大学自動車部員、日産の最新モデルを試乗! 旧車しか知らない学生が感じた「日産の技術」とは

NISSAN Intelligent Winter Drive
NISSAN Intelligent Winter Drive全 28 枚

長野県立科町の女神湖にて、日産自動車によるメディア向け試乗会『NISSAN Intelligent Winter Drive』が開催された。毎年冬に行われるこのイベントは、日産を代表する最新モデルが女神湖氷上でアグレッシブに走り回る様子が見どころだ。

そんな試乗会だが、今年の女神湖は暖冬の影響で湖が思うように凍らず、氷上に特設コースが設営できない状況。開催は絶望的と思われた中、女神湖周辺の公道を使用した試乗会が行われることとなった。参加したのは取材の経験も、運転歴も浅く、試乗会への参加は初めてのアルバイト大学生2人。氷上走行であれば記事を書ける見込みがある程度立っていた。しかし、公道でのいわゆる一般的な試乗となれば話は別だ。激しくクルマを揺さぶり、性能の限界を探るわけにはいかない。果たしてそんな彼らは、日産の最新モデルに何を感じたのか。

◆エクストレイルは、快適かつスポーティな運転環境を実現

X-TRAIL e-4ORCE(AUTECH e-4ORCE アドバンスドパッケージ)X-TRAIL e-4ORCE(AUTECH e-4ORCE アドバンスドパッケージ)

上信越自動車道を降り、相棒の初代ロードスターを走らせることおよそ1時間。試乗会が行われる女神湖に到着した。道中、積雪や凍結があるのではないかと思ったが、雲ひとつない快晴だったため心配事は杞憂に終わった。会場である女神湖センターには既に日産の最新モデルがずらっと並んでおり、私は目の前に並ぶクルマに試乗することに緊張した。

まず初めに行われたのは試乗会に用意されたクルマに関する説明会。その説明を聞いて感じたことは「氷上で走りたかった!」ということ。それはなぜかと言うと、電動4WDの雪道での制御に関する説明を聞く中でその性能に驚き、自らの手で試してみたいと感じたからだ。残念ながら今回は氷上での走行をすることは叶わなかったが、ぜひ機会があれば試したい。

説明を聞き終わるとすぐに試乗会が始まった。まず初めに試乗したのは日産の本格SUV『エクストレイル』だ。乗り込んでまず驚かされたのは何も音がしないこと。クルマの電源が入っていることに気づかず、エンジンスタート(電源)のボタンを押そうとしてしまった。緊張はまだ抜けていないようだ。アクセルをそっと踏んでみると、クルマは滑らかに発進。次にハンドルを回してみると、1モデル前のエクストレイルに比べ、軽快さを感じた。試乗コースは起伏の続く峠道であったため、エクストレイルに搭載されるパワートレイン『e-POWER』や量産型世界初のエンジン『VCターボ』の力強さを存分に体感することができた。エクストレイルはそれぞれの特徴的な機能が上手く組み合わさり、非常に快適かつスポーティな運転環境を実現していた。

◆家族みんなが安心安全かつ快適に乗っていられる

セレナ e-POWER ハイウェイスターVセレナ e-POWER ハイウェイスターV

無事に一台目の試乗を終えて会場に戻ると、既に次の試乗車『セレナ』が用意されていた。セレナは、2022年11月にフルモデルチェンジが行われ、より近未来的なデザインとなった日産のミニバン。乗り込んでまず感じたのは、フロントガラスが大きいことによる前方視界の広さだ。走り出すと左右視界の広さにも驚かされた。右左折時に邪魔になるAピラー部分が2分割されており、確実な安全確認ができた。また、サイドウィンドウやリヤウィンドウも大きく、後方視界も素晴らしかった。後方確認の際にはロードスターで幌を開けたときのような開放感を覚えた。

セレナもエクストレイルと同様にe-POWERが搭載されているため、注目は登り坂での性能。4輪駆動ではないため大きな期待はしていなかったが、走ってみるとしっかりとトルク感がある。起伏の続く試乗コースのほとんどをパワーメーターの25%以内で、制限速度を保って走ることができた。気になるところがあるとすれば、紆曲の多い道でのロール量がエクストレイルと比べて大きいことだが、アクティブな走りを想定していないセレナでは当然のことだろう。家族みんなが安心安全かつ快適に乗っていられるというファミリーカーとしての役割を、セレナは十分に果たしていると感じた。

◆車重を感じさせない追従性とトルクフルな走り

アリア B9 e-4ORCE リミテッド(91kWh)アリア B9 e-4ORCE リミテッド(91kWh)

セレナを実家に導入したい、などと考えながら再び会場まで戻ってくると、今回の本命とも言うべきクルマが待っていた。前後モーターとブレーキの統合制御システム『e-4ORCE』や、アクセルのみで加減速をコントロールできる『e-Pedal』などを搭載する日産のクロスオーバーEV『アリア』だ。乗り込んでまず初めに感じるのが室内空間の上質さとスタイリッシュさ。さらに、運転席と助手席の間にはフロアトンネルがなく、センターコンソールは前後移動が可能で、開放的な空間を演出していた。

走り出すとその静粛性とトルクフルな走りに驚かされた。普段、私の乗るクルマだと、登り坂では荒々しいエンジン音の中、後ろのクルマを気にして走る必要がある。だが、アリアはモーター駆動のために低回転トルクが優れており、走行音も静かなため、精神的な余裕を保ったまま峠道を走ることができた。先ほどのセレナでは25%まで使っていたパワーメーターも、アリアでは15%以内で十分に走破できる。これなら旅行の楽しい雰囲気のなか、運転手だけが会話から取り残される、と言う状況も起こり得ないだろう。峠の下り坂ではe-PEDALが大活躍。しっかりと減速する事はもちろん、減速時の荷重移動を感じさせない丁寧な制御のおかげで不快感を覚える事はなかった。

アリア B9 e-4ORCE リミテッド(91kWh)アリア B9 e-4ORCE リミテッド(91kWh)

さらに私たちを驚かせたのは、ハンドリング性能だ。車重が2トンを超えていることを全く感じさせないスポーツカーのような追従性で、クルマ本来の走りを楽しむことができた。モータースポーツが好きな私は、このクルマをダート競技に使ったら楽しいかもしれない、と考えてしまった。アリアは快適であるだけでなく、楽しいドライビングを提供してくれるクルマだった。

◆改めて感じたことは、日産最新モデルの走行性能の高さ

GT-R プレミアムエディション T-spec(2024モデル)GT-R プレミアムエディション T-spec(2024モデル)

あっという間に時間は過ぎ、気づくと試乗会は終盤に近づいていた。個人的な趣味によりGT-RやフェアレディZ(MT)にも試乗。こうしたスポーツカーに乗って改めて感じたことは、アリアやエクストレイルの走行性能の高さだ。サーキットに持ち込むのであれば話は別だが、峠道を安全に走ることにおいてはアリアやエクストレイルも、GT-RやフェアレディZに負けないくらい楽しい走りを見せてくれた。もちろん、憧れのクルマに乗れたことへの喜びは隠すことができなかったが、、、

GT-R プレミアムエディション T-spec(2024モデル)GT-R プレミアムエディション T-spec(2024モデル)

試乗会を無事に終え、私は30年ほどタイムスリップした気分でロードスターに乗り込んだ。来たときとは打って変わって、疲労感はありつつも幸福感に包まれていた。日産の最新技術との違いを体感するため、私は一日中走り込んだ試乗コースをなぞって帰ることとした。

《神林崇亮》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る