北陸の名門鉄道車両工場が消滅---新幹線敦賀延伸に向けて組織改正

2023年4月1日時点の北陸新幹線敦賀駅。最寄りには白山総合車両所敦賀支所が設けられる。
2023年4月1日時点の北陸新幹線敦賀駅。最寄りには白山総合車両所敦賀支所が設けられる。全 2 枚

JR西日本は5月29日、2023年度末に予定されている北陸新幹線敦賀延伸と並行在来線(敦賀~金沢)分離に伴なう組織改正を8月から順次実施すると発表した。

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北陸新幹線では、整備主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の監査・検査対応や開業の諸準備、開業後の業務を行なうための組織として、車両基地の「白山総合車両所敦賀支所」、乗務員基地の「敦賀新幹線列車区」、保守機関の「福井新幹線保線区」「福井新幹線電気区」がそれぞれ設けられる。

また、駅は小松・加賀温泉・芦原温泉・福井・越前たけふ・敦賀の各駅が新たな新幹線駅となり、越前たけふを除いて在来線との併設駅となる。

並行在来線では、北陸新幹線・敦賀~金沢間がハピラインふくいとIRいしかわ鉄道へ経営分離されるため、現行の敦賀地域鉄道部、福井地域鉄道部(鉄道部は部内の各センターや北陸本線の駅を含む)、金沢列車区、金沢保線区、金沢電気区を廃止。乗務員基地として「敦賀列車区」、保守機関として「敦賀保線区」「敦賀電気区」が設けられる。

また、長く北陸地方の一大車両車両基地として機能していた金沢総合車両所は、金沢車両区の敦賀支所、富山支所として分区。車両検査を受け持つ同所の松任(まっとう)本所は閉鎖される。

松任本所は、明治時代に発足した金沢機関庫の車両修繕部門を前身に持ち、戦後の日本国有鉄道発足後には松任工場として、客車や機関車、電車を総合的に修繕する北陸の一大車両修繕工場として君臨していたが、1997年3月には車両管理部門と統合し現在に至っていた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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