EV普及がアフターサービス業界にもたらす影響と課題

米国のアフターサービス業界の年間収益の予測
米国のアフターサービス業界の年間収益の予測全 2 枚

グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズが、「電気自動車(EV)普及とアフターサービス市場の課題に関するレポート」を発表した。

現在、自動車のアフターマーケット業界は、人手不足や部品調達の遅れ、修理台数の減少など、様々な課題を抱えている。これらの課題が短期的にはEVの普及を遅らせ、長期的には深刻化させるとされている。部品数が少ないEVは、アフターマーケット・サプライヤーへの依存度が低く、今後数年間でアフターマーケット市場は数十億ドルの損益に見舞われると予想されている。

アリックスパートナーズの分析によれば、2030年までには、米国の自動車保有台数(全登録台数)の約1%から約11%までがEVになると予測されている。また、同年までには、市場に出回っている自動車台数のうち、およそ19%がEVになると見込まれている。

EVはエンジンや従来のトランスミッションがないため、オイル交換やトランスミッションの洗浄といった定期的なメンテナンス・サービスの需要が減少する。その結果、1台当たりのサービス収入が40%減少し、2030年までにアフターサービス業界の年間収益は8%減少し、総額で40億~60億ドル減少すると見込まれている。

また、現在、米国におけるEV修理の粗利益率は同等のICE修理の粗利益率よりも約4%ポイント低くなったという。これは、EVが利益率の高いアフターマーケットで取り扱う部品ではなく、利益率の低い純正交換部品を必要とする割合が高いことに起因している。


《レスポンス編集部》

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