日本人女性初のスーパーフォーミュラドライバー、Jujuこと野田樹潤選手がDHLフォーミュラEアンバサダーに就任

DHLフォーミュラEアンバサダーとして就任した野田樹潤選手。
DHLフォーミュラEアンバサダーとして就任した野田樹潤選手。全 20 枚

3月27日、フォーミュラE世界選手権東京大会の開催を前にDHLグループが会見を行い、今シーズンよりスーパーフォーミュラに参戦しているJujuこと野田樹潤選手のDHLフォーミュラEアンバサダー就任を発表した。

◆400トンを超える機材の輸送を担うDHL

ロジスティクス産業のグローバル企業であるDHLは、フォーミュラEの創設の年である2014年から、オフィシャルファウンディング・ロジスティクスパートナーとして、グループ内の専属チームが、レースの実施に必要なレース機材一式の輸送を担っている。

3月30日に東京ビッグサイト周辺市街地で開催されるフォーミュラE世界選手権東京大会(2024 Tokyo E-Prix ABB FIA Formula E 世界選手権)に向け、前戦のレース会場となっていたブラジル・サンパウロからレース機材一式を輸送。レースカー、バッテリー、充電装置、放送機器などの装備一式は、400トン超になるとのこと。1週間前に到着した荷物は、各ピットレーンに届けられ、各チームがマシンの組み立てやピット内の設備準備を行う。

ピットレーンには輸送されたコンテナがまだ置かれたままの状態だった。ピットレーンには輸送されたコンテナがまだ置かれたままの状態だった。

会見では、おもにDHLのサステナビリティ戦略が紹介され、フォーミュラE世界選手権におけるモータースポーツロジスティクスについても解説が行われた。そして今シーズンより日本人女性として初、かつ最年少ドライバーとして、日本国内最高峰で最速のスーパーフォーミュラに参戦しているJujuこと野田樹潤選手がDHLフォーミュラEアンバサダーとして就任することが発表された。DHLは契約に至る経緯について、野田選手の持つ信条がDHLの掲げる「スピード」「パッション」「チームワーク」のコアバリューに一致することから始まっていると説明した。

◆エネルギーをどう使うかが勝敗のポイントとなりレースの魅力でもある

会場にはDHLフォーミュラEアンバサダーとして就任した野田樹潤選手も駆けつけた。フォーミュラE世界選手権の注目ポイントを聞かれた野田選手は、「電気自動車のレースということで、エネルギーの使い方が普通のレースとは違い、そこがひとつの魅力だと思う。限られたエネルギーをどこで使うか、どのくらい使うかという部分はすごく大事になっている。そのどこで使うかという部分は、エンジニアの作戦や技術がすごく反映され、そのエンジニアの考えた作戦どおりに、しっかりとドライバーが合わせられるかというのもすごく重要となる。チームの力とドライバーの技術の組み合わせが、レースの結果に強く反映してくるのは新しい魅力だと思う」と語った。

カメラマンのサムアップのリクエストに笑顔で応じる野田樹潤選手。カメラマンのサムアップのリクエストに笑顔で応じる野田樹潤選手。

◆目標とするドライバーは父親にあらず?

また野田選手を語る上で欠かせないのが、父である元F1ドライバーである野田英樹氏だが、目指している目標とする選手は英樹氏かという質問には意外にもノーという答え。父親の影響で3歳からレースを始め、5歳の時にプロになると決めてレースを続けているので、父親の影響はもちろんあり尊敬しているが、目標としているドライバーはいないといった返答だった。世界で戦っているドライバーの皆さんは尊敬しているが、自分がやろうとすることや、目指しているところにはドライバーヒーローがまだいないとのこと。レーシングドライバーとして今年の目標については、「日本最高峰のスーパーフォーミュラでフル参戦するので、しっかりと実績を積み重ねてドライバーとして成長していきたい」と力強く語った。

また最後にファンへのメッセージを求められた野田選手は、「今年はスーパーフォーミュラ以外に、ヨーロッパでもいくつかレースに参戦することが決まっている。自分にとってすごく大きなチャレンジになるので、その中でしっかりベストを尽くして楽しんでレースをしたい。将来的には今週末開催されるフォーミュラEなど、世界選手権にも参戦したいので、ぜひ応援をお願いします」と述べた。

父である野田英樹氏と親子二人での撮影も。父である野田英樹氏と親子二人での撮影も。

◆バッテリーの輸送は許可証の発行が重要となる

会見の後にはピットレーンツアーも開催された。ピット前には前戦のブラジルから運び込まれた機材が置かれ、各ピットクルーが機材をピットに設置したり、レース車両を運び込む作業に取りかかっている最中だった。決勝は30日だが、29日にはフリープラクティスも開催されるため、急ピッチで準備が進められていた。この大量の機材の輸送について、DHLによると、輸送の際に慎重に運ぶことはどの貨物でも重要だが、その中でもとくに慎重さが求められるものがバッテリーや充電器とのこと。リチウムイオンバッテリーは危険物と特定されているので様々な承認が必要で、航空会社にも許可を取らねばならない。またバッテリーメーカーとの情報の共有も必要となる。バッテリーは重い貨物のため、運ぶのが大変だと思われがちだが、重さよりもバッテリーを輸送するための許可証の取得が重要とのことだった。

スターティンググリッドのあるメインストレート。スターティンググリッドのあるメインストレート。ジュリア・パレ氏、マヌエラ・ジャンニ氏によって、輸送についての問題などが説明された。ジュリア・パレ氏、マヌエラ・ジャンニ氏によって、輸送についての問題などが説明された。

《関口敬文》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ブリヂストン史上最長、約13万kmの走行保証…新タイヤ「トランザ エバードライブ」米国発売
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 日産『ムラーノ』新型、米IIHSで最高の安全性評価
  4. BMWの18車種2万台にリコール…火災に至るおそれ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る