NSX の車体をカット、世界に1台のトレーラーをアキュラが製作…ロードラリーの機材運搬車に

トレーラーにはスペアタイヤや工具を積載

スペアタイヤなどの出し入れを容易にするドアを取り付け

トレーラーを牽引するのはNSX最終モデル「タイプS」

アキュラ NSX タイプS と NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラー
アキュラ NSX タイプS と NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラー全 10 枚

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラ(Acura)は5月5日、『NSX』の車体をカットして製作したトレーラーを発表した。NSXのリア部分のみのトレーラーを、『NSXタイプS』で牽引して、全米を走破するロードラリーに参戦中だ。

◆トレーラーにはスペアタイヤや工具を積載

アキュラ  NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラーアキュラ NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラー

このトレーラーは、アキュラのエンジニアが「One Lap of America」にNSXタイプSで挑戦する際の機材運搬車として製作された。One Lap of Americaは、8日間で全米3200マイル(約5150km)を走破する恒例のロードラリーだ。

One Lap of Americaは、今年が第38回大会。インディアナ州サウスベンドを出発し、15州を駆け抜ける。ジョージア州ブラゼルトンのロードアトランタやテネシー州レバノンのナッシュビル・スーパースピードウェイなど、米国有数のサーキットにおいて、タイム計測も行われる。

トレーラーには、スペアタイヤをはじめ、工具や潤滑油などが積まれており、コース途中のサーキットへ運ぶ。世界で最もホットなレーストレーラーとして、カスタムメイドされているという。

◆スペアタイヤなどの出し入れを容易にするドアを取り付け

サーマルオレンジパールのNSXタイプSには、オハイオ州のホンダの北米自動車開発センター(ADC)のエンジニア、ジャスティン・ボビンスキーシとチャド・ギルジンガー氏が乗り込む。車両価格5万ドル以上のスポーツ&グランドツーリング、スモールボア、ストックGTクラスに参戦するNSXタイプSは、アキュラのペースカーと同じラッピングが施された程度で、ほぼ無改造の状態という。

世界に1台しかないNSXのトレーラーは、ADCのチームによって作られた。衝突試験に使用された第2世代のNSXのテスト車両から、ダメージのない後ろ部分を切断。スペアタイヤなどの出し入れを容易にするために、ドアを取り付けた。H&R製スプリングを装着したNSXトレーラーは、HREの軽量ホイールとファルケンの高性能タイヤを履いて走行する。

リバースカメラは、牽引するNSXタイプSのインフォテインメントシステムに接続されている。NSXタイプSの牽引装置には、ヒッチレシーバーに合わせてADCが製作したリアクラッシュバーが装備されており、トレーラーを安全に牽引することができるという。

◆トレーラーを牽引するのはNSX最終モデル「タイプS」

アキュラ NSX タイプS と NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラーアキュラ NSX タイプS と NSX の車体をカットしたカスタムメイドのトレーラー

現行NSXの最終モデルとして、350台が限定生産されたNSXタイプSには、高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム、「スポーツハイブリッド SH-AWD」を搭載する。フロントにモーターを2個、リアに9速デュアルクラッチトランスミッションと一体設計する形で1個、合計3個のモーターをレイアウトした。前輪の左右を独立した2つのモーターを使い、四輪の駆動力を自在に制御するトルクベクタリングを可能にする電動式4WDハイブリッドとなる。

直噴3.5リットル(3493cc)V型6気筒ガソリンツインターボエンジンに専用チューニングを施した。新開発の燃料噴射装置は、25%多いガソリン流量を可能に。新設計のインタークーラーは、冷却性能を15%引き上げた。レーシングカーのNSX GT3 Evoと共有する新しいターボチャージャーは、ピークブースト圧を15.2psiから16.1psiに5.6%高めた。その結果、エンジンの最大出力は500hpから520hpに20hp向上し、最大トルクも56.1kgmから61.3kgmに5.2kgm増加した。

ハイブリッドシステム全体で、パワーは従来比27hpプラスの600hp、トルクは2.2kgmプラスの68kgmに到達する。600hpのパワーは、これまでのアキュラの市販車で最強という。前輪に動力を供給し、コーナーでアクティブトルクベクタリングを可能にする「ツインモーターユニット(TMU)」のギア比は、8.050対1から10.382対1に下げられた。この20%低いギア比により、加速性能を引き上げている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 「赤色くるー!!」2026年モデルのカワサキ『エリミネーター』に熱視線!新カラー&グラフィック追加へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る