フェラーリ木製モデラー、山田健二の世界…6分の1スケールで

フェラーリ木製モデラー 山田健二の世界
フェラーリ木製モデラー 山田健二の世界全 65 枚

群馬県高崎市にある高崎シティギャラリーで7月13~19日、「フェラーリ木製モデラー 山田健二の世界」が開かれ、詰めかけた来場者たちは精巧かつ迫力ある6分の1の歴代モデルに感嘆の声を上げていた。

山田健二さんは1枚の板から6分の1のフェラーリを制作するアマチュアモデラー。2008年に最初の個展を開催し、コロナ渦の中止をはさみ、今回で7回目。今年で80歳を迎えるにあたり「最後の個展」と位置付け、これまで作り上げてきた40台のうち15台をセレクトしての開催となった。

展示されたのは、今回の新作『250GTルッソ』を含めた以下のモデルなど。

・166インテル
・250GT TdF
・250TRC
・250GTO
・ディーノ・ベルリネッタスペチアーレ
・365P
・ディーノ206コンペティツィオーネ
・512Sモデューロ
・330P4
・512BB
・288GTO
・F40
・ベントレー4 1/2 リッター スーパージャージャー(特別展示)

山田さんは長年百貨店に勤め、1970年代のスーパーカーブームの時、イベントのために『308GTB』を借りて以来、美しいフェラーリの魅力にはまったという。そして定年退職後、「老後の余暇」にとフェラーリの制作を開始。しかもまったくの自己流で木製のバルサ材から作り上げるという独創性である。山田さんは「変な男がいるもんだと思ってくれるだけでも嬉しい」とにこやか。そして「出来上がった作品は僕の血と汗の結晶。たまに手を切りますから」と笑う。

当初は2000年代のF1マシンの制作だったが、以降は敬意するエンツォ・フェラーリ存命時のモデルに特化していくことに。今回で最後の個展というが、「いろんなイベントに呼ばれれば持っていきますよ」と意欲的。「エンツォは50歳でフェラーリを創業して90歳まで生きたので、僕も90歳までは頑張りたい」とまだまだ意気軒高であった。

会場では奥様の由美子さんが受付を務めるなど献身的に働いておられた。ご家族の理解なしにはできないパートナーの“趣味”であろうが、「私は車に興味がないんです。でも本人が楽しそうにやっているのがいいのかなと。好きなことをすると体にも気持ちにもいいと思います」と、こちらもにこやかに話される。3人の娘さんたちも手伝ってくれるなど、充実した老後を送られているようだ。

会場には、これも自己流というフェラーリにまつわる水彩画も展示され、こちらも来場者から「写真のようだ」などと驚かれていた。また、会場玄関には「ディーノ」「355」「458」など山田さんファンの実車のフェラーリ乗りも駆け付け、「毎回この個展には来ていますが、フルスクラッチの驚きは今も変わりません」と感心していた。

《嶽宮 三郎》

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