HKSがGR86をNAコンプリートチューン!最新パーツが『GR86 & BRZ』に新たな息吹をもたらす

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HKS『GR86/BRZ』NAコンプリートチューン
HKS『GR86/BRZ』NAコンプリートチューン全 37 枚

HKSトヨタGR86』 & 新型スバルBRZ』用パーツを積極的に開発中だ。静岡県富士宮市のHKS本社を訪問して取材と試乗を行った。用意されたブラックのGR86には「Tune the Next」と大きく描かれたデカールで装飾されていた。

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今年2023年にHKSは創立50周年を迎え、それを記念したデモカーのリバリーだ。50周年を記念した「Tune the Next」にはロゴ入りグッズなどが多く用意されている。ということで全方位に渡ってHKSチューンが施された、GR86の詳細に迫っていこう。

効率を突き詰めることでエンジン性能を引き出す

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チューニングには様々なアプローチがあるが、HKSではまずはエンジン本体には手を入れず、なおかつ過給も行わないアプローチで着手した。エンジン本体の変更をせずにパワーアップするには、吸排気効率を向上するというセオリー通りの手法である。

エアクリーナーはHKS伝統の「スーパーパワーフロー」に変更。古くから毒キノコの愛称でよばれるスーパーパワーフローは、いわば吸気系チューニングの第一歩、基本中の基本である。サイズはφ150-80。スーパーパワーフローは標準で乾式3層タイプであるが、デモカーは湿式2層タイプとなる。湿式は圧力損失が少なく、より多くの空気を燃焼室へと導入できるのがメリット。

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ノーマルのエアエレメントはボックス内に収められている。これは吸気音の低減をはじめとした様々な効果を狙ったものだ。これに対しスーパーパワーフローは剥き出しタイプとすることで、吸入効率アップの実現を目指している。

スーパーパワーフローが開発された時代は、エンジンルーム内部も余裕があり、エンジンルーム内の温度もさほど上がることはなかったが、現代のエンジンルームは機関系がすき間なく詰め込まれていることもあり、エンジンルーム内の温度はかなり高い。

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そのため、従来のように剥き出しでスーパーパワーフローを配置するのではなく、「コールドエアインテークボックス」を介して装着することで吸入空気温度を下げつつ安定させている。その効果は大きく、HKSのデータによればWLTCモード走行時で最大13℃もの温度低下を実現している。

コールドエアインテークボックスはアッパーケース、ロアケース、サイドダクトという構成。アッパーケースはクリアスモークとなっていて、スーパーパワーフローが透けて見えるところも、エンジンルームのドレスアップに大きな効果をもたらす。

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そのコールドエアインテークボックスに組み合わされるのが、専用設計の「エアインテークダクト」。純正ダクトの最狭部がφ50相当であるのに対し、HKSの「エアインテークダクト」は約φ87.5相当を確保。エアフロセンサーの取り付け位置は変更しない設計なので、純正制御まま補正を行わずに装着できることも大きな利点。純正置換タイプのため、雨対策などもしっかりと行われている。

ベンチテストにおいては、最高出力付近で純正比約22%の空気抵抗を低減。専用設計のエアインテークダクトには3カ所に吸入口があり、コールドエアインテークボックスとの組み合わせによって、パワーフローむき出し装着と比べても劣らない吸入効率を実現している。

インテークパイプは3K繊維のカーボンを使用して製作、パイプ内面を滑らかな表面とすることで吸入抵抗を低減。エルボホースはシリコンタイプで芯線入りとすることで、負圧による変形を抑制する。純正で採用されているチャンバー部はそのまま移植し、その機能を引き継いでいることもメリットだ。

排気側は高効率に加えて軽量化も行いスペックアップ

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排気側は4-2-1レイアウトのエキマニに高効率メタル触媒を配した「スーパーマニホールドGTスペック」、極薄肉ステンレス材により軽量化が果たされているマフラー「ハイパワースペックL-II」が組み合わされている。

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純正の触媒は25.4mm(1インチ)四方に600セルという目の細かいセラミック触媒が使われているが、HKSキャタライザーのスペックは25.4mm四方に4分の1の密度となる150セルと目の粗いメタル触媒。当然ながら、排気抵抗の大幅低減も実現している。気になる排ガス清浄性についても、貴金属の配合を最適化することで平成30年排出ガス規制に適合。第三者機関による証明も取得しているのでストリートでの利用も安心だ。

マニホールド部分は4-2-1配管を採用。4本部分のレイアウトを検討することで完全等長の理想的なレイアウトを実現。ヘッド側フランジのパイプ挿入部分の段付きを改善した新規設計フランジを採用し、排気効率のアップが図られている。

