ハイエースベースのカスタマイズカー「Carica」、6月29日発売…要望に応えユーザーの選択肢増やす

ホワイトパールクリスタルシャインとウォーターミントのツートーンカラー。
ホワイトパールクリスタルシャインとウォーターミントのツートーンカラー。全 45 枚

カスタマイズカーの企画・開発・販売を行うアルパインニューズは、オリジナルデザインの新型カスタマイズカー『Carica(カリカ)』を、6月29日に発売する。Caricaは、どこか懐かしいクラシカルなデザイン要素を取り込み、ネオクラシックイメージを彷彿させるカスタマイズカー。ベースとなる車両はトヨタ『ハイエース』の「スーパーGL」やスーパーGLの特別仕様車である「Dark Prime II」がメインとなる。

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◆発売日が遅れた理由は「熱狂」…その意味とは?

今回の発表にともない、アルパインスタイル埼玉R4にてプレス発表会が6月15日に行われた。はじめに同社常務取締役 今村仁氏が登壇し、Carica発売に至るまでの経緯などが語られた。本来は3月末までに受注を開始するはずが6月になった。この遅れの理由について今村氏は、「熱狂」だと述べた。

そもそもCaricaは1月に発表が行われ、それ以降「東京オートサロン2023」や「大阪オートメッセ2023」などで露出を増やしていった。そのたびに来場者の要望が多数寄せられ、当初の予定だった200台の先行商談予約もあっさり超えてしまった。これらは「想像すらしていなかったこと」が起こったという感覚だったと述べた。そこでアルパインニューズとしてできることをすべてやろうと考え、量産、開発の見直しを行うことになった。要望の種類も様々で、「価格レンジを下げてほしい」「中古車でCaricaは作れないのか」「今乗っているハイエースをCaricaにコンバージョンできないのか?」「4型5型のハイエースに乗っているがCaricaは装着できないのか?」などの声が多く寄せられた。これらを「天の声」だと呼んだ今村氏だが、この要望をすべて叶えるには、設計や工程の見直し、そして量産体制の再構築など、今まで以上の労力がかかることは火を見るより明らか。しかしそれでも、社内では「天の声の期待にすべて寄り添おう」という決断に至ったとのこと。予定より発売は遅くなってしまったが、遅れた理由には意味があり、意志があるものだと考えていると力強く語った。

◆反響の大きさにより「責任感も改めて感じた」

Caricaのコンセプトなどについては取締役事業副本部長 西田敬氏によって説明が行われた。Caricaのネーミングは「California dreaming car」をもじってCaricaにしており、カリフォルニアの青い空と海をイメージしたデザインを車に落とし込んでいる。今までのアルパインスタイルのイメージからすると、青い海青い空は大きな方向転換でもあるが、新しいユーザーを増やし、市場を広げたいという思いもあり、さらに車をファッションの一部として楽しんでもらいたいといった考えもあるとのこと。実際に東京オートサロン2023などでは大きな反響があり、「このカッコイイ車はいつ買えるのか?」といった今までにはなかったような声を聞けたことで、「しっかりした物作りをしなければいけない」という責任感も改めて感じたと語っていた。

Caricaの特徴についても紹介があった。大きく分けて5つの特徴があるとのことで、1つ目は、角形LEDヘッドライトを採用し、ビンテージデザインと新しい技術を融合。2つ目は、USとEUROスタイルの2種と多くのカラーバリエーションに対応。3つ目は安全機能への対応で、トヨタセーフティセンスやヘッドライトのレベライザーの装備、そしてサイドアンダーミラーの取り外し(条件による)にも対応する。4つ目はデザイン。クロームメッキされたオーバーライダー付きのフロントバンパーやエアダムスカート、リアスムージングパネルの装着など、こだわりのデザインが凝縮されている。5つ目はアルパインのカーエレクトロニクスに対応している点。ハイエース専用のカーナビ「フローティングBIG X」、デジタルインナーミラーなどをオプションで装着することができる。

◆こだわりのパーツは専用の型を起こして制作

パーツに関する説明は、企画開発担当の生田稔元氏によって行われた。スチール製にこだわったボンネット、ポリプロピレン製バンパーを採用した理由については、デザインもさることながら、事故が起こった際に乗車している人を守ること、そしてぶつかった相手を守るための素材選びが行われていることもアピール。実際のパーツも用意され、企画開発担当の荒井優氏が説明を行った。バンパーについてはかなり大きな部品だが、持っているだけで柔らかさがわかるような弾性素材になっているのが印象的だった。またこだわりの部品が多く、運転席の前にある吸気ダクトは専用に型を起こして制作しているとのこと。通常であれば、既存のパーツをカットしてサイズ感を合わせて使用する場合が多いが、素材にこだわりパーツにこだわった結果、専用で作ることになった。

◆費用を抑えて購入できるように

続いて広報担当の松崎拓也氏が登壇。Caricaの購入を考えている人には朗報となる中古車を使用した制作については、例としてガソリン2WDモデルのVAN DXベースで5万km程度のモデルを、Carica US Styleにした場合、378万円程度で制作可能となる(価格はすべて税込)。新車のガソリン2WDのDark Prime IIの場合、511万円かかることを考えれば、かなり費用を抑えられる。またすでに乗っているハイエースをCaricaにする場合、フルコンバージョン(構造変更を実施し1ナンバーに変更)ではUS Styleで218万円、EURO Styleで228万円となり、新車で購入するよりはぐんと安く制作できる。さらに構造変更無し4ナンバー仕様のセミコンバージョンなら、US Styleで188万円、EURO Styleで198万円となっている。残価保証型ローンプログラムも用意されるとのことで、最長108回払いまで対応し、ガソリン2WDモデル(498万円)のCaricaを頭金・ボーナス払い無しで購入する場合、月々5万2136円の支払いとなる。これなら家族の説得もしやすい価格ではないだろうか。

◆初年度生産計画台数を400台に拡大

もともと1月のカスタマイズカー発表会の時点では、Caricaは、『Havana』(ライズをベース車両としたアメリカンクラッシックをイメージしたモデル)と合わせて200台の生産計画だった。ところが反響の大きさから初年度生産計画台数を400台へと拡大。さらにベースとなる車両は、トヨタハイエース「スーパーGL」、スーパーGLの特別仕様車「Dark Prime II」だけでなく、「DX」グレードも設定。そして中古車ベースでのCaricaも設定し、すでに所有している車両をCaricaへ架装する「Carica Conversion Program (カリカコンバージョンプログラム)」の提供もスタートする。

中古車での提供を考えたのも、もちろん価格を抑えたいというユーザーの要望もあるが、コロナ禍より続く新車供給の停滞により納車タイミングが遅れることなども理由として挙げられる。

Caricaは、アルパインスタイル福岡 R3(福岡県福岡市東区)、横浜246(東京都町田市)、大阪171(大阪府茨木市)、名古屋155(愛知県一宮市)、埼玉R4(埼玉県越谷市)、イオンモールいわき小名浜(福島県いわき市)の全国6店舗のアルパインスタイルで販売される。

《関口敬文》

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