EVプレーヤーの新たなビジネス展開…関西電力 兼 大阪大学大学院 西村陽氏[インタビュー]

EVプレーヤーの新たなビジネス展開…関西電力 兼 大阪大学大学院 西村陽氏[インタビュー]
EVプレーヤーの新たなビジネス展開…関西電力 兼 大阪大学大学院 西村陽氏[インタビュー]全 4 枚

来たる9月27日、オンラインセミナー「EVプレーヤーの新たなビジネス展開~分散型電力システムに関する最新動向~」が開催される。セミナーに登壇するのは、関西電力株式会社 ソリューション本部 シニアリサーチャー 兼 大阪大学 大学院 工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 招聘教授の西村陽氏。

今回のセミナーは、以下のテーマで進められる。

1. 分散型電力システムに関する検討会
(1) なぜ分散型電力システムなのか~ビジネス観の転換
(2) 機器点計量と低圧リソースの活用
(3) 次世代スクートメーターの最大活用

2. EVグリッドWG
(1) 公表資料からみるWGのねらい
(2) 欧州、米国とのビジネス環境比較~本当の違いとは
(3) 欧州/米国の至近動向~EVはどう動いているのか

3. EVプレーヤーの協働
(1) 各プレーヤーの思いと対立点
(2) 歩み寄る各プレーヤー~データ活用と標準化
(3) 送配電会社の新機軸とDERプラットフォーム
4.質疑応答

セミナーの詳細はこちらから。
西村氏に、セミナーの見どころを聞いた。

■V2G実現のための様々なハードル

EVを蓄電池としてグリッドに接続し、発電量のコントロールが難しい再生可能エネルギーのバッファとして活用するいわゆるV2Gの構想は以前からあるが、実際にはまだ実現していない。

経済産業省のワーキンググループ*で、V2Gの実現に向けて関係各社と議論を進めている西村氏は、V2Gの実現に向けては様々な課題があると指摘する。

* 分散型電力システム検討会

「EVを利用したV2Gについて注目すべきことは、EVの蓄電池の容量は家庭用蓄電池よりも遥かに大きいという点です。これを効果的に活用することで、EVと電力グリッドが共利共生の関係を築き上げられると確信しています。

しかしながら現状では、電力関連企業と車メーカー間での理解がまだ不十分であり、このギャップを埋めることが必要です。」

「事業者からの声として、EVと充電器の通信規格の統一が必須であり、これがインフラとして機能しなければなりません。ヨーロッパではOCPPという業界標準規格があり、アメリカの場合はテスラが非常に強いので、テスラのNACSが、データは公開されていませんが事実上の標準となっています。

さらに、車両データの共有に関しても課題があります。ヨーロッパではVIN(Vehicle Identification Number)を使って車両データを簡単に共有できるのに対し、日本ではセキュリティの問題からこのデータの共有が困難だと自動車メーカーは言及しています。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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