メルセデスベンツ GLC 新型、最強グレード「AMG 63」は電動化で680馬力…欧州受注開始

メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス全 10 枚

メルセデスベンツは8月29日、SUV『GLC』新型の高性能電動モデル、メルセデスAMG「GLC 63 S Eパフォーマンス」(Mercedes-AMG GLC 63 S E PERFORMANCE)の受注を欧州で開始した。ドイツ本国でのベース価格は、12万1856ユーロ(約1940万円)だ。


◆F1譲りの「Eパフォーマンス」テクノロジー

従来型の4.0リットルV8から大幅にダウンサイズした2.0リットルの直列4気筒ガソリンエンジンをフロントに搭載する。排気量2.0リットルの直列4気筒エンジンで、従来型を上回る性能を実現するために、メルセデスAMGはF1譲りの「Eパフォーマンス」テクノロジーを導入した。「AMGパフォーマンスハイブリッド」を、電動ターボ付きの4気筒ガソリンエンジンに組み合わせる。

この2.0リットルエンジンは、メルセデスAMGの横置きエンジンのコンパクトパフォーマンスモデル、「45」シリーズに搭載されている「M139」型エンジンがベースとなる。メルセデスAMGは、このエンジンに設計変更を加えて、縦置きに搭載した上で、パフォーマンスを大幅に向上させている。

新しいエンジンの特長は、電動ターボチャージャーだ。この技術はF1からのフィードバックで、「MGU-H(モータージェネレーターユニットヒート)」と呼ばれる。同じシステムが、メルセデスAMGのハイパーカー、『ワン』にも採用される。電動ターボチャージャーは、低いピークパワーの小型ターボチャージャーと、ピークパワーが高い大型ターボチャージャーの弱点を解消するシステムだ。

メルセデスAMG GLC 63 S EパフォーマンスメルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

◆電動ターボは低回転域でより高いトルクが可能に

この電動ターボチャージャーシステムでは、厚さ40mmの小型の電気モーターが、排気ガス側のタービンホイールと外気のコンプレッサーホイールの間に位置するターボチャージャーシャフトに装着されている。モーターは電子制御によって、ターボチャージャーシャフトを駆動し、コンプレッサーホイールを回転させる。ターボチャージャーの電動化によって、アイドリング領域でのレスポンスが大幅に向上し、エンジン回転全域でのレスポンスも高まる。

その結果、エンジンはアクセルペダルにさらに素早く反応し、ドライビングフィールは大幅にダイナミックで機敏になる、と自負する。さらに、ターボチャージャーの電動化により、低回転域でより高いトルクが可能になり、俊敏性が向上し、停止状態からの加速性能がアップする、と自負する。

また、ドライバーがアクセルペダルから足を離したり、ブレーキペダルを踏んだりしても、電動ターボチャージャーは常にブースト圧を維持できるため、ダイレクトなレスポンスが維持される。この電動ターボチャージャーは車載の48V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmで回転し、空気の流れを速める。

メルセデスAMG GLC 63 S EパフォーマンスメルセデスAMG GLC 63 S Eパフォーマンス

◆量産4気筒で世界最強の2.0リットルエンジン

2.0リットル直列4気筒エンジンには、電動ターボチャージャーの効果により、最大出力は量産4気筒エンジンで世界最強の476hp/6725rpmを獲得した。最大トルクは55.6kgm/5250~5500rpmを引き出す。リアアクスルには、最大出力204hpの電気モーターを搭載した。プラグインハイブリッド(PHEV)システム全体で、680hpのパワーと104kgmのトルクを獲得する。0~100km/h加速は3.5秒、最高速は275km/h(リミッター作動)だ。システム全体の出力とトルクは、V8エンジンを搭載した従来型「GLC 63 S」を170hp、32.6kgm上回る。蓄電容量6.1kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、最大12kmをゼロエミッション走行することができる。

トランスミッションには、9速の「AMGスピードシフトMCT 9G」を採用した。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を追求する。レーススタート機能も付く。よりスポーティなドライビングが楽しめる「Sport」「Sport+」、さまざまなパラメーターを個別に設定できる「Individual」などのモードを採用した、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  2. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  3. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  4. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  5. 日産『リーフ』新型発売にスタンバイ、家庭用充電器や太陽光パネル設置支援、米国でサービス開始へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る