フィアット『トッポリーノ』新型、マイクロEVで復活…イタリアで受注開始

フィアット・トッポリーノ 新型
フィアット・トッポリーノ 新型全 10 枚

フィアットは9月19日、小型のシティコミューターEVの新型『トッポリーノ』(Fiat Topolino)のクーペのイタリア本国での受注を開始した。イタリア本国では、頭金2582ユーロ(約40万円)を支払い、4年間、月々39ユーロ(約6000円)で購入できる。

写真:フィアット・トッポリーノ 新型


◆1回の充電での航続は最大75km

オリジナルのトッポリーノは1936年、フィアットが発表した初代『500』の通称だった。初代フィアット500は1936年、世界恐慌に冷え込むイタリア市場に投入された経済車で、当時、世界最小の量産車だった。そのサイズと姿から、「トッポリーノ=小さなネズミ」という名前で呼ばれた。

トッポリーノとして人々に親しまれた初代500は1955年、生産を終了した。今回、およそ70年ぶりに、トッポリーノのネーミングが復活した。新型トッポリーノは、全長2530mmの小型シティコミューターEVだ。丸目ヘッドライトを配したキュートなフロントマスクや、2シーターの室内などが特長になる。

ラインアップは、クーペとオープンの2種類のボディが用意されている。新型トッポリーノの2530mmの全長は、普通車に比べて非常に小さく、扱いやすい。最高速は45km/hに抑えられた。バッテリーの蓄電容量は5.4kWhで、1回の充電で最大75kmの航続を可能にした。フル充電に要する時間は、およそ4時間だ。

◆位置をずらして配置された2つのシート

新型トッポリーノは、初代フィアット500から名前とデザインを受け継ぎ、ファミリーを拡大し、都市における持続可能なモビリティのリーダーシップを確固たるものにすることを目指す。そのスタイルは、初代フィアット500同様、力強いシンプルさを貫いている。

「Less is more」(少ない方が豊かである)をテーマにしたデザインは、シンプルこそ美しさの最良のパートナー、との考えを具現化したものだ。新型トッポリーノは自由をキーワードに、どこへでも行けて、どんな天候でも運転でき、そして好きな場所に駐車できる。スクーターに比べ、無限の可能性を秘めているという。悪天候でも運転でき、スクーターよりも安全な構造で、友人や家族と移動を共有することができる。

コンパクトなボディサイズでありながら、居住空間は確保されている。これは、位置をずらして配置された2つのシート、広々としたガラス面、そしてスーツケース1個を置くことのできる収納スペースなどの効果だ。

◆すでに購入に関心のある顧客は1万人以上

新型トッポリーノの購入プロセスは、無駄のない直感的なカスタマーエクスペリエンスを実現するため、シンプルなものとした。3クリックで車両の選択と購入ができ、注文内容の追跡ができる。フィアットによると、最も簡単なショッピングエクスペリエンスになるという。

7月4日の発表と同時にイタリアとフランスでは、フィアットのウェブサイトにおいて、新型トッポリーノにいち早く乗りたいユーザーのために、特別企画「Be the First」を開始した。購入に関心があるユーザーがオンラインで登録を行い、すでにその台数は1万台を超えているという。

新型トッポリーノは、都市における持続可能なモビリティのリーダーであり、誰もがアクセス可能なモビリティを提供するというフィアットの目標に合致している、としている。

《森脇稔》

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