札幌圏のJR、赤字額が半減…一部廃止の留萌本線は収益アップ JR北海道2022年度の線区別収支

コロナの行動制限や水際対策の緩和などで大幅に赤字が減少した札幌圏。写真は新千歳空港と千歳線の普通列車。
コロナの行動制限や水際対策の緩和などで大幅に赤字が減少した札幌圏。写真は新千歳空港と千歳線の普通列車。全 3 枚

JR北海道は6月9日、2022年度の線区別収支と利用状況を公表した。

2022年度も依然として全線区で営業損失(赤字)が生じている状態が続いており、鉄道事業全体で665億5500万円の赤字が計上されているが、行動制限や水際対策緩和の効果もあり、前年度より130億4600万円縮小した。

コロナ禍以前の2019年度との比較では、営業収益、輸送密度とも8割台にまで回復しているが、最近の原油価格高騰のあおりを受けて、赤字額は107億7700万円拡大しているという。

今回の赤字縮小の大部分は札幌圏や主要都市間輸送、北海道新幹線が占めているが、とくに札幌圏の赤字は148億5900万円から71億6800万円とほぼ半減しており、インバウンド需要の戻り効果が顕著だった模様だ。

留萌本線・石狩沼田~留萌間最終日のヘッドマーク付き列車。留萌本線はラストラン効果で増収となった。留萌本線・石狩沼田~留萌間最終日のヘッドマーク付き列車。留萌本線はラストラン効果で増収となった。

一方、輸送密度が200人/日未満の「赤線区」については、3月31日限りで留萌本線・石狩沼田~留萌間が廃止された影響で、同線では営業収益が3800万円増加。輸送密度2000人未満/日の「黄線区」については、橋梁の修繕費や動力費が増加した根室本線・帯広~釧路間以外は赤字が縮小している。

2022年度は前年度より輸送密度が3人/日増えた根室本線・富良野~新得間だったが、最小に変わりはなかった。写真は列車と代替バスの中継駅となっている東鹿越駅。2022年度は前年度より輸送密度が3人/日増えた根室本線・富良野~新得間だったが、最小に変わりはなかった。写真は列車と代替バスの中継駅となっている東鹿越駅。

《佐藤正樹》

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