廃車上等! ガチなテストを実施して、クルマの安全性を評価しようとする取り組みがある!?【カーライフ 社会・経済学】

「ナスバ(独立行政法人 自動車事故対策機構)」がYouTubeにて公開している、「自動車アセスメント」にて実施されたトヨタ・クラウン クロスオーバーのテスト動画の1シーン。
「ナスバ(独立行政法人 自動車事故対策機構)」がYouTubeにて公開している、「自動車アセスメント」にて実施されたトヨタ・クラウン クロスオーバーのテスト動画の1シーン。全 1 枚

クルマ生活に関連するさまざまなトピックスを横断的に紹介している当コーナー。今回は、クルマの安全性能をシビアなテストにて評価しようとする取り組みについてリポートしていく。この結果を知ることで、本当に安全なクルマが分かるというのだが……。

早速本題に入ろう。クルマの安全性能をテストする取り組みとは、「自動車アセスメント」だ。これは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA<ナスバ>)によって執り行われている。

もう少し踏み込んで説明していこう。まず「アセスメント」というワードには「数値的・客観的な評価」という意味があり、かくして「自動車アセスメント」とは、「クルマの安全性能の数値的・客観的な評価」、という意味となる。

なお、「自動車アセスメント」にて高い安全性能を有しているとジャッジされたクルマには、「自動車安全性能 ファイブスター賞」が贈られている。ちなみに10月31日付けで、2023年度の「自動車アセスメント」による評価結果の第2弾が公表された。それにて、トヨタ・クラウン クロスオーバー/スポーツ」が『ファイブスター賞』を獲得したと発表されている。

では、「自動車アセスメント」にてどのようなテストが行われているのかを説明していこう。

テストは大きく3種類ある。「衝突安全性能」、「予防安全性能」、「事故時の自動緊急通報」の3つで、それぞれは要は「事故時に人を守る技術」、「事故を防ぐための新しい技術」、「重大な事故が発生した場合に備える技術」、これらがテストされることとなる。

それぞれのテスト内容は次のとおりだ。まず「衝突安全性能」の試験では、「フルラップ前面衝突(正面衝突)」「オフセット前面衝突(対向車との部分衝突)」「側面衝突」「衝突後の感電保護性能」「後面衝突時の頚部保護性能」「シートベルト着用警報装置」、これらが乗員を守るための技術として試される。そしてさらには歩行者を守る技術を調べるべく、「頭部の保護性能」「脚部の保護性能」が試される。

そして「予防安全性能」では、「被害軽減ブレーキ」「車線逸脱抑制」「後方視界情報(後退時のバックビューモニターの見え方)」「高機能前照灯」「ペダル踏み間違い時加速抑制」、これらがどの程度有効なのかが調べられる。

ところで「自動車アセスメント」では、テスト車両は「NASVA」が身分を明かしてディーラーにて買っている。車両が壊滅的に壊れるテストもあるわけなので、車両は複数台購入される。つまりテストには、コストが多く注がれている。まさしく“ガチ”で調べられているというわけだ。

その模様は動画にて公開されているので、興味があればYouTubeで「自動車安全性能2023試験映像」と検索してみよう。最新の動画が観られるはずだ。

さて次回には、「自動車アセスメント」とは何かをさらに深掘りしながら、このデータの活用の仕方までを解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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