VWの大型EVセダン『ID.7』をツインモーターで558馬力に強化…ID.Xパフォーマンス 提案

フォルクスワーゲン ID.Xパフォーマンス
フォルクスワーゲン ID.Xパフォーマンス全 10 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)は9月8日、高性能EVセダンを提案するコンセプトカー、『ID.Xパフォーマンス』を欧州で発表した。

写真:フォルクスワーゲン ID.Xパフォーマンス


◆フロントにもモーターを追加しツインモーターのAWDに

同車は、新世代EV「ID.」ファミリー初のセダン、『ID.7』がベースだ。ID.7には、新開発のEVパワートレインを搭載する。ID.Xパフォーマンスでは、このEVパワートレインを強化した。

ベース車両のID.7では、リアに積まれるモーターが最大出力286ps、最大トルク55.5kgmを発生する。一方、ID.Xパフォーマンスでは、フロントにもモーターを追加し、ツインモーターのAWDとなる。ブースト時の最大出力は558psと、ID.7に対して272ps強化された。

パワフルなデュアルモーターによるAWDの利点は、短時間の過負荷に対する耐久性と、とくに低いドラッグロスにあるという。その結果、このモーターは、ブースト機能という形で短時間のパワーを供給するのに理想的、と自負する。駆動トルクは「ビークルダイナミクスマネージャー」によってコントロールされ、リアアクスルディファレンシャルロックの作動も管理される。この機能は、センターコンソールの17cmの独立ディスプレイで制御できる。

◆カーボン製エアロパーツにスポーツサスペンション

フロントスプリッターとリアディフューザーはカーボン製だ。リアにはカーボン製ウイングが装着された。スポーツサスペンションは、車高を60mmダウンできる。センターロック付きの20インチアルミホイールに、265サイズのレーシングタイヤを組み合わせている。

フォルクスワーゲンのエンジニアは、トレッドを80mm拡大させた。これはドライブユニットとともにパフォーマンスに大きく貢献し、車両のハンドリングをより俊敏なものにしているという。

ダークテールライトクラスターによって、高性能電動リムジンらしいスポーティな外観を追求する。インテリアでは、ダイナミックなドライビングスタイル時にも最適なサポートを実現するカーボン製バケットシートを採用した。赤いアクセントがインテリアのスポーティさを強調している。

◆新世代のEV向け車台「MEB」のポテンシャルを最大限に追求

フォルクスワーゲンは、ID.Xパフォーマンスで、新世代のEV向け車台の「MEB」のポテンシャルを最大限に引き出し、スポーティなパフォーマンスとリムジンのエレガントなスタイルを融合させることを目指した。デュアルモータードライブのエネルギーは、最大200kWの出力によって、短時間で充電できるバッテリーから供給される。

MEBは、フォルクスワーゲンが創造性豊かな車両開発に取り組むために、多くの可能性を備えているという。ID.7をベースにしたID.Xパフォーマンスによって、その性能を高めることに集中し、MEBの可能性を示している。

フロントエンドに配置されたエアインテークは、エアインテークを通って流れる空気を車両の側面から後方へと導く。これがエアカーテンを形成し、車両の側面の空気の流れを最適化する。ルーフは後方に傾斜しているため、空気抵抗係数に優れるという。短いオーバーハングと2970mmの長いホイールベースを備えたMEBは、インテリアにメリットをもたらす。これが高級セダンの特長になり、とくに広々とした感覚を実現した、としている。

《森脇稔》

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