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ハイパワースペックL-II」はTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ CUPPROFESSIONAL Series)の指定部品となっているマフラーだ。純正マフラーの重量が16.2kgであるのに対し、約30%も軽い11.4kgを実現。素材はステンレスであるが、この重量はチタン製マフラーに匹敵するほど軽量性に優れている。

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排気系パーツはそれぞれ単体でも効果を発揮するが、組み合わせて使うことでより高い性能を発揮。4,000rpm付近のトルクの落ち込みを解消しただけでなく、4,300prmではノーマルに比べて+13.9ps、22.5Nmのスペックアップを果たしている。

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GR86はノーマル状態でもエンジンオイルの油温が上がり気味になるモデルだけに、チューニングを施したのであれば、その対策も怠りなく行いたい。今回のデモカーには12段のコアを持つオイルクーラーが装着されていた。

オイルクーラー本体の装着場所は、エンジンルーム前方左側。オイルクーラーへ走行風を導くフラップ付きダクトが付属しており、GR86/ BRZのグリルデザインの違いに対応。もちろん一般道走行とサーキット走行で、フラップの開き具合を変更することも可能だ。なおオイルクーラー装着時はウォッシャータンクの移設が必要となり、専用の移設用ウォッシャータンクもHKS開発済みであるので安心してほしい。

NAで効果を確実に実感できる心地よいフィーリングを獲得

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試乗車は上記の吸排気系、冷却系のチューンが施されたうえで、サスペンションを「HIPERMAX S 50th ANNIVERSARY Edition」に変更。タイヤは横浜ゴムのアドバンネオバAD09(タイヤサイズ:255/35R18 / FR)が採用されていた。

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大幅にパワーアップされているわけではないのでクラッチはノーマルのままであり、必要な踏力も変わらない。当然クラッチミートも神経質ではなく、ごく普通のフィーリング。クラッチがつながってからやんわりと踏み込む普通のドライビングスタイルで問題ない。

アクセルを踏み込むと、ぐんぐんとタコメーターの針が上がっていく。NAエンジンらしい素直なフィーリングだ。チューニングされたNAエンジンという印象は薄く、トルクフルなNAエンジンの印象。一昔前のNAチューンを知っている人間からすれば、こんなに乗りやすくていいのかという気持ちも湧いてくる。

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排気量は2.4リットルのままで変わっていないが、排気量アップし圧縮比は上げていないというような使いやすいエンジンの印象である。4,000rpm付近のトルクが向上していることは体感しやすいポイントだ。少し早めのペースで流すようなときはこのあたりの回転数でシフトアップしていくが、実に扱いやすいフィーリングである。

アクセルをより深く踏み込んでいくと、力強さはさらに気持ちのいいものとなる。少し乗ってエンジンのクセをつかんでやれば、軽くアクセルを戻しつつスッとクラッチを踏んでキレイにシフトアップできる。シフトダウンにしても同様で、エンジン回転の変化をつかみやすいので、シフトアップ、シフトダウンともにしつけのいい操作が可能である。エンジンの回転上昇とともに響くエキゾーストノートも心地よい。音量そのものは抑えられているが、音質は低音重視となっていて、いわゆる腹に響くような印象である。

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ノーマルサイズのタイヤは215/40 R18なのに対し、255/35 R18とかなり太めのタイヤが採用されているが、ハイパーマックス S 50th ANNIVERSARY Editionはそのパフォーマンスをしっかりと受け止めている。トレッド幅のアップによりステアリングを切った際の反応が向上しているが、扱いにくさは感じない。グリップ向上によりリヤのトルセンデフの効きがアップしたような感触で、かなりスポーティに走れる印象であった。

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今回試乗したモデルはいわばライトチューン域であるが、GR86用パーツとしてはさらに上のスーパーチャージャー仕様も設定されている。キットはスーパーチャージャー本体とインタークーラーのセットで、これに別途「F-CON iS」を用いたサブコン制御を行うことで、最高出力を75psアップすることが可能。

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テスト時に乗ったドライバーは「排気量アップしたNAエンジンのようだ」と語っているということなので、乗りやすさはバツグンによさそう。クルマが仕上がったら機会を作ってぜひともテストしたいモデルである。NA、スーパーチャージャー、ターボと好みに応じてチューニングできるのもGR86とBRZの楽しさ。今後の発展からも目が離せないこと間違いなしだ。

GR86をもっと楽しくする!
HKS『GR86』のチューニングパーツはこちら

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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