日産、「フォーミュラE」ドライバーの脳を鍛える新プログラム発表…2024年から採用へ

日産フォーミュラEのドライバーの脳を鍛える新プログラム「ブレイン・トゥ・パフォーマンス」
日産フォーミュラEのドライバーの脳を鍛える新プログラム「ブレイン・トゥ・パフォーマンス」全 7 枚

日産自動車(Nissan)は10月11日、世界最高峰のEVレース「フォーミュラE」の2024年1月に開幕するシーズン10から、脳の潜在能力を引き出す「ブレイン・トゥ・パフォーマンス」をドライバーのトレーニングプログラムに採用すると発表した。

日産は、プロドライバーの脳機能を解剖学的な見地から明らかにすることを目的に、このプログラムを2017年に開始した。これまでの研究で、運転やレースに関連する脳機能や認知機能を向上させることで、ドライバーのミスを減らし、安定したパフォーマンスを維持しながら反応速度を向上させることが分かったという。

また、ドライバーは継続的なトレーニングを受けることで脳の潜在能力を最大限に引き出すことが可能となり、プレッシャーのかかる状況においても冷静さを維持し、判断力を向上させることが期待されている。

日産フォーミュラEチームは、シーズン7終了時に日産のUXイノベーションを担当するルチアン・ギョルゲ上級マネージャーとともに、レーシングドライバーと一般ドライバーの脳機能の比較、脳を電気的に刺激することによるサーキットでのパフォーマンスの向上、一般ドライバーの運転技術向上という3つの分野で研究を行うと発表した。

シーズン8では、英国エセックス大学とキャンパス・バイオテック社のレースシミュレーターを使用したテストを実施した。一般ドライバーが初めてのコースを10回走行するテストにおいて、脳への刺激を受けたグループは、受けなかったグループと比較して半分のタイムで走行し、半分の時間でコースを覚えたことが明らかになった。

この結果を受けて、米国のテクノロジーパートナーのウェーブ・ニューロ社やテキサス大学オースティン校のサポートを得て、脳の特定の領域を刺激するソナル装置を使用したトレーニングプログラムを開発した。シーズン9を通じて、このトレーニングを実施した結果、ドライバーの認知機能を向上させ、パフォーマンスを最適化させることができると結論づけられたという。

この成果を受けて、日産フォーミュラEチームはシーズン10から、このプログラムをドライバーのトレーニングに組み込む予定、としている。

《森脇稔》

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