マイクロソフト、パナソニック、VW、トヨタ、GM他が支援するオープンソースファウンデーション…オートモーティブソフトウェアエキスポ

Eclipse Foundationのブース(オートモーティブソフトウェアエキスポ)。SDV作業部会には日本OEMも参加している
Eclipse Foundationのブース(オートモーティブソフトウェアエキスポ)。SDV作業部会には日本OEMも参加している全 6 枚

組み込みシステムの総合技術展示会「Edge Tech+ 2023」が11月15日から17日、横浜パシフィコで開催された。今回は、企画展としてSDV(Software Defined Vehicle)に向け自動車開発とソフトウェア技術に特化した「オートモーティブソフトウェアエキスポ」を初開催。そこに、2つのオープンソース系ファウンデーションが出展していた。ひとつは「Eclipse Foundation(エクリプス ファウンデーション)」。もうひとつは「Linux Foundation(リナックス ファウンデーション)」だ。

◆IDE(統合開発環境)を導入するメリットとは

Eclipse Foundationについては、自動車業界では若干の説明が必要かもしれない。自動車業界でもソフトウェア開発部門ならば、そのソフトウェアを知っているどころかそれがないと仕事にならないという人もいるだろう。「Eclipse」とはIBMに端を発するソフトウェア開発環境の統合プロジェクトで生まれたIDE(統合開発環境)と呼ばれるソフトウェアの名称だ。

IDEは、ソースコードを記述する高機能エディタ、コンパイラ、DBやWeb開発に利用するミドルウェア、デバッガ、ライブラリおよびコードのバージョン管理システムなどソフトウェア群を統合的に利用する環境を提供してくれるソフトウェアだ。Eclipseは、Javaの開発ではほぼスタンダードといってよい開発環境だが、C/C++など組み込み系でメジャーなプログラム言語にも対応し、各種処理系やパッケージがサポートされている。

Eclipse開発環境の画面

Eclipse Foundationにはさまざまな作業部会があり、SDVのワーキンググループも立ち上がっている。メンバーにはマイクロソフトやトヨタ、GM、VWなどIT業界のみならず自動車業界も多数参加。オートモーティブソフトウェアエキスポにブースを出したのも、その活動をさらにアピールするためだ。ECUのプログラムやFPGAの開発にはC言語を使うことが多いが、リアルタイム性が重視され特別なコーディング要件も課されるため、独自の開発環境やミドルウェアを使うことが多い。ECUのプロセッサを提供する半導体メーカーが専用の開発環境を用意することも少なくない。

だが、ソフトウェアの要件が拡大、増大するにつれ大規模な統合開発環境のニーズは広がってきている。CASEやSDVといった動きは、車載コンポーネントの制御だけでなく、通信やデータベースアクセス、クラウドアクセス、アプリ連携、マルチメディア対応など、いわゆる組み込み系ソフトウェアの領域に収まらなくなっている。ITやWeb、AI系のエンジニアも積極的に採用する必要があるため、自動車業界でも、ITエンジニアに馴染みのあるEclipseのようなIDEを導入するメリットがある。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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