カスタマイズ可能なブリヂストンのタイヤ「ENLITEN」の魅力とは?…ジャパンモビリティショー2023

ブリヂストン…ジャパンモビリティショー2023
ブリヂストン…ジャパンモビリティショー2023全 8 枚

ジャパンモビリティショー2023に出展したブリヂストンは、市販タイヤへのカスタマイズを可能とした『ENLITEN(エンライトン)』とタイヤのイノベーションをアピールする2つのコーナーを展開した。

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ブリヂストン…ジャパンモビリティショー2023ブリヂストン…ジャパンモビリティショー2023

ブリヂストンブース左手に大きく展開されたのはENLITENを説明するコーナーだ。エンライトンとは多様化しているタイヤに求められる性能を、メーカーごと、車種ごと、地域ごとなど、細分化してカスタマイズして応えていくという技術パッケージだ。わかりやすい例としてはEV車の場合には転がり抵抗や摩耗などの性能を引き上げるなど、クルマに合わせたカスタマイズをタイヤに施すことができるのが特徴の技術パッケージ。しかも、従来の設計であれば何かの性能を高めるために相反する性能を犠牲にすることもあったが、エンライトンを用いることで性能のレーダーチャートをいったん拡大し、その上で必要な性能を高めるという工程を踏むため、すべての性能面はカスタマイズ前の性能を維持しつつ、必要な性能部分のみを高めることができるようにした技術だ。またシンプルでスタンダードなタイヤをモジュール共用した上でニーズに合わせたカスタマイズを行うので、タイヤ設計・製造をする上での効率化/コストダウンが図れるのも大きな魅力となる。

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そんなエンライトン技術を利用した具体的なカスタマイズの例がブースに展示されたので紹介してみよう。ひとつは欧州向けの市販乗用車タイヤである「TURANZA6」。グローバルとして初のエンライトン技術を搭載したタイヤだ。欧州のニーズである摩耗性能(EVの加速性能を見据えたもの)、ウエット性能を高める方向にカスタマイズされていることを示すレーダーチャートが掲示され、その傾向がわかる展示となった。さらに北米向けのTURANZA EVはEV専用の市販タイヤとしてはじめてエンライトン技術を搭載したモデルとなった。こちらでのカスタマイズはかなり極端なものとなった。EVに欠かせない転がり抵抗、さらには摩耗の性能を大幅に高めているのが特徴。さらに再生可能素材の利用比率も高めることで総合的なエコ性能を高めているのだ。これらも地域や車両のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるエンライトン技術をフルに活用したタイヤ設計となった。

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一方のタイヤのイノベーションを紹介するコーナーで注目となったのは給電タイヤだ。インホイールモーターを備えた車両のタイヤ内にコイルを設置し、道路側に設置したコイルからワイヤレスで給電するシステムであり、EVの充電をタイヤを介して行うというもの。充電環境が取りざたされることが多いEVを、充電を意識すること無く走行できるレベルまで高めるためのひとつの方策として開発中であり、すでに産学官が連携して開発を急いでいる次世代のEVインフラとして注目の技術になっている。ブースには給電タイヤのカットモデルも展示され、ワイヤレス給電の障害となるスチールベルトを用いない(有機繊維を利用する)タイヤ設計やコイルの設置構造など、給電タイヤに必要な要素技術が数多く紹介された。同社ではすでに開発中のこの技術を以前から紹介していたが、今回の展示ではより現実味を帯びた仕様へとブラッシュアップされていたのが特徴。給電効率を上げるためにタイヤ内のコイルをより路面に近づける設計などが紹介されていた。

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さらにブリヂストンの持つタイヤ開発の技術力をアピールしたのが月面探査車用タイヤだ。大気が無く昼間は高温、夜は低温(マイナス200度以下になることも)となる月面の過酷な環境下ではゴムのタイヤは難しい。そこで同社が開発したのが金属製のタイヤだ。金属の曲げ強度を使って空気バネの代用を行うなど、これまでのタイヤ設計とはまったく異なる設計が施されているのが特徴。宇宙飛行士にも乗り心地を高める技術が込められているのも興味深い展示となった。

タイヤにまつわる現在進行形から未来のタイヤまで、ユーザーがリアルに感じられるタイヤの世界を幅広く紹介したブリヂストンブース。クルマ好きならずとも興味深い展示となった。

《土田康弘》

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