「いつかはクラウン」かの7代目は名実ともにプレステージカーだった【懐かしのカーカタログ】

トヨタ・クラウン(7代目)
トヨタ・クラウン(7代目)全 13 枚

1983年というと今から40年前のこと。この年に登場したのが、“あのフレーズ”を有名にした7代目トヨタ『クラウン』。機能、装備面での進化、充実度でも目を見張るモデルでもあった。

あのフレーズとはもちろん「いつかはクラウン(に)」のこと。このコピーは実は最初のカタログの裏表紙にも記されていたほか、登場感満載だった(!)最初のTV-CMでも、まず文字とナレーションで「いつかはクラウン」と始まり、トヨタ東富士試験場の高速周回路のバンクを疾走するクラウンの姿が映像で流されていた。

◆名実ともに「いつかはクラウン」にふさわしい

トヨタ・クラウン(7代目)トヨタ・クラウン(7代目)

この7代目クラウンは、実車もいろいろな新機軸が盛り込まれていた。ボディタイプはセダンと、それまでは2ドアの用意もあったハードトップが4ドア1本に。“クリスタルピラー”と呼ばれたきらびやかな見栄えのCピラーをデザイン上の特徴とした。

またこの世代からハードトップ(とステーションワゴンの一部)にドアミラーが標準化(フェンダーミラーも選べた)。またこの時のボディ色の白は最初の“スーパーホワイト”だった。

トヨタ・クラウン(7代目)トヨタ・クラウン(7代目)

メモリー付きチルト&テレスコピックステアリング、空調関係では前後風量コントロールヒーター、頭寒足熱型吹き出し温度コントロール、フルコン/セミコン可変コンシールドワイパーなど、世界初を謳う機能も満載した。

ペリメーターフレームはそのままに、サスペンションは、ロイヤルサルーン系ではリヤをセミトレーリングアーム式とした4輪独立に(この時点でフルフレーム+4輪独立は世界唯一だった)。後にABSとして一般化する4輪ESCも標準装備とした。

トヨタ・クラウン(7代目)トヨタ・クラウン(7代目)

当初のエンジンは2つの6気筒ツインカム(2.8リットルの5M-GEU型と2リットルの1G-GEU型)、2リットル6気筒ターボ(M-TEU型)などを設定。さらに1985年9月には、国内初のスーパーチャージャー(1G-GZEU型)が2リットルターボに代わり登場した。

名実ともにいつかは……のコピーにふさわしいプレステージカーだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. VWの新型コンパクトSUV『テラ』、AI搭載で世界20か国展開へ
  2. 「絶対にパンクしない」電動アシスト自転車発売へ、1充電で最大1000km走行も
  3. 背もたれに貼り付いた子どもたちの頭髪に…学術集会で議論された「ジュニアシートの適正使用」【岩貞るみこの人道車医】
  4. アルピナ創業家が新ブランド「ボーフェンジーペン」設立、ザガートとGTカー共同開発
  5. 【スズキ ジクサーSF250 試乗】この爽快感は単気筒ライトウェイトスポーツの「特権」だ…佐川健太郎
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【調査レポート】ベトナムにおけるモビリティ市場調査~13社(四輪・二輪)の最新動向~
  2. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
  3. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
  5. スバル『BRZ』、エンジン改良で安全性強化…332万2000円から
ランキングをもっと見る