1929年製ベントレー『ブロワー』、縮小サイズのEVに…公道走れる本格仕様が誕生

ベントレー・ブロワー と ブロワー・ジュニア
ベントレー・ブロワー と ブロワー・ジュニア全 10 枚

ベントレー(Bentley)は8月17日、1929年製の名車『ブロワー』を85%のサイズで復刻した『ブロワージュニア』を発表した。英国、欧州、米国では、公道走行が認められる。

写真:ベントレー・ブロワー と ブロワー・ジュニア


◆1回の充電での航続は最大105km

ブロワージュニアは、英国の「ザ・リトル・カー・カンパニー」が製造する。EVパワートレインを搭載しており、モーターは最大出力20hpを引き出す。最高速は72km/hとした。48Vシステムも採用。1回の充電で最大105kmを走行できる。オリジナルのブロワーでは、スーパーチャージャーが収納されていたハウジング内に、充電ポートを設けている。

ブロワージュニアは、大人2名が前後に着座するタンデム方式で、専用ラゲッジスペースが付く。オリジナルのブロワーに敬意を払い、上質な素材を使用し、すべて手作業で製作される。

ベースとなるブロワーの2号車は、ベントレーを象徴する名車として世界的に知られた価値あるレーシングカーだ。ブロワージュニアでは、1台目から99台目までの「ファーストエディション」を、2号車と同じボディカラー「ユニオンフラッグ」で塗装。特別なディテールも追加している。

◆2人乗りのコクピットは前後に座るタンデムスタイル

塗装されたスチール製フレームに搭載されているのは、本格仕様のシャシーだ。リーフスプリングと、当時のパーツをスケールダウンしたフリクションダンパーを装備した。フロントディスクブレーキはブレンボ製。電気モーターはリアアクスルに搭載され、バッテリーとドライブエレクトロニクスは目立たないアンダートレイに収納されている。

ボディは2つのセクションで構成された。リアボディは、アッシュフレームではなくカーボンファイバー製。リアボディを覆うファブリックは、オリジナルモデルと同じだ。アルミ製ボンネットは手作業で製作され、複数の冷却ルーバーが備えられている。ボンネットを固定しているのはバックル付きの革製ストラップだ。

2人乗りのコクピットは1+1のレイアウト。車両の中央に調節可能な運転席を配置し、同乗者はリアシートに座る。後方には、オプションの特注ウィークエンドバッグが収まる。オリジナルモデルの燃料タンクをスケールダウンし、ロック可能なラッチ付きラゲッジスペースとして活用している。

◆3種類の走行モードでモーターのパワーが変わる

フロントの充電ポートでは、車載チャージャーをタイプ1またはタイプ2のソケットに接続できる。その周囲をベントレーらしいメッシュグリルが取り囲んだ。ラジエターハウジングはニッケルメッキ仕上げだ。

ダッシュボードにはエンジンターンドアルミが使用された。フューエルプレッシャーポンプはドライブモードセレクターに生まれ変わり、コンフォートモード(出力2kW)、ベントレーモード(出力8kW)、スポーツモード(出力15kW)が選択できる。

前進、ニュートラル、後退を操作するレバーのデザインと操作感は、オリジナルのブロワーに搭載されていたイグニッションアドバンスコントロールレバーを模した。ヘッドライトやウインカーなど、各スイッチの形状や材質は2号車のマグネトスイッチを模してデザインされ、バッテリー充電計は2号車の電流計を思わせるデザインだ。USBポートを装備した。デュアルディスプレイは、ガーミン衛星ナビゲーション画面とバックカメラとして機能する、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. セナのF1マシンにインスパイア、12台限りのロータス『エミーラ』が公開…IAAモビリティ2025
  2. フェラーリ『849テスタロッサ』、日本初披露…価格は6465万円から
  3. 日産の新デザイン、『セントラ』新型を米国発表…「Vモーショングリル」に新解釈
  4. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  5. トヨタ『ランドクルーザー250』、米2026年型は今秋発売…日本にない326馬力「i-FORCE MAXハイブリッド」搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る