詳説・音を良くするあの手この手…「ツイーター」だけを換えても音が激変!?

「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・TS-T930)。
「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・TS-T930)。全 3 枚

当特集では、主要機材の「交換・追加」以外の「音を良くするための“あの手この手”」を紹介している。今回は、「ツイーターのみを加える、または換える」という作戦に焦点を当てる。さて、これが効果を上げるのはどのようなケースで、どれほどの利点が得られるのか…。

「チューンナップツイーター」なる製品が、いくつかのブランドから発売中!

カーオーディオ製品をリリースしているメーカーのうちのいくつかは、「チューンナップツイーター」なるものもラインナップしている。なお「ツイーター」とは、高音を再生するためのスピーカーだ。で「チューンナップツイーター」とは、それのみを追加、または交換するための製品だ。さて、「ツイーター」だけを交換することに、どれほどの効果が期待できるのかというと…。

「チューンナップツイーター」の追加・交換はまず、純正スピーカーが「フルレンジタイプ」の場合に大きな効果を発揮する。「フルレンジタイプ」とは、左右の1つずつのスピーカーだけで高音から低音までを再生しようとするもののことを指す。

ちなみに市販スピーカーの中にも、「フルレンジタイプ」と呼ばれるスピーカーがある。これらも左右1つずつのスピーカーユニットだけで全帯域を鳴らし切る。しかし、よくよく見ると実のところは「ツイーター」が存在している。「ミッドウーファー」の同軸上に、「ツイーター」が装着されているのだ。つまりこれも実際は、「2ウェイスピーカー」だ。

「チューンナップツイーター」の一例(ケンウッド・KFC-ST1004)。「チューンナップツイーター」の一例(ケンウッド・KFC-ST1004)。

「チューンナップツイーター」の効果で、高音の質がガラリ一変!

しかしながら純正の「フルレンジタイプ」のスピーカーは、正真正銘の「フルレンジスピーカー」である場合がほとんどだ。つまりそれらでは、同軸上に「ツイーター」が装着されてはいない。

なのでこういったスピーカーは、高音再生を苦手としている。なぜならスピーカーは、震動板のサイズが大きくなるほど低音再生が得意になるが逆に高音再生をスムーズに行うのが難しくなる。ドアに取り付けられているスピーカーはそこそこ震動板が大きい。その大きさでは物理的に、クリアな高音を再生しきれない。

なのでそこに「チューンナップツイーター」を追加すると、今までスムーズに再生しきれていなかった高音が一気にクリアに鳴らされる。高音の1音1音の質が上がり、さらには聴こえていなかった音までも聴こえてくる。

もちろん、ドアに取り付けられている「フルレンジタイプ」のスピーカーも交換した方が得られる音質向上効果は大きくなる。しかし「チューンナップツイーター」の追加だけでも、ある程度大きな変化が得られる。やる価値は決して小さくはない。

「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・TS-T730ll)。「チューンナップツイーター」の一例(カロッツェリア・TS-T730ll)。

高音が目の前から聴こえてくると、サウンド全体が目の前で展開されやすくなる!?

ところで「ツイーター」を追加すると、音の質が変わるだけでなく音場の再現性も向上する。それまでは低い位置で展開されがちだった「サウンドステージ」が、目の前で繰り広げられるようになるのだ。

そうなるメカニズムは以下のとおりだ。高音は、真っ直ぐに進もうとする性質が強い。ゆえに音の出どころも分かりやすい。対して低音は障害物を回り込んで進もうとする性質が強い。ゆえに音の出どころも分かりにくい。

で、「チューンナップツイーター」をダッシュボードの上にポンと置くと、出どころが分かりやすい高音が目の前から聴こえてくることにより出どころが分かりにくい中低音も高音が聴こえてくる場所から聴こえているものと錯覚する。結果、「サウンドステージ」が目の前で展開しやすくなるのだ。この効果による変化幅も相当に大きい。

また純正スピーカーにて「ツイーター」が存在している場合でも、「チューンナップツイーター」へと交換する意義はある。特にそれがダッシュボードの中に埋め込まれていて上に向けて取り付けられている場合に、大きな効果を発揮する。

なぜならそれを取り外してかわりに「チューンナップツイーター」をダッシュボードの上にポンと置くと、「ツイーター」が発する情報をより多く受け取れるようになるからだ。ツイーターを換えることで高音の質が向上し、さらには再生コンディションも良化する。なお純正位置に埋め込む仕様になっているものもありそのような取り付け方を望む場合にはそちらが向くが、音的にお薦め度が高いのはポンと置くタイプだ。

今回は以上だ。次回以降も「音を良くするための“あの手この手”」をさまざま紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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