ソニー・ホンダ、デザイン踏襲も車体は一新!「AFEELA プロトタイプ」世界初公開…CES 2024

1月8日(現地時間)、CES 2024で発表となったソニー・ホンダモビリティ「AFEELA プロトタイプ」の最新版
1月8日(現地時間)、CES 2024で発表となったソニー・ホンダモビリティ「AFEELA プロトタイプ」の最新版全 13 枚

ソニーは1月8日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開幕した「CES 2024」のプレスカンファレンスにおいて、2025年に先行受注を開始予定となっているソニー・ホンダモビリティの新型EVブランド「AFEELA」(アフィーラ)の最新プロトタイプを世界初公開した。

◆「リアルとバーチャルの世界を融合」

このアフィーラの紹介は昨年と同様、ソニーのプレスカンファレンス内で披露された。登壇した同社の代表取締役社長兼COO 川西泉氏は、プレイステーションのコントローラーを使って、あくまで“技術デモ”としながらも、プロトタイプを無人でステージ中央まで移動させるところから説明をスタートした。

「AFEELA プロトタイプ」の最新版(CES 2024)「AFEELA プロトタイプ」の最新版(CES 2024)

その中で川西氏は、プロトタイプがソフトウェアによって進化する新世代のクルマのプラットフォームに「Software Defined Vehicle(SDV)」を採用していることを紹介。これにより、「人とモビリティの関係を再定義し、モビリティをインタラクティブに感じる存在とすることで人の移動に革新をもたらしていく」と紹介した。

そのポイントとなるのが「リアルとバーチャルの世界を融合すること」で、その実現のためにプロトタイプでは「ADASにおけるAIの活用」や「創造的なエンターテインメント空間としてのモビリティ」について言及。数多くのイメージセンサーやLiDAR、レーダーなどのセンシングデバイスを搭載し、これらを活用することで自動運転やADASの実現を目指していくとした。また、プロトタイプを「創造的なエンターテインメント空間としてのモビリティ」としていることを紹介し、ADASシミュレータにAR技術を組み合わせることで、ユーザーは車内にいながら没入感のある体験を楽しむことができるという。これらは自分の好みのスタイルを作り、表現できる場所をデジタル上で用意していくことになるとした。

ADASシミュレータにAR技術を組み合わせて、ユーザーは没入感のある体験が楽しめるADASシミュレータにAR技術を組み合わせて、ユーザーは没入感のある体験が楽しめる

◆MSと共に新たな対話型パーソナルエージェントを開発

もう一つの大きな取り組みが、新たな対話型パーソナルエージェントの開発だ。そのパートナーとしたのがマイクロソフト。その実現によってもたらされる可能性について同社のコーポレートバイスプレジデントで、データやAI、デジタルアプリケーション、製品マーケティングを担当するジェシカ・ホーク氏がその概要を紹介した。

それによると、これまでクルマと対話するには音声コマンドを活用していたが、今後は将来が有望視されている生成AIの導入とクラウドスケールの演算によってモビリティにおける革新の可能性は無限となる。これによりパーソナル化をさらに加速させることで、車内体験に革新をもたらすことにつながるという。

その核となるのが、サーバーやネットワークなどのITインフラをクラウド上で提供する「Microsoft Azure」である。これにより、ソニー・ホンダのような組織は、リスクを管理しながら自信を持ってAIを拡大し、透明性を高めることが可能になるのだ。これは、「AIの展望が急速に変化し、モビリティ産業に新しい技術やイノベーションが登場するにつれ、安全で責任のあるAIが引き続き最優先事項となっていく」(ジェシカ氏)とした。この結果、Microsoft Azureは人と会話していくことで知性を得て進化していき、それはアフィーラそのものの進化にもつながることを明かした。

サーバーやネットワークなどのITインフラをクラウド上で提供する「Microsoft Azure」を活用することを発表。右はMicrosoftのバイスプレジデントを勤めるジェシカ・ホーク氏サーバーやネットワークなどのITインフラをクラウド上で提供する「Microsoft Azure」を活用することを発表。右はMicrosoftのバイスプレジデントを勤めるジェシカ・ホーク氏

説明の最後に川西氏はソニー・ホンダが「ポリフォニー・デジタル」との協業を開始したことを紹介。同社が持つ優れたシミュレーション技術と、実車開発を進めるソニー・ホンダとの関係の中で人の感性・官能領域におけるバーチャルとリアルを融合させた新しい開発手法を探索していくとした。

今回の発表では、昨年発表したプロトタイプを最新版へとアップデートしたものとなっており、基本デザインは踏襲しながらも、車体はアップデートに伴って一新しているという。ADASに使うLiDARも最新型に変更されたようだ。このアフィーラの第一号モデルは2025年に先行受注開始し、2026年春に北米で、同年年後半には日本でデリバリー開始を予定している。

「AFEELA プロトタイプ」の発表には多くの記者が詰めかけた(CES 2024)「AFEELA プロトタイプ」の発表には多くの記者が詰めかけた(CES 2024)

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る