[音響機材・チョイスの勘どころ]スピーカーの「インナーバッフル」は絶対必要?

市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K521)。
市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K521)。全 1 枚

カーオーディオシステムのバージョンアップに興味を抱くドライバー諸氏に向けて、サウンドアイテムのチョイスのポイントを解説している当コーナー。まずは「スピーカー」の選び方のコツを説明している。

前回からは、「スピーカー交換」を行う際には製品代以外にも予算を割く必要があることを解説しているが、今回は、「インナーバッフル」にスポットを当てる。前回も説明したように、カー用の「スピーカー」はスピーカーユニットが裸の状態で売られている。つまり、スピーカーとしては半完成品の状態で販売されている。なので「スピーカー」を取り付ける作業はいわば「スピーカー」を作る作業でもある。ゆえに「スピーカー」を取り付ける際には部材が必要となり、技術と経験も要する。結果、製品代とは別に、ある程度の取り付け費用がかかってくる。

で、ドアスピーカーの取り付けには、土台となるパーツである「インナーバッフル」が必要となる。

ちなみに言うと、取り付け性の高さを持ち味とするエントリースピーカーの中には、ドアスピーカーを取り付けるためのスペーサーが同梱されている場合もある。しかしそうであってもそれは敢えて使わずに、「インナーバッフル」を別途用意した方が良い。その方が音的に有利だからだ。

なお「インナーバッフル」は、主には以下のような3つの役割を果たす。1つ目は、「スピーカーの足場を固めること」だ。足場が固まると、スピーカーの振動板を動かそうとする力をロスしにくくなる。結果、音が良くなる。

役割の2つ目は、「ドア内部の鉄板の共振を抑制すること」だ。ドア内部の鉄板は案外薄く、スピーカーが振動するエネルギーや振動板の裏側から放たれる音エネルギーでいとも簡単に共振し、雑音を発する。しかし「インナーバッフル」を用いれば、鉄板の共振をある程度抑えられる。そして3つ目の役割は、「スピーカーを立ち上げること」だ。スピーカーを鉄板に直付けすると、スピーカーの奥側がドア内部に降りてくる窓ガラスに干渉しやすくなる。しかし「インナーバッフル」を使えばスピーカーを立ち上げられて、窓ガラスと干渉しにくくなるのだ。

付属のスペーサーでは、これらの役割を十分に果たし難い。しかし「インナーバッフル」を用いれば、役割をしっかり果たせる。

なお「インナーバッフル」は、できればワンオフした方が良い。取り付けるクルマに合わせて、さらには取り付けるスピーカーに合わせてベストなものを用意できるからだ。ただし、コストを抑えたい場合には市販品を使うという作戦も取れる。そのあたりは、予算を鑑みて選択しよう。

今回は以上だ。次回は「デッドニング:について説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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