消防車のホースカーにヤマハらしい電動アシスト新採用、四輪バギーでも「遊んで 備える」

ヤマハの四輪バギー ウルヴァリン RMAX4 1000(東京国際消防防災展2023)
ヤマハの四輪バギー ウルヴァリン RMAX4 1000(東京国際消防防災展2023)全 34 枚

ヤマハ発動機と、国内グループ会社のヤマハモーターエンジニアリングは、6月15日から18日まで東京ビッグサイトで開催される日本最大級の消防防災見本市「東京国際消防防災展2023」に共同で初出展。

ヤマハの四輪バギー「ウルヴァリン」と次世代型電動アシストホースカー

出展テーマは、「PLAY SURVIVE 遊んで 備える」。防災ツール(資機材)の日常ユースをひろげることで、「平時に楽しみ、有事に役立つ」自主・コミュニティ防災のスタイルを提案する。

◆消防車のホースカーもヤマハらしい「電動アシスト」

ヤマハの次世代型電動アシストホースカー『X-QUICKER』(東京国際消防防災展2023)ヤマハの次世代型電動アシストホースカー『X-QUICKER』(東京国際消防防災展2023)

ヤマハはこれまでも、自社製品の多様性を生かした防災向け製品を提案し続けているが、今回新たにお披露目されたのが消防での活用を想定した次世代型電動アシストホースカー『X-QUICKER(クロスクイッカー)』だ。消防車の後部にコンパクトに搭載することが可能な仕様とし、火災現場での消化活動をサポートする。

従来のコンセプトモデルではスロットル操作による電動走行をおこなっていたが、今回の市販予定モデルではハンドルを引く力に応じて高出力モーターがアシストする「電動アシストホースカー」としたのが大きな特徴だ。電動アシストといえばヤマハの主力製品のひとつでもある電動アシスト自転車「PAS」やeバイクがあるが、機構として流用するものはないもののその考え方は共通だという。

ヤマハの次世代型電動アシストホースカー『X-QUICKER』(東京国際消防防災展2023)ヤマハの次世代型電動アシストホースカー『X-QUICKER』(東京国際消防防災展2023)

操作はハンドルを起こして、スイッチを入れたら、あとはハンドルを引くだけ。本体のみで100kg、ホースを搭載すると200kgにもなるホースカー(最大積載量は120kg)を、一人でも楽に牽引することができる。満充電で約20km(約4時間)の連続走行が可能となっている。

ヤマハとしては当初、隊員が搭乗できるタイプが最適と考えていたが、提案する消防関係者からの反響も悪くなかったものの車体が大きくなり消防車に搭載できないという課題があった。担当者は「消防車に搭載できなければ意味がない。また電動走行が可能なタイプでは車体が重くなってしまう。我々はできるだけ消防車を軽くしたかった。重量、積載性、消防活動の負担軽減、そしてコスト、これらについて検討を重ね、電動アシストタイプを製品化することになった」

X-QUICKERは2024年4月に発売予定となっている。

◆「遊んで 備える」四輪バギーと洪水・水難救助艇の提案

ヤマハの四輪バギー ウルヴァリン RMAX4 1000(東京国際消防防災展2023)ヤマハの四輪バギー ウルヴァリン RMAX4 1000(東京国際消防防災展2023)

ブースの看板代わりとして目立っていたのは四輪バギー(ROV)の『ウルヴァリン RMAX4 1000』だ。日本では販売されていないROVだが、北米ではレジャービークルとして親しまれている。このROVの災害時や救難現場での活用を探るため、参考出品として展示した。赤いボディは今回の展示に合わせた特別なラッピングで、会場の中でも存在感を放っていた。

約900kgの車体に、二輪車用とは異なる高トルクの999cc2気筒DOHCエンジンを搭載。自社開発のCVTと、エンジン特性のモード切替機能によって様々な路面状況での高い走破性を実現する。約70cmの深さの河川などでも走行が可能だ。

そのウルヴァリンに牽引される形で展示されていたのが、洪水・水難救助艇の『RS-13』だ。こちらもこれまで度々公開されているものだが、実はその度にアップデートが施されている。今回のRS-13は「5号艇」で、レジャーボートのような操縦席が取り付けられたタイプとなっておりタイヤは取り付けられていない。

「PLAY SURVIVE 遊んで 備える」をコンセプトに出展したヤマハ発動機、ヤマハモーターエンジニアリング(東京国際消防防災展2023)「PLAY SURVIVE 遊んで 備える」をコンセプトに出展したヤマハ発動機、ヤマハモーターエンジニアリング(東京国際消防防災展2023)

同時に展示された「3号艇」はこれまでのコンセプトと同様に、バルーンタイヤが装着されたタイプで、水上だけでなく多少の不整地でも要救助者を乗せたまま移動することができるものだ。大きなフロントゲートが開きスロープとなることで車いすのままでも登場が可能。スロープなしでも1人で救助者の引き上げが可能となっている。船体は衝撃に強く、軽いFRP製で、同じサイズのゴムボート艇と同様の6名定員を実現している。

このRS-13は実証実験をおこないながら、今後もアップデートを続け商品化をめざす。

また、「PLAY SURVIVE 遊んで 備える」のコンセプト通り、ウルヴァリンとRS-13についてもレジャー用途での導入も検討しているという。バイクやボートをはじめ趣味性の高い多彩な商品、サービスを展開するヤマハだけに、今後の展開からも目が離せない。

《宮崎壮人》

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