純水を使える個室洗車場&コーティング専門店「隠れ家洗車」…SNS発信に注力

洗車好き注目、純水を使える個室洗車場&コーティング専門店「隠れ家洗車」…クルマ磨きに役立つSNS発信に注力
洗車好き注目、純水を使える個室洗車場&コーティング専門店「隠れ家洗車」…クルマ磨きに役立つSNS発信に注力全 7 枚

のどかな風景が広がる茨城県常総市豊岡町に、洗車好きから注目を集めInstagramのフォロワー3800人以上を獲得している、完全個室の純水洗車場&コーティング専門店『隠れ家洗車』がある。

どういった経緯で事業をスタートし、洗車好きから注目を集めるようになったのか。設立背景やこだわり、サービス内容、集客施策などについて、同店を展開する株式会社AG-tripの渡辺龍生代表取締役に話を聞いた。

20歳から「塗装ミスト除去」で技術を磨く

代表の渡辺氏は、クルマが好きで20歳のときに千葉県のカーディテイリング専門店に入社。ペンキや鉄粉、コンクリートなどが飛散した車両の汚れ除去や修復を行う塗装ミスト除去を中心とした、特殊洗車事業に携わる。

現場経験を重ね、ボディ塗装面の汚れ除去や磨きの技術を身に着けた渡辺氏は、4年間務めたカーディテイリング専門店の特殊洗車事業を引き継ぐかたちで、2016年9月に一人親方として独立。全国各地に出張して塗装ミスト除去や、中古車商品化のボディコーティング、ルームクリーニングなどのカーディテイリング施工を請け負う中で、茨城県つくば市の自動車販売店の施工を行う頻度が増え、2017年10月につくば市で施工場を設けた。

洗車・メンテナンス環境の問題点

渡辺氏は自身が仕上げたボディコーティング施工車を納車する際にカーオーナーと会話する機会も多くあり、カーオーナーがボディコーティング施工車の洗車やボディケアに困っていることを知る。

マンション暮らしだから洗車やボディケアのメンテナンスをする場所がなくて困っているという声や、高い費用をかけてボディコーティングして最初は水を弾いたけど、水ジミや水アカが落ちずに1年ももたなかったという声を聞いた渡辺氏は、カーオーナーたちの洗車・ボディケアのメンテナンス環境の問題点を具体的に考えた。

「ボディコーティング施工後、青空駐車で洗車していない状態が続くと、コーティング層の上に汚れが蓄積されて、撥水効果は弱まり光沢がなくなっていきます。

ディーラー純正ボディコーティングの付属メンテナンスキットや市販のカーシャンプーなどが手元にあっても正しい使い方がわからなかったり、水ジミや水アカが除去されていない状態で、ミネラルや塩素などの不純物が含まれる水道水を使って、炎天下の屋外で拭き上げをしているからボディコーティングの撥水効果がすぐに落ちてしまう。

そういった問題の解決策として、屋内の洗車場で、なおかつボディコーティング施工車のメンテナンスも行える場所があれば、クルマの美観を維持したいカーオーナーさんの困りごとを解決できるのではないかと考えました」と渡辺氏は話す。

手ぶらでOK 純水&電源使い放題

渡辺氏は、個室セルフ洗車場(時間制で1台のみ利用可)やボディコーティング施工場を確保するにあたり、常総市が推進する空き家対策の制度「空家等バンク」を利用。空き家になっていた農家の納屋2棟を改装し、2021年5月に『隠れ家洗車』をオープンする。

同店では、雨風や直射日光などを気にせず、不純物を取り除いた純水と電源が使い放題。利用は、Web予約制で1時間 税込2,200円で延長利用は30分税込550円。1日貸切(600分)だと税込12,100円。アルカリシャンプーや弱酸性シャンプーのほか、洗車スポンジ、ホイールブラシ、電動ブロワ、綺麗な洗車タオルを無料で使えるので、手ぶらで利用できるのもポイント。洗車中に困りごとが発生したときは、常駐している施工スタッフに相談できるので安心感がある。

「電動ポリッシャー」を使える環境

個室セルフ洗車場だけでなく、ボディコーティング施工車のボディケア・メンテナンスを行える点も大きな特徴。有料設備としてテストボンネットと電動ポリッシャーが用意されている。

「ボディコーティング施工車の美観を保つのに最も重要なのは、研磨作業を行って汚れや小キズを取り除いてきれいな状態に整える “ 下地処理 ” です。当店では有料設備としてテストボンネットや電動ポリッシャーを揃え、カーオーナーさんご自身でボディを磨けたり、使ったことがないケミカルを試せるようにしました。もちろん、ご愛用の電動ポリッシャーの持ち込みもOKです。

ですが、クルマ磨きは高度な技術が必要で失敗するリスクもあるため、下地処理からコーティング施工までプロに任せたい方向けに各種施工メニューを用意し、月額定額プランもあります」と渡辺氏は話す。施工スタッフが下地処理やボディコーティング施工を行う作業場には、数多くのポリッシャーや各種バフ、コンパウンド、コーティング剤などが揃えられていた。

スバリストYouTuberの目にとまり、動画出演で注目

渡辺氏は、集客のためにSNS発信に注力。施工事例や純水洗車の魅力、クルマ磨きのコツなどをわかりやすく紹介する動画を作成し、YouTubeやInstagram、X(旧:Twitter)で積極的に情報発信を続けている。

それが功を奏し、SUBARUインプレッサ乗りのYouTuberももみうちさんの目にとまり、取材を受けることに。その動画がチャンネル登録者数3万人を超えるももみうちさんのYouTubeチャンネルに公開されたことで、スバリストを中心とした洗車好きの注目を集め、『隠れ家洗車』公式Instagramのフォロワーが3800人以上を獲得するに至ったという。

利用ユーザー層は40~60代男性が9割で、スポーツカーが多い傾向とのこと。2023年7月に『隠れ家洗車 坂東店』を新たにオープンし、同店では有料施工作業場として展開中。個室セルフ洗車場と有料施工の2拠点(本店・坂東店)合計で月平均200~240台ほど対応しており、施工スタッフを増員して今後も稼働率を高めていきたい考えがある。

下地処理の大切さやクルマ磨きの作業工程を知らないカーオーナーが多いため、今後もクルマ磨きをわかりやすく伝える動画を作成して積極的にSNSで発信することで「ボディコーティング施工作業を透明化し、クルマ磨きの裏側や奥深さを伝えたい」と渡辺氏は話していた。

カーオーナーの視点に立って、ボディコーティング施工車の洗車やボディケア・メンテナンスに最適な個室洗車場や電動ポリッシャーを使える場所を作っただけでなく、空き家活用や施工事例の映像表現を工夫してカーオーナーの関心を引くクルマ磨きのHow To動画をSNS発信して集客している点は現代ならでは。『隠れ家洗車』の取り組みは興味深く、プロが常駐してサポートしてくれる個室洗車場や、ボディコーティング施工車のボディケア・メンテナンスに焦点をあてたカーディテイリング・ビジネスの可能性を感じられる取材となった。

洗車好き注目、純水を使える個室洗車場&コーティング専門店「隠れ家洗車」…クルマ磨きに役立つSNS発信に注力

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る