トヨタ アルファード 新型を早く安く買えるかも?…手軽になるサブスク

トヨタ・アルファード 新型
トヨタ・アルファード 新型全 14 枚

一説には新車購入の7割が残価設定ローンになっているという。自工会の市場動向調査(2021年)では現金一括が56%。一般ローンが21%、価設定型ローン・クレジットが20%となっている。残りは、リース3%とサブスクリプション3%を合わせて4%だ。

アルファード新型(ハイブリッド)


■新車は一括購入か分割か?

おおまかにいえば現金購入となんらかのローンの比率は6:4というイメージだろう。ちなみに、自工会の数字の合計が101%になるのは、整数部分で四捨五入したときの丸め誤差。残価設定ローンが7割というのは、おそらく地域や車種を限定した状況での話と思われる。いずれにせよ、残価設定型の購入形態は増加傾向にある。サブスクリプションの比率はまだまだ少ないが、クルマの保有形態は多様になり、単に「クルマを買った」といっても、本当に買い取ったものなのかの区別はしにくくなっている。

サブスクリプションやリースは、所有よりは利用、借用といったイメージが強い。残価設定型は契約期間が終了したら返却や残債精算が前提となり、専有できるが所有とは言い切れない。といっても、利用者側からすれば、もはやその違いはあまりない意味はないかもしれない。残価設定、サブスクリプションにネガティブなイメージはないだろう。自工会の資料でも、現金購入層のボリュームゾーンは首都圏60代以上となっている。それ以外の若年層、ファミリー層は、むしろ積極的にローンやリースを活用したカーライフを選んでいるともいえる。

■高度化・高額化するクルマがビジネスモデルを変える

メーカーはことあるごとに「さらなるコストダウンを実現」と言うが、車の値段は下がったことが(ほぼ)ない。今後もカーボンニュートラル、電動化と、価格の上昇圧力は強まっても弱まることはない。ソフトウェアシフト、CASEトレンドは、クルマの機能と車両の疎結合を促進する。SDVに至っては、車両ハードウェアが別物でも、車両の特性や機能、好みの設定はクラウド上に仮想的な車両として存在させることもできる。

スマートフォンで機種変更しても電話番号やアプリなどの設定は引き継げるのが当たり前のように、クルマの買い替えはPCやスマートフォンの交換のような意味を持つようになるだろう。車両本体は高価なものでおいそれと買い切ることはできないが、リースやサブスクリプションなどファイナンススキームを駆使すれば、ライフステージごとに車種をステップアップさせたり、ほしい新型車を手に入れることができる。

ひょっとするとこの方向にシフトしないと、自動車業界もいまの規模を維持できないかもしれない。すでに車両の保有年数は10年に届こうとしている。車齢にいたっては14年を超えている。新車販売ビジネスに頼っていては、ひとりの顧客に対して、生涯新車は3回くらいしか売れないことになる。すでにディーラーのビジネスは新車よりも車検やメンテナンスにシフトしている。

なお、20万円もするiPhoneやGalaxyは、普通に売っていたら高校生が持てるはずもない。スマートフォン市場は、不透明かつ不健全ではあり問題も多いが、遠の昔に、端末を販売するビジネスモデルを捨てている。

■アルファードはサブスクのほうが早い安い?

そんなわけで、残価設定型やサブスクリプションは今後の自動車販売ビジネスの要となる要素をもっている。ひとつ例を出そう。

車種統合もうわさされていたトヨタ『アルファード/ヴェルファイア」』新型が6月に発売された。同時に高級車指向が強化され、最新装備を誇るもののアルファードの下位グレードでも乗り出し予算は600万円からだろう。アルファード、ヴェルファイアの車両価格は550万~700万円となる。

もちろんこれに車検やメンテナンスなどの維持費もかかる。ハイブリッド設定はあるが、ガソリン代の高騰から差額を相殺することは考えないほうがいい。だが、KINTOのサイトをみると、新型アルファードを現金一括や残価設定クレジットより安く買える可能性があるとしている。

アルファードをKINTOの5年契約とした場合と現金一括、残価設定とした場合のそれぞれの支払い月額、維持費(車検・任意保険含む)、期間中の支払総額を比較している。その概算は以下のとおりだ。

5年の支払総額
現金一括:527万3557円
残価設定:631万2488円
KINTO:483万7800円

月々の支払
現金一括:0円
残価設定:6万1200円
KINTO:8万0630円

■人気車種・高額査定モデルはサブスク向け?

この計算の前提は、車両代金をオプション込みで547万7000円としている。諸税と自賠責保険を51万3335円、任意保険とメンテナンス・車検(1回)の総額を218万6032円としている。支払総額は現金一括は、車両代金に前述維持費を加えた金額から5年後の想定残価(下取り価格53%)の290万2810円を引いた額(527万3557円)としている。残価設定の支払総額は、現金一括の総額に分割手数料の合計103万8931円を加算したもの(631万2488円)だ。KINTOの支払総額483万7800円は、月々の支払額8万0630円の5年分の合計で、車両は返却のみで査定額の精算はない前提だ。

つまり、月々の支払いは8万円ちょっととローンやリースより割高になるが、車検、税金、保険などにかかる費用を月割りで考えた場合は負担はあまり差がないと考えることができる。契約期間中の事故やメンテナンスによるが、5年間の支払総額は現金一括よりも安くなる可能性もある。

しかも、KINTOの車両の納期は、一般ユーザーがディーラーで買うより短い傾向がある。新型アルファード/ヴェルファイアの納期はディーラーによって差があるもののおおむね1年からとみていいだろう。KINTOのサイトによれば納期の目安は8~12か月となっている。

人気車種で高額査定が期待できるクルマの場合、リースやサブスクリプションのコストメリットがでやすい。

それでも、残価設定型やリース、サブスクリプションは生理的に受け付けないという世代や考えは存在する。それを否定するものではないが。しかし、新しい販売モデルや自動車ファイナンスモデルの拡大にともない、リースやサブスクリプションが利用しやすくなっているのは確かなようだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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