欧州のターニングポイントは2026年…IAAモビリティ2023における欧州・中国勢の動向

中国EVの動き

迎え撃つ欧州勢

この2年が欧州市場の趨勢を決める?

IAAモビリティ2023
IAAモビリティ2023全 18 枚

2016年にCASEという言葉が生まれ、100年に一度の変革期を迎える自動車業界。2030年をひとつのマイルストーンとして各社の戦略や計画が発表される中、筆者は、2026年が欧州におけるひとつの節目としてさまざまな変化が目に見える形で現れると予想する。理由はEURO 7施行にともなう新型車が発表され始めること。そしてなにより中国勢の動きだ。

◆中国EVの動き

この動きを顕著に感じられたのがIAAモビリティ2023(ミュンヘンモーターショー)だ。各国モーターショーのドメスティック化が進むものの、IAAモビリティは2回連続で中国勢の出展が目立つ。前回2021年は、BYDとGWM(長城汽車)が大きなブースを構えていた。マイクロモビリティでは中国製の車両がほとんどでEU圏で製造された車両はシティトランスフォーマー(City Transformer)など一部ベンチャー企業のものだった。中国サプライヤーも電装品を中心に存在感を示していた。

2023年は、中国サプライヤーに加えOEMの出展、規模拡大が際立った。BYDは今回も海外勢で最大の展示規模を誇り、『SEAL(シール』『SEAL U』(中国現地ではSONG PLUS)を欧州投入を発表し、『ATTO3(アット3)』『DOLPHIN(ドルフィン)』『DENZA D9』を持ち込んだ。SEALは年内にも販売が開始され、EUでの車両価格は4万4800ユーロ(RWD)からと発表された。SEAL Uも24年中には発売される予定だ。ATTO3以下は明言はなかったものの、欧州市場を意識した展示で市販開始は時間の問題だろう。

BYD SEAL

新興メーカーではLEAP MOTOR(リープモーター)がBMWのブースに匹敵する広さで出展していた。展示車両は小型EV『T03』、セダン『C11』他。SUVの『C10』という車両は中国本土でも未発表の新型で、ミュンヘンでワールドプレミアを行った。発売も欧州からスタートとなる。価格はT03が1万2000ユーロ前後。C11は3万ユーロから、ワールドプレミアのC10は3万8000ユーロ前後と予想されている。

そのとなりには、東風汽車が主力PHEVの『FORTHING』『U-TOUR』『FRIDAY』などのEVモデルを展示していた。すべて欧州で市販計画があるという。EU向けに「Voyah」というEVプレミアムブランドも発表している。

東風汽車 FRiDAY

IAAモビリティはミュンヘンメッセとミュンヘン市内のオープンスペースという2箇所で開催される。Xpeng(小鵬汽車)は『P7』と『G9』をオープンスペース会場で展示していた。P7はランボルギーニのようなシザーズドアが特徴の車だ。ブースそのものは中規模だが、来場者の注目度は高く常に人だかりができていた。P7はIAAモビリティ2023開催に合わせて販売を開始。価格は5万0000ユーロ前半。G9も24年販売開始を目指しており、こちらは6万ユーロを切るくらいと予想されている。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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