スワップボディで中継輸送、デンソーなど7社合同で実証へ…物流2024年問題

スワップボディコンテナの交換の様子
スワップボディコンテナの交換の様子全 3 枚

トラック物流「2024年問題」への対策として、輸送行程に中継地点を設けて複数のドライバーで交代しながら輸送する、「幹線中継輸送」が注目されている。デンソーなど7社は業種の垣根を超えて合同で、スワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送の実証実験を実施する。


ドライバーの長時間労働と人手不足

物流業界ではドライバーの長時間労働が深刻化している。長時間労働の要因のひとつとして、荷物の積み降ろしのために待機する「荷待ち」時間があり、長距離ドライバーの場合は長時間の運転に加えて宿泊が伴うため、長い拘束時間が問題となっている。

またドライバーは運転だけでなく荷役作業(荷物の積み下ろし)を担うので、身体への負担も大きい。こういった長い拘束時間や大きな身体的負担は、ドライバー不足の原因にもなっている。

このような状況を背景に、2024年4月から働き方改革関連法で自動車の運転業務について時間外労働の上限が規制され、ドライバーの労働環境が改善する。いっぽうで、ドライバーの数が不足するほか、今後国内でトラック輸送している荷物の約4分の1を運ぶことができなくなる(公益社団法人日本ロジスティクス システム協会「ロジスティクスコンセプト2030」より)と考えられており、これらの問題を総称して「物流業界2024年問題」と呼ばれている。

2024年問題への対策のひとつが幹線中継輸送だ。輸送行程に中継地点を設け、複数のドライバーで交代しながら輸送する。ドライバー1人当たりの拘束時間が短縮され、同時に荷主は労働環境を守ることができると期待されている。

スワップボディコンテナ車両

デンソーなど7社による幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験は、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナ車両を用いて、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間にて実施する。QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と複数の運送業者によって荷物を運ぶ。

スワップボディコンテナ車両は、中継地点でコンテナを分離し、別のコンテナに載せ替えて目的地に輸送する。トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがないため、トラック同士が待ち合わせる必要がなく、柔軟な運行スケジュールを立案でき、長距離運行を日帰り運行にできる。また、コンテナを分離できるので、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主が同じコンテナに荷物を積載する「混載輸送」も容易になる。

そして、日帰り運行や荷役分離が実現することにより、若手・女性・高齢者など、様々な人がドライバーになれると期待される。

実証の概要、確認と検証

実証実験に参画するのは、デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社。

実証では、スケジュール通りに運行できるか、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行なわれるかなど、社会実装に向けた課題を抽出する計画だ。

7月10日から14日までの期間、1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行する。事前に合意したスケジュール通りに運行できるかを検証し、中継地点で複数台のコンテナが置かれた場合に、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションを確認する。同時に、スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性を確認する。さらに、 複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分も確認し、課題を検証する。

《高木啓》

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