ホンダのSUVにオフロード仕様「トレイルスポーツ」、女性だけで競う米ラリーに参戦

ホンダ・パスポート と パイロット のトレイルスポーツの米「Rebelle Rally」参戦車両
ホンダ・パスポート と パイロット のトレイルスポーツの米「Rebelle Rally」参戦車両全 20 枚

ホンダ(Honda)の米国部門は10月12日、ミドルクラスSUVの『パスポート』と『パイロット』のオフロード仕様車「トレイルスポーツ」が10月12~21日、米国で開催される女性だけで競うラリーレイド「Rebelle Rally」に参戦すると発表した。


◆3台のうちの2台はほぼ市販車状態で出走

同ラリーは、米国ネバダ州やカリフォルニア州の砂漠地帯を舞台に、10日間(そのうち競技は8日間)で2200km以上を走破するラリーレイドだ。2016年に開始された同ラリーには、「4×4」とクロスオーバー車の「X-Cross」の2つのクラスがある。2020年からは電動車も出走可能となり、EVやハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHEV)が参加できる。

同ラリーでは、電子機器の使用を禁止している。スマートフォンやタブレット端末、パソコン、GPSは使えない。参加者は地図と方位計を頼りに、コースに設けられた複数のチェックポイントを通過することが求められる。

ホンダはこのRebelle Rallyに、ミドルクラスSUVのパスポートとパイロットのオフロード仕様車、トレイルスポーツで参戦する。パスポート1台、パイロット2台の合計3台の車体には、ポップアートにインスパイアされた鮮やかなラッピングが施された。タイヤから飛び散る埃や水、岩などが表現されており、1週間のオフロード競技中に遭遇する数々の険しい状況下で、トレイルスポーツのタフな性能を際立たせるのが狙いだ。

また、3台のうちの2台は、ほぼ市販車状態。1台のパイロットには、特注のスチール製バンパーと、あらゆるコンディションでトラクションを向上させるマキシスRAZR ATタイヤを装着している。

ホンダ・パスポート・トレイルスポーツ の2024年モデルホンダ・パスポート・トレイルスポーツ の2024年モデル

◆『パスポート・トレイルスポーツ』は最新の2024年モデルを投入

ホンダの米国向けSUVやピックアップトラックにオフロード仕様車として設定される新シリーズが、トレイルスポーツだ。2024年モデルの『パスポート・トレイルスポーツ』には、専用の新しいオフロードチューニングサスペンションを採用した。

スプリングレートの変更、ダンパーバルブのチューニング強化、スタビライザーの最適化などが施された。オンロードでの快適性とクラス最高レベルのハンドリング性能を犠牲にすることなく、前後アクスルが逆位相でストロークする状態での性能を高めると同時に、オフロードでの乗り心地を向上させた、と自負する。

また、2024年モデルのパスポート・トレイルスポーツには、パスポートとしては初めて、オールテレーンタイヤを装着し、オフロードでの走行性能を追求している。標準装備のGeneral GrabberのA/Txタイヤは245/60R18サイズで、ダートや岩場、雪道などでのトラクションを向上させながら、オンロードでは静かで快適な乗り心地を保つという。フロントとリアのトレッドを10mm拡大し、安定性を向上させている。

ホンダ・パイロット・トレイルスポーツ」ホンダ・パイロット・トレイルスポーツ」

◆両モデルともに3.5リットルV6ガソリン自然吸気エンジン搭載

『パイロット・トレイルスポーツ』には、オフロード用にチューニングされたサスペンションを専用装備した。最低地上高は約25mm引き上げられており、アプローチ、ディパーチャー、ランプブレークオーバーの各アングルの性能を向上させた。スタビライザーバーをはじめ、スプリングレートとダンパーバルブのチューニングも専用とした。スチール製のスキッドプレートは、ホンダパワースポーツのエンジニアと共同開発された。これにより、オフロード走行時、オイルパンやトランスミッション、燃料タンクを保護する。

AWDシステムも強化された。トレイルモードでは、「トレイルトルクロジック」オフロードシステムが、「i-VTM4」トルクベクタリング全輪駆動システムのエンジントルクを、最適に配分する。同時に、フロントのブレーキにブレーキベクタリングを行い、ホイールスピンを低減させる。

トレイルトルクロジックは、リアアクスルに送られるパワーも制御する。たとえば、厳しいオフロードを登る場合、タイヤが一時的に地面との接触を失う可能性がある。この時、パワーは、最も牽引力のあるタイヤに伝達される。トラクションのマネジメントを強化し、オフロードをスムーズに進むために、全体の25%のトルクが牽引力のないホイールに送られ、タイヤが地面に接触するとすぐに、駆動力が伝達されるようにしたという。

なお、両モデルともに、パワートレインは3.5リットルV型6気筒ガソリン自然吸気エンジンだ。パイロットの場合、最大出力は285hp/6100rpm、最大トルクは36.2kgm/5000rpmを発生する。トランスミッションは、10速ATを組み合わせた。パスポートの場合、最大出力は280hp/6000rpm、最大トルクは36.2kgm/4700rpmを引き出す。トランスミッションは9速AT、としている。

《森脇稔》

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