[サウンド制御術・実践講座]クロスオーバーでは“スロープ”の設定がキモ! これって何?

「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。
「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。全 1 枚

車内で聴く音楽をより良いコンディションで再生するには、「サウンドチューニング機能」を使いこなせるか否かもポイントとなる。当コーナーではその設定方法を解説している。現在は「クロスオーバー機能」の使い方を説明している。

さて、「クロスオーバー機能」とは、マルチウェイスピーカーに対して再生範囲の振り分けを行う機能だ。で、最初にサブウーファーを導入したときの、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」の設定法から説明している。

なお「クロスオーバー」を設定する際にはこれまでの記事にて説明してきたとおり、「カットオフ周波数(再生範囲の下限、または上限)、「レベル(音量)」、「位相(音波のタイミング)」を設定していくことになるのだが、その次には「スロープ」を決定したい。

で、「スロープ」とは何なのかというと…。これはすなわち、「減衰率」のことを指す。例えばフロントスピーカーの「カットオフ周波数」を63Hzに設定したとき、フロントスピーカーから放たれる音の63Hzより下の音がスパッと切り取られてなくなるわけではなく、音程が下がるごとに音量が小さくなっていくこととなる。

その音量の下がる度合いが「スロープ」だ。表記法は「マイナス○○dB/oct」となる。これが意味するところは以下のとおりだ。音程が1オクターブ下がる(上がる)ごとに音量が何dB下がるか。それを「マイナス○○dB/oct」と書き示す。

ところで○○の中には数字が入るのだが、この値を細かく任意に変更できない。この値は「6の倍数」と決められている。具体的には、マイナス6dB/oct、マイナス12dB/oct、マイナス18dB/oct、マイナス24dB/oct…、という具合だ。

ただしメインユニットに搭載されている「クロスオーバー」の中には、「スロープ」を変更できないようになっているものもある。例えばマイナス18dB/octで固定されているケースもある。

で、変更できる場合には、前回の記事にて説明したように、「位相」を合わせようとするときのいわば“アジャスター”として使える。これを1段階変更することで「位相」が90度進むので、「位相切替スイッチ」の「正」「逆」を切り替えてみても音の変わり幅が少ない場合に、試しに「スロープ」を1段階進ませてみよう。

そうして「正」「逆」を切り替えて音の変わり幅が大きくなればしめたものだ。そうなったら「スロープ」はそれにて決定し、その上で「正」と「逆」とを切り替えて音が向かってくる感じが強い方を選択しよう。

今回は以上だ。次回はこの次の工程について説明する。お楽しみに。

《太田祥三》

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