どんな「パワーアンプ内蔵DSP」を選ぶべき?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・UP 10DSP)。
「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・UP 10DSP)。全 3 枚

カーオーディオ製品のカタログ等を眺めていると、専門用語が多々目に入る。そしてそれらの存在がビギナーを遠ざけがちだ。当連載はその払拭を目指して展開している。今回も前回に引き続き、「パワーアンプ内蔵DSP」というワードについて深掘りする。

◆「パワーアンプ内蔵DSP」が向いているケースが増加中!?

前回は、「パワーアンプ内蔵DSP」とは何なのか、どのような車種に向いているのかを説明した。なおその中で触れたとおり、これが人気を博すようになったのは「メインユニット」を交換しにくい車種が増えたからなのだが、昨今はそれ以外にもこれの導入が向いているケースが増加傾向にある。それは、「あらかじめサウンドチューニングがなされている場合」だ。

例えば、純正オプションのプレミアムオーディオシステムが搭載されている場合や、トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の多くでは、最初からサウンドチューニングが設定されていて、しかもそれを後から変更できない。なので、スピーカーを交換してもそのスピーカーに合った設定にし直せない。また、ドライバーの好みのサウンドにも変更できない。

しかし、純正の設定を一旦ニュートラルな状態に戻せる機能を積んでいる「パワーアンプ内蔵DSP」があり、そうであればサウンドの再構築が可能となる。

というわけで「パワーアンプ内蔵DSP」を選ぶ場合、愛車のシステムがこれに該当するのであればこのような機能が搭載されていることが第一条件となる。このことは、記憶にとどめておくべきだ。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・M-5.4DSP)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(マッチ・M-5.4DSP)。

◆将来的なことも含めて「どんなシステムを構築したいか」を、熟考すベシ!

続いて、その点以外で着目すべきポイントについて説明していこう。まず問題となるのは「コントロールできるch数」だ。というのも、これは後から増やせない。なのでのちに、もしも複雑(高度)なシステムを組もうとしたとき、「コントロールできるch数」が不足していたら「パワーアンプ内蔵DSP」自体を買い換えるしかなくなる。

そうなることは避けたい。なので、将来的なところも含めて自分がどんなシステムを構築したいのかを熟考し、それに対応可能なスペックを備えたモデルを選択しよう。逆に、例えば将来的にもフロント2ウェイ+サブウーファーというスピーカーレイアウトのままで良いと考えるのであれば、6chをコントロールできる機種でOKだ。そのような機種に的を絞れば、導入コストを抑制できる。

また「内蔵パワーアンプのch数」も、自分にとって必要な数を備えたモデルを選びたい。とはいえのちに「パワーアンプ」のch数を増やしたくなったときには、「外部パワーアンプ」を足すことで対応できるケースも多い。なのでひとまずは現状必要最低限のスペックを有するモデルを選んでおいて初期費用を抑え、必要性が生じたときに「外部パワーアンプ」を追加するという作戦も選択可能だ。この部分に関しては、臨機応変に考えよう。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・V EIGHT DSP MKll)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・V EIGHT DSP MKll)。

◆「内蔵パワーアンプ」の出力にも要注目! コストと音を天秤にかけ選択を!

また、「内蔵パワーアンプの出力」もチェックしよう。なおこれは、大きければ大きいほど余裕を持ってスピーカーを鳴らせるが、それがすべてではない。なので出力の大きさにはとらわれすぎる必要はない。

ただ、中には出力をかなり抑えたモデルもある。一般的な「メインユニット」に内蔵されているパワーアンプと同程度に仕上げて、価格を抑えかつ超小型化を成し遂げているモデルもある。しかし「外部パワーアンプ」並の性能を求めるのであればそのようなモデルは不向きだ。出力の大きさについては、コストと取り付け性、そして音質性能とを天秤にかけて判断しよう。

あとは、「DAP」を繋いでハイレゾ音源の再生も行いたい場合には、「デジタル入力端子」のタイプと再生可能なハイレゾ音源のスペックもチェックしておこう。また、一部「Bluetooth」に対応しているモデルもある。そうであると外部プレーヤーのワイヤレス接続も可能となる。

ところでサウンドチューニング機能そのものは、各機で大きな差はないと思って大丈夫だ。最新のモデルはおしなべてチューニング能力は優秀だ。

今回は以上だ。次回も「プロセッサー」に関連したワードの意味を解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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