「ヤバいです」バス会社社員が電車内広告をジャック! 京急グループがバス運転士など募集

KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN
KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN全 7 枚

「人財不足で、このままではヤバいです」。バス会社の職員募集広告のコピーだ。「地域の方の当たり前の日常が続くように」。コピーとしてはもっとも。ところがコピーにはこんなのも。「現場で冷たい水が飲めたらなぁ」、「給料上がりませんか?(笑)」……。

【画像全7枚】


京急グループ京浜急行バス(本社:横浜市西区)は7月20日から8月18日まで、京浜急行電鉄の電車「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」8両編成1本の車内広告すべてを募集広告に変えて、職員を大募集する。

◆バス業界でも2024年問題

この取り組みは2024年4月から改正適用される「改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)」に対応したもの。トラックなど物流業界ですでに大きな話題になっているが、バス業界も同様に適用を受ける。改正により、バス運転士の勤務間インターバルが変更になるなどして、運転士のが不足が予想されているのだ。

運転士以外の職種についても同時に募集する。羽田空港の旅客サービス係には、将来運転士となる職員が一部在籍しており、旅客サービス係を新たに採用することでバス運転士への職種変更を進める。バス運行の基礎を支える大切な職種であるバス車両の整備係も募集する。

◆社員の声が実現した職場づくりの例をコピーに

職員募集のキャッチフレーズは『もっと働きやすく!グッドなシゴト場プロジェクト』。職員募集のキャンペーン展開に際し、社員の声を聴いて実現した職場づくりの事例を抽出し、「より良い職場づくりをしていく」という会社の意思を示すものとして、ネーミングしたという。

現場で冷たい水を飲みたい、給料上がらないか、といったコピーは社員の希望で、実現したものだという。「電車内の広告、ジャックしていいですか?」というものまでコピーになっている。

車内広告の種類は窓上広告3種類、車内中吊りポスター12種類、ドア横広告1種類。「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」の運行区間は、大師線を除く京急線全線だ。当日の運行情報は京急電鉄ホームぺージで確認できる。

◆勤務間インターバルは基本3時間延長

改善基準告示とは、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(厚生労働大臣告示)のことをいう。バス会社が遵守すべき、労働時間に関する基準だ。1989年2月に制定され、2022年12月に見直されて、拘束時間の上限や休息期間などが改正され、2024年4月1日に施行される。厚生労働省は「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」を開設して認知に努めている。

そのポータルサイトによると、1年間の拘束時間は現行3380時間が、見直し後は原則3300時間に。1か月の拘束時間は原則281時間で変わらないが、最大309時間だったものが最大294時間になる。ただし281時間を超える月が4か月を超えて連続してはいけない。1日の休息時間は、継続8時間が、継続11時間が基本となり、9時間を下限とする。

《高木啓》

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