日・7面)

●マスク氏新AI開発へ、「チャットGPT」に対抗(産経・9面)

●中国、3台に1台EV、販売競争激化2割り値下げも(日経・1面)

日経平均が年初来高値、2万8658円、8カ月ぶり水準(日経・1面)

●豊田織機の排ガス不正、エンジン2種の認証取り消しへ(日経・14面)

●カーシェア、EV導入進む、DeNA系、ボルボと組む(日経・14面)

●四国で空飛ぶクルマ、スカイドライブ、香川の企業が購入(日経・14面)

●中国EV化、ホンダ35年に前倒し(日経・15面)

《福田俊之》

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