凍えるエンジンにご用心! 冬のオーバークール対策とは~カスタムHOW TO~

凍えるエンジンにご用心! 冬のオーバークール対策とは~カスタムHOW TO~
凍えるエンジンにご用心! 冬のオーバークール対策とは~カスタムHOW TO~全 3 枚

熱対策でクルマを大事にいたわろうとするあまり冬場にオーバークールを招いてしまうこともある。冷やし過ぎは実は悪影響が起こりやすい。クルマはいつも適温であることが壊さないための秘訣だ。

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◆冬場だからこその温度管理に注目

クルマをいたわろうと熱対策を行うことがある。たとえばオイルクーラーの装着でエンジンオイルの油温を下げたり、ローテンプサーモスタットでエンジン冷却水の温度上昇を遅らせようとすることもある。そういった対策は有効だが、気をつけたいのは真冬。これからの寒いシーズン中でのオーバークールだ。温度が高いのは悪だが、低い分には悪影響はないだろうと思いたいが、実は低すぎる温度もエンジンに悪影響を与えてしまう。

まずはエンジンオイルについて。適正な温度はここ10年のクルマなら概ね100~120度の間。2000年以前のクルマなら80~100度くらいが目安となる。

エンジンオイルは温度が高いと劣化が早くなる傾向にある。しかし、温度が低いとオイルが本来の性能を発揮できない。そもそもエンジンオイルは温度が低いほど高性能なわけではない。100度くらいをターゲットにして開発されている。0W30のような粘度を示す値も0は40度のとき、30は100度のときの硬さを示す数値。

100度を超えても問題ないし、それくらいが適温となる。オイルは低温時に性能を発揮する成分、高温時に性能を発揮する成分など、それぞれ考えられて配合されているので温度が低いほうが良いわけではない。

また、100度を下回ったままだと乳化してしまいやすい。エンジン内部の結露などによって生まれた水分がオイルに混ざることがある。頻繁に100度を超えていればその度に水分は一旦蒸発するが、常に油温が低い状態だと水分が蒸発しにくい。そのまま撹拌されてオイルと水が乳化してオイルが白濁してしまうことがあるのだ。こうなると本来の潤滑性能が発揮できないのでエンジン内部にダメージを与えてしまうこともある。コーヒー牛乳のように乳化してしまったら即オイル交換が必要になる。

連続走行時間が短く、短距離短時間の走行を繰り返しているとオイルの温度が上がらず、が乳化してしまいやすい。なので自動車メーカーの指定するシビアコンディションという、エンジンに負荷が掛かりやすいのでオイル交換サイクルが短く指定されている条件に、短距離短時間走行を繰り返すことが含まれていることが多いのだ。

◆注目するのはオイルだけじゃなく冷却水も重要

これと同様にオイルクーラーの装着によって冬場に油温が100度に満たない走行を繰り返しているとオイルが乳化してしまうことがある。そうなるとシビアコンディションと同じくオイルの頻繁な交換が必要だし、オイルが乳化していないか都度確認が必要になる。

対策としてはオイルクーラー装着時にサーモスタット付きのオイルブロックにすることがある。サーモスタットがあるので油温が低くなりすぎないようにコントロールしてくれるのだ。

エンジン冷却水の温度も低過ぎはよくない。冷却水の通路にはサーモスタットがついていて、ある程度の温度になるまではクーラントがラジエーターに回らずに循環して温度を上げる仕組みになっている。

純正サーモスタットでは開くのが90度くらい。全開が100度近いクルマが最近は多い。その水温が高すぎるとローテンプサーモスタットで60度台から循環させるチューニングがある。

これは水温があっという間に上がってしまう夏場のサーキット走行では有効だが、冬場に街乗りをしていると水温はほぼサーモスタットの開く温度になってしまう。つまり60度台で安定してしまったりするのだ。そうなると冷却水の温度が低すぎることをエンジン制御コンピュータが感知して低水温補正を始める。水温を上げようと燃料を多めに噴射するので燃費は悪くなるし、濃すぎる燃料が燃焼室に悪影響を与えることもあるのだ。

良かれと思った熱対策だが、冬場にはそれらがダメージを与えてしまうこともある。冷え過ぎは悪影響があるので、そのあたりも考慮してパーツチョイスをしてもらいたい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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