MINI クラブマン、生産終了---55年の歴史に幕

左からオリジナルのMiniクラブマン、現行MINIクラブマンの最終モデル、先代MINIクラブマン
左からオリジナルのMiniクラブマン、現行MINIクラブマンの最終モデル、先代MINIクラブマン全 17 枚

MINIは2月5日、『クラブマン』(MINI Clubman)の生産を終了した、と発表した。英国オックスフォード工場から、最終モデルがラインオフし、オリジナルの「Miniクラブマン」誕生から55年の歴史に幕を下ろした。


◆オリジナルのMiniクラブマンは1969年に発売

オリジナルのMiniクラブマンは1969年に発売された。オリジナルモデルの発売以来、110万台以上が製造され、その半数がオックスフォード工場で生産された。世界50か国以上に輸出されたクラブマンは、世界中で愛用され、英国ではミッドナイトブラックが人気カラーとして選ばれている。

クラブマンの歴史は、ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が、「オースチン・セブン・カントリーマン」と「モーリスMiniトラベラー」という2つのエステートバージョンを発表した1960年代初頭に遡る。長いシャシーと納屋スタイルのリアドアが特長で、どちらのモデルもスペースと実用性を兼ね備えていた。これらの車が、オリジナルのMiniクラブマンへの道を開いたという。

1967年、BMCはMiniのラインナップを合理化するため、デザイナーのロイ・ヘインズを起用し、4モデルすべての特長を1台のMiniクラブマンにまとめた。そのデザインはより角ばったもので、オリジナルのMiniよりも100mm長いフロントノーズを備えていた。

◆2007年にBMWグループ傘下のMINIブランドからクラブマンが復活

オリジナルのMiniクラブマンは、1982年に生産を終了する。その後25年を経て2007年、BMWグループ傘下に入ったMINIブランドから、クラブマンが復活を果たした。

現行型は、復活後の2世代目モデルで、2015年秋にドイツで開催されたフランクフルトモーターショー2015でワールドプレミアされた。現行クラブマンの最大の特徴は、先代モデルの個性でもあった2+1ドアを改め、一般的な4ドアとした点だ。現行型は乗降性の面で、初代に対して利便性が引き上げられた。その一方で、車体リアのテールゲートの観音開きドアは、継続採用。現行クラブマンは、6枚のドアを持つ。

また、現行型では、最大1250リットルのトランク容量、使い勝手に優れる4つのフルサイズドア、MINIブランド初となる8速「ステップトロニック」トランスミッションを採用した。さらに、電動パーキングブレーキ、フル電動シート調整機能、バックライト付きドアベゼルを備えた「MINI Yours」のインテリアスタイルなど、数多くの装備がクラブマンで初採用された。また、MINIブランド初の全輪駆動モデルの「クラブマンALL4」も、2016年に発表されている。

◆現行型の最終限定車「ファイナルエディション」

現行クラブマンの最後を飾る特別モデルが、ファイナルエディションだ。オリジナルのMiniクラブマンが発売された1969年にちなんで、1969台が限定生産された。ボディカラーには、ナヌークホワイト、エニグマティックブラック、メルティングシルバーが用意され、シマーコッパー色のアクセントが添えられた。

フロントグリルのクロスバーの周囲と上側3分の1は、専用のブレードとサイドスカットルと同様に、輝くエディションカラー仕上げとした。ツートーンデザインの18インチアルミホイールも専用で、銅を連想させる着色クリアラッカーで仕上げられている。

Cピラーの側面には、「1 of 1969」のエンブレムを装着した。輝く「Final Edition」の文字が、特別なMINIクラブマンであることを示している。ユニオンジャックのテールライトは、MINIクラブマンが英国生まれであることを表すものだ。

◆助手席側に「1 of 1969」のエンブレム

インテリアは、ナッパレザーのスポーツステアリングホイールの下側スポークに、「Final Edition」の文字が配された。ドアシルトリムも専用仕上げとなる。「MINI Yours」のレザースポーツシートは、ダークマルーン色で、調整式のランバーサポートが付く。

中央のインストルメントパネルには、ダークトリムを施した。マット仕上げのセージグリーンダークカラーと、シマーコッパー色のトリムストリップとコーディネートされている。

助手席側のトリムには、「1 of 1969」のエンブレムをあしらう。同じデザインのエンブレムが、フロアマットにも配された。キーには、専用のグラフィックレタリングを採用している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る