アルピーヌのエレクトリックホットハッチ、2024年の市販版を示唆…5月9日発表へ

モデル名の「A290_β」に込められた意味

ルノーのスポーツカーの開発をアルピーヌが統括

2車種のEVはルノー日産三菱の車台がベース

ルノーR5のアルピーヌ版は名車「5ターボ」の再来の可能性も

アルピーヌ A290_β のティザー写真
アルピーヌ A290_β のティザー写真全 7 枚

アルピーヌ(Alpine)は4月28日、2024年に市販予定のスポーツEVを示唆したコンセプトカー、『A290_β(ベータ)』を5月9日、初公開すると発表した。

【画像全7枚】

◆モデル名の「A290_β」に込められた意味

A290_βは、アルピーヌの未来の電動ホットハッチを示唆した1台。アルピーヌの次世代EVは、「ドリームガレージ」と呼ばれ、ドリームガレージの最初の1台は、2024年にデビューする予定だ。ドリームガレージの最初の1台は、アルピーヌの新時代を体現するもので、電動でスポーティに走るという。

A290_βは、アルピーヌブランドのネーミング戦略に沿っており、「A」の後に3桁の数字が続く。最初の数字「2」は、車両の大きさを表している。「90」は、アルピーヌが「ライフスタイル」と呼ぶスポーツモデルに付されるもので、純粋なスポーツカーにはアルピーヌ『A110』同様、「10」の数字を使う。「β」は、ソフトウェアの世界で使われるベータテスト、つまり最終版の直前のテスト車両を意味している。

アルピーヌは、A290_βのティザー写真を公開した。ハッチバックボディのシルエットが確認できる。アルピーヌによると、将来のエレクトリックホットハッチになるという。

◆ルノーのスポーツカーの開発をアルピーヌが統括

アルピーヌの市販モデル、ルノーのスポーツカー、ルノースポールレーシングの現在の活動は順次、アルピーヌブランドの下で統合される。アルピーヌは、目の肥えた顧客向けの新世代の自動車ブランドになるという。

アルピーヌはまた、ルノーグループとルノー日産三菱アライアンスの規模とノウハウを活用する。これには、ルノー日産三菱アライアンスのEVプラットフォームのテクノロジー、グローバルな生産施設、最適なコスト競争力を確保する購買部門、グローバルな流通ネットワークなどが含まれる。目標は、モータースポーツへの投資を含めて、2025年に利益を上げることだという。

◆2車種のEVはルノー日産三菱の車台がベース

アルピーヌブランドは、A110に続く新型車の開発にも乗り出している。アルピーヌの具体的な新型車としては、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-B EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのBセグメントホットハッチがある。また、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車も計画されている。

「CMF」とは、「コモン・モジュール・ファミリー」の略だ。CMF EVプラットフォームは、日産が開発を主導し、新型クロスオーバーEVの日産『アリア』に最初に採用されている。

このEV専用プラットフォームは、EVに関する日産の豊富なノウハウを注入し、運転の楽しみや乗る人すべてが快適な車になることを目指して開発されたという。重量物であるバッテリーを車体中央に配置し、低重心かつ前後の重量配分が均等になるように設計された。また、バッテリーケース内にクロスメンバーを配し、フロアトンネルが無いフラットなフロアも高い剛性を確保している。組み合わされるサスペンション部品も高剛性な部品を採用するなどし、操縦安定性能を向上させるだけでなく、揺れにくい快適な乗り心地と高い静粛性を実現しているという。

◆ルノーR5のアルピーヌ版は名車「5ターボ」の再来の可能性も

アルピーヌの次世代EVのドリームガレージとして、計画されているのは3モデルだ。そのうちの1台が、CMF-B EVプラットフォームをベースにしたフルEVのBセグメントホットハッチになる。

このフルEVのBセグメントホットハッチは、ルノーグループがルノー『5』の再来となる新型EVとして、2025年に発売予定のルノー『R5』のアルピーヌ版の可能性がある。ルノーR5は、コンセプトカーのルノー『5プロトタイプ』の市販バージョンとして、現在開発が進んでいる。

《森脇稔》

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