ASF社製「商用軽バンEV」をクルマのプロたちが試乗…ARCネットワークサービス

佐川急便で導入が進むASF社製「商用軽バンEV」をクルマのプロたちが試乗…ARCネットワークサービス
佐川急便で導入が進むASF社製「商用軽バンEV」をクルマのプロたちが試乗…ARCネットワークサービス全 10 枚

自動車販売・整備・鈑金塗装や、部品卸業などに従事するクルマのプロたちは、今後国内で普及が進む可能性が高い、商用の軽バン電気自動車(EV)に強い関心を寄せている。

そこで株式会社ジェイシーレゾナンスは、全国の自動車アフターマーケット事業者に向けて、地域連携促進や新規ビジネスにつながる情報提供などを行う「ARCネットワークサービス(ARC)」利用者を対象に、EVの企画開発ベンチャーASF株式会社(飯塚裕恭代表取締役社長)製・商用軽バンEV『ASF2.0』の試乗会を2023年8月25日に、千葉県松戸市の有限会社センチュリーオート(石井英幸社長)で開催した。

クルマのプロたちの声

試乗会には、自動車販売・整備・鈑金塗装や、地域部品商といった幅広い自動車アフターマーケット事業者たちが、山形や石川、群馬、静岡、千葉、岐阜、香川と全国各地から参加。

「国産の商用軽バンとほぼ変わらない乗り心地」「しっかり踏み込まないとブレーキが効かない感じが気になったが、運転はしやすかった」「シートベルトを着用しないとエンジンが掛からない独自仕様が新鮮だった」「カーエアコンもよく効いて、坂道でも馬力があった」など、プロの目線で感想を述べていた。

ASF社製『ASF2.0』とは

ASFは、EVの企画・開発・製造・販売やバッテリーリース事業を展開するファブレスメーカー(生産工場を持たないメーカー)として2020年6月に設立。同社の飯塚代表の前職は家電量販店大手として知られる株式会社ヤマダホールディングスの元副社長であり、ASFは双日株式会社やコスモ石油マーケティング株式会社、JA三井リース株式会社、株式会社オリエントコーポレーションなどの株主から資金調達(18億4585万20円/2022年12月31日現在)のもと事業を展開している。

『ASF2.0』は、佐川急便株式会社とASFが共同で開発・実証実験に取り組んで作り上げたEVで、生産は中国自動車メーカー「上汽通用五菱汽車(ウーリン)」が担っている。佐川急便は2030年までに7200台の自社集配用軽自動車をEVに入れ替える計画を発表しており、今年4月から、佐川急便と株式会社マツキヨココカラ&カンパニーの両社は、自社関東圏の事業所に複数台の『ASF2.0』を納車している。このほか、ASFの株主であるコスモ石油マーケティングは、同社サービス「コスモ Myカーリース」車両のひとつとして『ASF2.0』の取扱を5月31日から開始している。

今回の試乗会には、ASFの取締役副社長の田村敦氏、営業部長の大高雅之氏、営業部の大島強暉氏、川島洋平氏に加え、『ASF2.0』の生産を担う中国自動車メーカー「上汽通用五菱汽車(ウーリン)」総裁助理(社長補佐)の田韶鹏氏、技術事業部長の赵尚义氏、顧問の张海峰氏も出席。試乗前に『ASF2.0』の日本語カタログが配布され、開発背景や車両の導入状況、販売体制などについて説明が行われた。

左から、ASF株式会社 取締役副社長の田村敦氏、営業部長の大高雅之氏
左から、中国自動車メーカー・ウーリンの『ASF2.0』技術事業部長の赵尚义氏、総裁助理(社長補佐)の田韶鹏氏、顧問の张海峰氏

ASFの田村副社長は、物流に特化した商用軽バンEVとして、7000名を超える佐川急便の従業員の意見を取り入れながら、日本と中国の自動車文化の良いところを融合し、安全装置も搭載して作り上げた車両であることを紹介。

ASFの大高営業部長は、ASF単体では販売体制が整っておらず、現状は協力会社として日本ロードサービス株式会社と株主のコスモ石油マーケティングの2社で販売やメンテナンスを行っている状況であり、今後は全国各地で販売や整備を行えるネットワークを構築したい考えがあることを述べた。

試乗に参加した事業者たちは『ASF2.0』の性能を体感した上で、車両販売やメンテナンス作業を行いたいと希望する声が多く、試乗会後の情報交換会では様々な質問が飛び交う場となった。

また試乗会では『ASF2.0』のほかに、会場となった有限会社センチュリーオートが管理するEVレンタカー車両(テスラ「モデルY」、ヒョンデ「IONIQ 5」、日産「サクラ」「リーフ」)の試乗も行われた。同社は、千葉エリアで初めてテスラ ジャパン認定の修理工場「テスラ認定ボディショップ」であると同時に、ヒョンデモビリティ ジャパンが正式に認める「協力整備工場」のため、EV整備や修理に必要な専用設備が揃っている全国でも稀な事業者のため、今回特別に工場見学も行われた。

今回、試乗会に参加した事業者たちは最新のEV車両やEV関連の整備・修理に必要な設備までもを一度に体験できる貴重な機会となった。また試乗会の様子は、ARC利用者のみが閲覧できる専用サイトで動画レポートが公開される予定とのこと。

佐川急便で導入が進むASF社製「商用軽バンEV」をクルマのプロたちが試乗…ARCネットワークサービス

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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