1名乗りの軽量570kgスーパーカー、『Mono』新型…完全オーダーメイドの第1号車を納車

BAC Mono 新型の第一号車
BAC Mono 新型の第一号車全 10 枚

英国のBACは9月18日、シングルシーターのスーパーカー『Mono』新型の第一号車を、米国カリフォルニアの顧客に引き渡した、と発表した。


◆自然吸気の320hpエンジン搭載で0~96km/h加速2.7秒

BAC社は、ブリッグス・オートモーティブ・カンパニーの略だ。イングランド北西部チェシャー州在住のブリッグス兄弟が設立し、スポーツカーを少量生産している。その名前を有名にしたのが、2011年春に発表された初代Monoだ。

2023年8月に米国で開催された「モントレー・カーウィーク2023」では、3世代目となる新型Monoが発表された。自然吸気の2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、最大出力320ps、最大トルク31.9kgmを発生する。公道でもサーキットでも、俊敏でダイナミックなハイパフォーマンスカーに求められるパワーとトルクを発揮できるように最適化されている。このパワートレインは、許容回転数8000rpmとした。

グラフェン入りカーボンパネルによる軽量構造によって、車両重量は570kgに抑えられた。前後重量配分はフロント41%、リア59%。リアには、モータースポーツ用に開発された6速シーケンシャルトランスミッションを搭載する。タイヤはピレリ製で、専用の「トロフェオR」からスリック、ウェットまで、さまざまなタイヤが用意された。0~96km/h加速2.7秒の性能を可能にしている。

BAC Mono 新型の第一号車BAC Mono 新型の第一号車

◆モータースポーツファンでもあるオーナーの思想を反映

新型Monoの第一号車には、BACならではのクラフトマンシップを導入した。顧客の要望を取り入れた完全オーダーメイドモデルになる。

BACのデザインチームは、顧客と緊密に協力しながら、モータースポーツへのオマージュを表現した新型Monoを作り上げることに挑んだ。モータースポーツファンでもあるオーナーは、モータースポーツ界の頂点に立ち、その豊かな歴史に敬意を払いつつ、未来を見据えたデザインを備えたBACのシングルシーターを希望したという。

手作業でペイントされ、1週間以上かけて完成させた新型Monoの第一号車は、カリフォルニアの日差しを浴びて輝くことを目指した。メタリックリキッドシルバー仕上げのボディカラーを採用している。

◆メタリックリキッドシルバーにエーゲ海ブルーの組み合わせ

メタリックリキッドシルバーは、新型Monoのアイコンのシャークノーズフロントから、エアロダイナミクスを最適化したリアへと流れる。リアには、エーゲ海ブルーで仕上げられたウイングが装備された。エーゲ海ブルーは、エクステリア全体に使用され、メタリックリキッドシルバーに大きなアクセント効果をもたらしている。

リアでは、リキッドシルバーからグロスブラックへと変わる複雑なグラデーションの幾何学模様が描かれている。これは、BACのデザインチームとオーダーメイドのスペシャリストによる集中的な塗装工程において、手作業でマスキングされたものだ。

これとは対照的に、サイドミラー、ディフューザーエッジ、フロントフロアリップ、カーボン複合素材製ホイールは、鮮やかなエーゲ海ブルーで仕上げられた。シャークノーズフロントの中心には、カーボンを露出させたBACエンブレムが添えられている。

《森脇稔》

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