金融庁が損保ジャパン立ち入り、ビッグモーター不正で行政処分へ[新聞ウォッチ]

損害保険ジャパン本社
損害保険ジャパン本社全 3 枚

駆け出し時代に先輩記者から「1つのテーマでも少なくとも3回は書き分けられる」と教わったことを思い出す。当時は化学業界の担当記者で、石油化学プラントの建設ラッシュだったが、最初の記事は「間もなく稼働」、次に「きょう稼働開始」、そして3度目が「いよいよ本格稼働中」。

◆いよいよ立入検査

中古車販売大手のビッグモーターによる保険金の不正請求問題は、そんな3回の書き分けどころか、7月上旬に全国紙の一斉報道以降、連日のように紙面を飾っているが、きょうの各紙には「金融庁による立ち入り検査がいよいよ始まった」と報じている。

すでに金融庁は9月19日にもビッグモーターと損害保険ジャパンへの立ち入り検査を予告していたので、予定どおりに開始したとの確認報道に過ぎないが、それでも夕刊のない産経が1面トップで報じたほか、読売、朝日、毎日も1面のほか、経済面になどにも改めて関連記事を掲載。

◆もたれ合いの関係にあった?

それによると、金融庁の検査官が両社に常駐し、関係者への聞き取りなどを通じ実態解明を進めるという。その結果、契約者保護などの観点で問題があれば、業務改善命令などの行政処分も検討するとも伝えているが、各紙の見出しは、経営再建には大きな痛手のビッグモーターよりも「もたれ合い」の関係にあったとされる「損保ジャパン立ち入り」を焦点に大きく取り上げている。

しかも、日経は「損保ジャパン行政処分へ」と一歩踏み込んだ視点で報じているほか、グループのトップに君臨している桜田謙悟会長兼CEOの「経営責任に発展する可能性もある」とも指摘する。とはいえ、金融庁がグループ全体のガバナンスにどこまで踏み込めるのかも興味深い。

2023年9月20日付

●金融庁、行政処分も視野、立ち入り検査、損保ジャパンと取引解明、ビッグモーター再建痛手(読売・9面)

●ヤマト運輸、EVトラック900台導入(朝日・7面)

●「米でのEV生産、27年にも」スバル社長、共同開発加速も示唆(朝日・9面)

●主張、LRT開業、地方交通見直しの契機に(産経・2面)

●車の脱炭素燃料をレースで性能評価、大手各社、技術開発急ピッチ(産経・12面)

●JR東が「荷物新幹線」生鮮や電子部品、地方から即日輸送、来年度にも(日経・1面)

●豊田通商、再エネの巨人に、トヨタの脱炭素先導、「風力日本一の北海道」挑戦後押し(日経・17面)

●三菱自、アウトドア向け新車種、来年初、500万円台で発売(日経・17面)

●現代自、EV試乗、レンタカー店で、納車・レンタルも可能(日経・17面)

●銘柄診断、三菱自、年初来高値、米車ストで需要拡大期待(日経・21面)

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  2. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  3. 「ゴツい見た目に、爽やかなブルーは反則」新型トヨタ『セコイア』発表で高まる日本導入への期待
  4. トヨタ『カローラ』米2026年モデル、新デジタルメーター搭載で今秋発売へ
  5. 歴代最強? 新型ポルシェ『カイエン』はこうなる! 最上級グレードは1000馬力超え
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る