[システム構築学大全]「パワーアンプ内蔵DSPシステム」を組む際の機器選びの極意

「パワーアンプ内蔵DSP」を核としてシステムが組まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。
「パワーアンプ内蔵DSP」を核としてシステムが組まれたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドカーペンター<愛媛県>)。全 5 枚

車内で聴く音楽の“音の質”を上げたいと思ったときには、「どんなシステムを組むか」もポイントとなる。当特集では、その選択肢について考察している。今回は前回に引き続き、「パワーアンプ内蔵DSP」を使う場合について考えていく。

【画像全5枚】

◆「メインユニット」を交換できない車種では特に、「パワーアンプ内蔵DSP」が役に立つ!

簡単に、前回のおさらいをしておこう。まず「パワーアンプ内蔵DSP」とは、サウンド制御を行う「プロセッサー(デジタル・シグナル・プロセッサー=DSP)」と「パワーアンプ」とが一体化したユニットだ。

ところでカーオーディオシステムを本格化させようと思うときには、発展性が高くさらにはサウンドチューニング能力の優れた「メインユニット」への換装が早道となる。しかし昨今は、「メインユニット」の交換がしづらい車種が増えている。そういった車種では、特にこの「パワーアンプ内蔵DSP」が役に立つ。これを用いれば、「メインユニット」はそのままでシステムに高性能なコントロール機能を付与できる。さらには「パワーアンプ」も内蔵されているので、これにてシステムを完結できる場合も多い。導入のハードルが高くない割に、高度なシステムを構築できるのだ。

なお、「パワーアンプ内蔵DSP」にもさまざまな機種がある。ライトに楽しめるコスパに優れたモデルもあれば、本格的なシステム運用も可能なハイエンド機もある。なのでこれを使おうとする際には、どのような機種を選ぶべきかが結構問題となる。今回はそのあたりについて掘り下げていく。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ミューディメンション・DSP-680AMPV2)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ミューディメンション・DSP-680AMPV2)。

◆製品選びをする際に見極めるべきは、「コントロールできるch数」!

では、「パワーアンプ内蔵DSP」選びをする際の見極めるべきポイントを説明していこう。

ポイントは主には2点ある。1つは「コントロールできるch数」で、もう1つは「内蔵パワーアンプのスペック」だ。

それぞれがどういうことなのかというと…。まずは「コントロールできるch数」について解説しよう。いまどきの「パワーアンプ内蔵DSP」は実は、徹底的に高音質を追求しようとする場合を除いて、基本的なサウンドチューニング能力では大きな差は出ない。どの機種もおしなべて高性能だ。しかし、「何chをコントロールできるか」については違いがある。リーズナブルなモデルではそれが少な目で高額なモデルではそれが多い。なので導入コストを抑えようと思うならそこのところがロースペックなモデルが向き、逆に高度なシステムを組みたいと思ったときにはハイスペックなモデルに目を向けたい。

ちなみに、フロント2ウェイ+サブウーファーという基本的なスピーカーレイアウトのシステムを構築できれば良いのであれば、コントロール可能なch数は「6」が確保されていればOKだ。対して、フロント3ウェイ+サブウーファーという本格システムの構築も視野に入るのであれば、「8ch」を制御できるモデルを手にするべきだ。

「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-SIX DSP)。「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-SIX DSP)。

◆緻密に制御したいスピーカーが多ければ、「コントロール可能なch数」は多い方がベター。

また、車種によってはセンタースピーカーが装着されている場合もあり、リアスピーカーも緻密にコントロールしたいと思うドライバーもいる。そうであればさらに多くのch数をコントロールできるモデルを選ぶべきだ。コントロールできるch数は後からは増やせない。増やそうと思ったら「パワーアンプ内蔵DSP」を買い換えるしかなくなる。ご注意を。

次いでは、「内蔵パワーアンプのスペック」について説明していこう。で、スペックの中で注目すべきなのはズバリ、「出力」だ。

なおこれは単に大きければ良いというものでもないのだが、特に小さいモデルとそうではないモデルとが存在している。価格を抑えるために、または筐体のサイズを小さくするために「メインユニット」に内蔵されている「パワーアンプ」と同程度の出力にとどめられているモデルがあり、その一方で一般的な「外部パワーアンプ」並のスペックを確保しているモデルもある。

そしてこの2つでは、音にそこそこ差が出る。であるので、コストとインストール性を優先して音質性能はある程度割り切るか、価格が上がり筐体がそこそこ大きくなっても音質性能を優先させるか、そこのところは熟考しよう。

今回は以上だ。次回は、より高度なシステム構築法について説明する。お楽しみに。

《太田祥三》

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