【SUPER GT 第2戦】auトムススープラが6番手スタートから大逆転勝利

優勝した#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)のチェッカーシーン
優勝した#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)のチェッカーシーン全 16 枚

静岡県・富士スピードウェイで4日、SUPER GT第2戦の決勝レースが行われ、6番手スタートからピットストップのタイミングでトップに立った#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が優勝した。

開幕戦岡山は雨模様だったが、第2戦富士は晴れ渡り絶好のレース日和となった。GWということもあり前売りチケットは完売。48,600人(主催者発表)ものファンが富士スピードウェイに来場した。

前日に行われた予選では#100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がポールポジションを獲得。#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が2番手、#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)が3番手、#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が4番手と、前2列をホンダとトヨタで分け合う結果となった。ニッサン勢は5番手に#24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)がつけ、9番手に#3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)と、開幕戦優勝の勢いを潜め、後方からのスタートとなった。

決勝レースは約450km、100周。約2時間半にも及ぶレースとなる。ピットストップは2回が義務付けられ、1人のドライバーはレースの2/3(67周)以上走行してはいけないルールが定められている。

SUPER GTは走行しながら隊列を整えてスタートする「ローリングスタート」が採用されているが、大きな混乱もなく、トップ3はそのままの順位で1周目を終えた。しかし2周目、3番手スタートの#16 ARTA MUGEN NSX-GTが2位に浮上。5番手スタートのリアライズコーポレーション ADVAN Zが3位まで順位を上げ、2番手スタートのWedsSport ADVAN GR Supraは4位まで順位を下げ、5周目には6位まで後退してしまった。

6周目終了時点でトップはSTANLEY NSX-GT、2位は#16 ARTA MUGEN NSX-GTとホンダの1−2。3位がリアライズコーポレーション ADVAN Z、4位が6番手スタートだった#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)。以下、#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)、WedsSport ADVAN GR Supraのトップ6。ここからしばらく上位は膠着状態が続いた。

レースが動いたのは20周目。au TOM'S GR Supraがリアライズコーポレーション ADVAN Zを抜いて4位に浮上してきた。23周目には6位WedsSport ADVAN GR SupraとNiterra MOTUL Zが抜きつ抜かれつのバトルを展開したが、この周終わりでWedsSport ADVAN GR Supraは1回目のピットストップを行い、この激しいバトルは一旦休止となった。

上位では1位STANLEY NSX-GTと2位#16 ARTA MUGEN NSX-GTが31周目にピットイン。コースに戻ると、23周目にピットストップを済ませていた#8 ARTA MUGEN NSX-GTがSTANLEY NSX-GTがSTANLEY NSX-GTの背後に迫り、翌周に抜き去り逆転を決めた。しかし32周目にピットストップを行ったau TOM'S GR Supraが、この2台の約5秒前を走行。実質上のトップに躍り出た。

40周目、最後まで残っていた#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)がピットストップを行い、これで全車1回目のピットストップが完了。トップはau TOM'S GR Supra、2位#8 ARTA MUGEN NSX-GT、3位STANLEY NSX-GT、4位リアライズコーポレーション ADVAN Z。以下#16 ARTA MUGEN NSX-GT、そして10番手スタートの#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が6位につけてきた。

59周目から2回目のピットストップが始まり、78周目に全車完了。この間に#16 ARTA MUGEN NSX-GTがペナルティーを受け大きく順位を落とした。トップはau TOM'S GR Supraで変わらず。2位争いは熾烈で、STANLEY NSX-GTが2位に浮上し、3位はリアライズコーポレーション ADVAN Z、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが4位に順位を落としていた。

ここからau TOM'S GR Supraは後続をどんどん引き離し独走体制に。2位STANLEY NSX-GT、3位リアライズコーポレーション ADVAN Zも単独走行状態となった。その後、徐々にペースが落ちていった#8 ARTA MUGEN NSX-GTには後方からAstemo NSX-GTとNiterra MOTUL Zが追いつき三つ巴の4位争いに。91周目にはAstemo NSX-GTが4位に浮上したが、92周目には6位に転落し、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが4位復帰を果たし、Niterra MOTUL Zが5位浮上と、激しく順位を入れ替え、さらには後方から#37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)も迫ってきた。

レースも残り5周となった95周目、3位走行中のリアライズコーポレーション ADVAN Zがアクシデントに巻き込まれマシンを破損。ピットに戻りリタイヤとなってしまった。これで3位表彰台争いとなった#8 ARTA MUGEN NSX-GT、Astemo NSX-GT、Niterra MOTUL Z、Deloitte TOM'S GR Supraだったが、なんとファイナルラップ手前で#8 ARTA MUGEN NSX-GTがスローダウン。ピットに戻りチェッカーを受けることができなかった。

100周のレースは一度もセフティーカーやフルコースイエローが出ることなく終了。1位は後続に28秒もの大差をつけたau TOM'S GR Supra。2位はSTANLEY NSX-GT。そして熾烈だった3位争いはAstemo NSX-GTが制し、見事表彰台を獲得した。

■GT300クラスはリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rがポールトゥウィン

GT300クラスは#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(JP・デ・オリベイラ/名取鉄平)がポールポジションを獲得。以下、#31 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)、#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)というスタート順だった。

1周目に5番手スタートの#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)が、2周目に埼玉トヨペットGB GR Supra GTが1回目のピットストップを行うという奇襲に出たが、全車が1回目のピットストップを終えると、トップはmuta Racing GR86 GT、2位は埼玉トヨペットGB GR Supra GTとなり、この作戦は大成功となった。

ポールポジションからスタートしたリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは3位に落ちていたが、2回目のピットストップで2位に浮上。80周目にトップのmuta Racing GR86 GTに追い付くと、81周目にトップを奪い返した。

レースはそのままの順位で終了。リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが見事ポールトゥウィンを決め、序盤ピットストップの奇襲に出たmuta Racing GR86 GTと埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2位、3位という結果になった。

次戦、SUPER GT第3戦は6月3日、4日の日程で鈴鹿サーキットを舞台に開催される。

■SUPER GT第2戦富士、GT500クラス決勝結果(トップ10)

1. #36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
2. #100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
3. #17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
4. #14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
5. #3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
6. #37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)
7. #23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
8. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
9. #1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
10. #16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)

■SUPER GT第2戦富士、GT300クラス決勝結果(トップ10)

1. #56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(JP・デ・オリベイラ/名取鉄平)
2. #2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)
3. #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
4. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)
5. #10 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき)
6. #88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
7. #6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ/神晴也)
8. #31 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生)
9. #96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
10. #25 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/野中誠太)

《藤木充啓》

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