[システム構築学大全]「サブウーファー」を導入してシステムの完成度を上げる!

「サブウーファー」の搭載例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
「サブウーファー」の搭載例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。全 3 枚

クルマの中で良い音を楽しみたいと考えたとき、「どんなシステムを組むか」も悩みどころとなる。当特集ではそこのところを掘り下げている。今回から数回にわたっては、システムに「サブウーファー」を組み込もうとするときの、コツやポイントを説明していく。

◆「サブウーファー」の鳴らし方(システムへの組み込み方)も、さまざまある!

ここまでシステムの構築法をさまざま紹介してきたが、その最後として今回からは、「サブウーファー」について考えていく。フロントスピーカーの鳴らし方がさまざまあるように、「サブウーファー」の組み込み方もいろいろとある。

さてまずはこの機会に、「サブウーファー」とは何で、カーオーディオではなぜにこれが使われることが多いのかを簡単に説明しておこう。ちなみに、「サブウーファー」の“サブ”というワードには2つの意味がある。1つは「下の」という意味で、もう1つは「補助」とか「副」という意味だ。

というわけで「サブウーファー」は、2つの役割を担う。まず1つ目の役割は、ドアスピーカーが出せる音よりもさらに「低い」音を再生するという役割だ。ドアに取り付けられるスピーカーは口径的にせいぜい17cmクラスが最大サイズとなるのだが、その大きさでは超低音まではスムーズに鳴らし難い。20cmとか25cmくらいの大きな振動板を持ったスピーカーでないと、超低音を質良く鳴らすのは困難だ。

なのでより口径の大きな「サブウーファー」を導入し、ドアスピーカーでは鳴らし切れない超低音の再生を「サブウーファー」に担わせるのだ。

「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW68)。

◆ロードノイズでかき消されがちな低音を、「サブウーファー」にてサポート!

そして2つ目の役割は、ドアスピーカーの低音再生を「補助」することだ。クルマは走行することでタイヤパターンが路面を叩き、ロードノイズを発してしまう。で、このロードノイズは主には低周波で構成されるので、ドアスピーカーが鳴らす低音に覆い被さり低音を聴こえにくくする。しかし「サブウーファー」を導入すれば、低音の不足を補える。その意味合いもあり、クルマでは「サブウーファー」が使われることが多くなっている。

では、いよいよ「サブウーファー」のシステムへの組み込み方について説明していこう。

実は「サブウーファー」の導入の仕方は、使用中のメインユニットの仕様によって大きく変わる。メインユニットに「サブウーファー出力」が備わっているか否かで、導入とコントロール、それぞれのしやすさが変わってくるのだ。

踏み込んで説明していこう。まず、これが備わっていると「サブウーファー」を鳴らすための音楽信号の配線作業(メインユニットとパワーアンプ間)を、1本のケーブルを繋ぐだけで完了できる。しかしこれが備わっていない場合には、フロントスピーカーもしくはリアスピーカーを鳴らすための配線のどこかをカットして、信号を分岐しなくてはならない。

「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX140DA)。

◆「サブウーファー出力」が備わっていると、超低音のコントロールもしやすくなる!

そしてメインユニットに「サブウーファー出力」が備わっていると、コントロールもしやすくなる。まず、音楽信号の割り振りを行えるようになるので、「サブウーファー」へは超低音だけを、ドアスピーカーには超低音をカットした音楽信号を送り込める。

対して「サブウーファー出力」が備わっていない場合には、「サブウーファー」には超低音だけを送り込めるが、ドアスピーカーに送り込む信号の超低音のカットは行えない場合が多い。

また「サブウーファー出力」が備わっていると、「サブウーファー」用の信号に対してその他のサウンド制御機能も個別に運用できるようになる場合が多い。例えば、発音タイミングをコントロールする機能である「タイムアライメント」や周波数特性の乱れを正す「イコライザー」も、「サブウーファー」が鳴らす信号に対して個別にかけられるようになる機種もある。

というわけで、「サブウーファー」の導入を考えている場合には、「メインユニット」を購入する段階で「サブウーファー出力」が備わっているかどうかをチェックしたい。これが備わっているか否かで、システムの完成度もある程度変わってくるからだ。

今回は以上だ。次回も「サブウーファー」をシステムに組み込む際のポイントを説明していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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