【CX-60 vs CX-5 vs CX-8】マツダの人気SUV同士を比較! 違いから分かる魅力

CX-60 vs CX-5 vs CX-8
CX-60 vs CX-5 vs CX-8全 36 枚

◆比較する車種のプロフィール

今はSUVの人気が世界的に高く、マツダも車種を豊富に用意する。OEMを除いた10車の取り扱い車種の内、6車種をSUVが占める。この内で、選択に迷いそうな車種が、『CX-5』、『CX-60』、『CX-8』だ。マツダのSUVラインナップでは、ミドルサイズから上級タイプになる。

この3車の中で基本になるのが前輪駆動のCX-5だ。CX-5のボディを伸ばして、3列のシートを装着したLサイズSUVがCX-8と考えれば良い。実際のCX-8の開発は、海外向けに用意されるCX-9の幅を狭めた仕様だが、ユーザーから商品を見ればCX-5のロング版だ。

CX-60は、これも実際の設計・開発とは異なるが、CX-5を後輪駆動に置き換えたクルマと考えられる。CX-60の居住空間の広さは、CX-5とほぼ同じだ。CX-60は全長が4740mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2870mm、CX-5よりも長いが、それはエンジンを縦置きにした後輪駆動のレイアウト、つまりボンネットの部分で伸ばされている。

◆外観デザイン&ボディサイズ比較

マツダ CX-60 全長4740mmマツダ CX-60 全長4740mm
マツダ CX-5 全長4575mmマツダ CX-5 全長4575mmマツダ CX-8 全長4925mmマツダ CX-8 全長4925mm

CX-5は全長が最も短く、スポーティな塊感が伴う。前輪駆動車としてはボンネットが長く、ボディが前輪よりも前側へ張り出したフロントオーバーハングが伸びている。

CX-8はボディの前側はCX-5に近いが、フロントウインドウからボディの後端までが長い。CX-8を真横から見ると、CX-5のロングボディ仕様という感じだ。車内の広さを連想させる。

CX-60は後輪駆動とあって、CX-5とCX-8に比べると、フロントウインドウと前輪との間隔が広い。BMW X3のようなボディスタイルだ。

◆インテリア&居住性比較

マツダ CX-60 インテリアマツダ CX-60 インテリアマツダ CX-5 インテリアマツダ CX-5 インテリアマツダ CX-8 インテリアマツダ CX-8 インテリア

インパネのデザインは、CX-5とCX-8は良く似ている。水平基調で、ATレバーの収まるセンターコンソールは、高めに設定されている。前輪駆動車のインパネは、一般的には開放感を重視するが、CX-5とCX-8は囲まれ感があって間延びした印象を抑えている。

CX-60はエンジンを縦向きに搭載する後輪駆動車だから、センターコンソールの位置がさらに高い。乗員の囲まれ感も一層強められている。

◆荷室などの使い勝手比較

マツダ CX-5 ラゲッジスペースマツダ CX-5 ラゲッジスペース

荷室は各車とも十分なスペースを確保している。CX-5の場合、後席を使っている時の荷室長は950mmで、荷室容量は505Lとされる。

マツダ CX-60 ラゲッジスペースマツダ CX-60 ラゲッジスペース

CX-60は、荷室長が980mmで、荷室容量は570Lだ。荷室長はCX-5と大差ないが、ボディがワイドで荷室幅も少し広く、荷室容量は65Lほど上まわる。

マツダ CX-8 ラゲッジスペースマツダ CX-8 ラゲッジスペース

CX-8は全長が4925mmに達する3列シート車だから、ほかの2車種に比べると余裕がある。荷室長は、3列目シートを使った状態でも500mmを確保した。3列目を格納して、CX-5やCX-60と同じ2列シートの状態にすると1350mmに達する。後席も広々としていて、なおかつ荷物も積みやすい。

◆運転のしやすさ比較

CX-5は全長は4575mmで、最小回転半径は5.5mだ。CX-60は全長は4740mmと長いが、最小回転半径は5.4mに収まる。後輪駆動により、前輪の最大切れ角が大きいからだ。CX-60はボディは大きいが、意外に運転しやすい。

CX-8は全長が4925mmで、最小回転半径も5.8mになる。車内が圧倒的に広い代わりに、小回りの利きも影響を受けた。

◆走行性能&乗り心地比較

マツダ CX-60 直列6気筒3.3Lエンジンマツダ CX-60 直列6気筒3.3Lエンジンマツダ CX-5 直列4気筒2.2Lエンジンマツダ CX-5 直列4気筒2.2Lエンジンマツダ CX-8 直列4気筒2.2Lエンジンマツダ CX-8 直列4気筒2.2Lエンジン

CXシリーズは、クリーンディーゼルターボの搭載に特徴がある。CX-5とCX-8は、直列4気筒2.2Lで、実用回転域の駆動力が高い。

CX-60は直列6気筒3.3Lに拡大され、実用回転域の駆動力が高く、なおかつ高回転域の吹き上がりも活発だ。ディーゼルなのに5000回転近くまで吹き上がり、ノイズも小さいから、実用回転域の駆動力が高いガソリンエンジンのような感覚で運転できる。

乗り心地は、40km/h以下では全般的に硬めだが、CX-8はホイールベースも長く快適だ。CX-60は、4WDを中心に乗り心地が硬めになる代わりに、操舵に対する反応が正確でスポーティに仕上げた。CX-5は両車の中間的な印象だ。

◆おすすめユーザー

マツダ CX-60マツダ CX-60マツダ CX-5マツダ CX-5マツダ CX-8マツダ CX-8

CX-5は価格も割安で、幅広いユーザーに適する。CX-60は居住空間の広さはCX-5と同程度だが、3.3Lディーゼルをメインに搭載して実用回転域の駆動力が高く、吹き上がりも優れ、走行安定性も良好だ。スポーティな運転感覚を重視するユーザーに適する。

CX-8は全車が3列のシートを装着する。3列目はミニバンと違って床と座面との高低差が狭く、膝が持ち上がって腰の落ち込む座り方になりやすいが、国産SUVの3列目では最も快適だ。片道1時間程度なら大人の多人数乗車も可能とする。4名乗車時の乗り心地も優れ、快適性と多人数乗車の機能を重視するユーザーに適する。

◆おすすめグレード

CX-5:XDプロアクティブ・2WD(326万1500円)
CX-60:XD・Lパッケージ・2WD(400万4000円)
CX-8:XDブラックトーンエディション(403万2600円)・2WD

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ブリヂストン史上最長、約13万kmの走行保証…新タイヤ「トランザ エバードライブ」米国発売
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. BMWの18車種2万台にリコール…火災に至るおそれ
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. アウディ『Q3』新型がシャープなデザインに進化、6月16日デビューへ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る