ルノー『5』新型、2024年に市販予定の姿…プロトタイプの写真

ルノー日産三菱の「CMF-B EV」プラットフォーム

EVパワートレインを小型軽量化

オリジナルのルノー5のデザイン要素を導入

フランス乗用車史上最多の生産台数を誇るオリジナルのルノー5

ルノー 5 新型のプロトタイプ
ルノー 5 新型のプロトタイプ全 10 枚

ルノー(Renault)は7月10日、2024年に市販予定の小型ハッチバックEV、『5(サンク)』新型のプロトタイプの写真を公開した。

写真:ルノー 5 新型のプロトタイプ

◆ルノー日産三菱の「CMF-B EV」プラットフォーム

新型ルノー5には、ルノー日産三菱アライアンスが共同開発した「CMF-B EV」プラットフォームを、初めて使用する。クラス最高のパフォーマンスを実現しながら、そのセグメントで最も競争力のあるEVを目指す。

このプラットフォームは、『クリオ』(日本名:『ルーテシア』に相当)と 『キャプチャー』の「CMF-B」プラットフォームと、部品の70%を共用する。ルノーのBセグメントEV『ゾエ』の現行型と比較して、CMF-B EVプラットフォームは製造コストが30%抑えられるという。

新型ルノー5の電気モーターは、ゾエや『メガーヌE-TECHエレクトリック』で定評の電気励磁同期モーターをベースにする。永久磁石モーターよりも出力が高いだけでなく、希土類金属を必要としないため、大量生産によるコスト削減と環境負荷の低減が可能になる。

◆EVパワートレインを小型軽量化

さらに、次世代のEVパワートレインは、バッテリーの400Vを12Vに変換するDC/DCコンバーター、バッテリー充電器、配電を管理するアクセサリーボックスの3つの主要コンポーネントを組み合わせた新しい内部アーキテクチャを導入する。

これら3つのコンポーネントが実行するさまざまな機能をひとつにまとめることで、EVパワートレインを小型軽量化。ゾエに搭載されていたものよりも、約20kg軽量化されている。

新開発のバッテリーパックは、ゾエ用のバッテリーの12個のモジュールから、4個の大型モジュールに変更された。構造がよりシンプルになり、15kgの軽量化も実現している。

◆オリジナルのルノー5のデザイン要素を導入

ルノー5新型のプロトタイプは、さらなる電動化に取り組むルノーの新しい方向性を示している。ルノーグループは、「ルノーリューション」プログラムの一環として、今後5年間の新戦略を発表した。この計画では、ルノーがテクノロジー、サービス、クリーンエネルギーのブランドになることを目指している。

ルノーのデザインディレクターのジル・ヴィダル氏が率いるチームによって設計され、かつてのルノー5に触発されたデザインを採用する。ルノー5新型のプロトタイプは、過去と再びつながり、インスピレーションを引き出して、単に複製するのではなく、それらの輝かしい時代の精神を見つけることを目指したという。現代的なアプローチで、ヨーロッパのEVをどのように民主化するかを、ルノー5新型のプロトタイプで提示した。

ルノー5新型のプロトタイプは、コンパクトなシティカーであり、100%EVのモダンな未来に適合するように開発された。オリジナルのルノー5のデザイン要素を取り入れている。その現代的なアプローチは、さまざまな仕上げや素材に表れているという。

◆フランス乗用車史上最多の生産台数を誇るオリジナルのルノー5

ルノー5は、フランス乗用車史上最多の生産台数を記録し、「クルマのジーンズ」と呼ばれるルノー『4』(1961年発売)の後継モデルとして、1972年に誕生した。ルノー5は、機能性とデザイン性を兼ね備えた車として、ルノー4同様に多くの人々に受け入れられ、ルノーを販売台数で欧州首位の自動車メーカーに押し上げた。

ルノー5には、高性能モデルの『5ターボ』(サンクターボ)も用意されていた。5ターボはルノー5をベースに、エンジンをミッドシップマウントに変更。WRC(世界ラリー選手権)のグループ4 参戦のホモロゲーションモデルとして開発されたモンスターマシンだった。

《森脇稔》

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